田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

カミサンとバラの日々  麻屋与志夫

2009-05-08 06:56:41 | Weblog
5月8日 金曜日

●うちのカミサンはバラ好きだ。

いつもバラのことが念頭にある。

バラのことが話題にならない日は一日としてない。

昨日のこのわたしのブログで紹介したが「猫と亭主とわたし」というブログ書いて

いる。

●この欄で紹介したところ、おかげさまで日本ブログ村のバラブログで四位に上昇

した。

ありがとうございます。

ことバラに関しては婦唱夫随というところだ。

ものぐさなわたしはただただエールを送っているだけ。

それでもたまには、水くれを手伝ったりするようになった。

●連休で帰省した息子が西側の塀沿いに蔓バラをからませるため、ポールでヘンス

を作ってくれた。

カミサンは感激。

わたしは感心した。

わたしがけっしてやらないこと、出来ないことを軽々とこなす息子をみているのは

楽しいものだ。

●ともかく日当たりの悪い庭だ。

カミサンはバラの鉢を日差しを追いかけて移動させている。

●また小説が売れるようになったら、西側の家屋を縮小改築して庭を増やそうなど

と考えている。

●今までのように、薔薇園のために土地を買ってあげる――などと大きなことは言

えなくなった。

年のせいか気が弱くなってしまった。

●こと日常生活では夫唱婦随だ。

ホリゴタツの好きなわたしは朝からここを動かない。

「おーい。お茶」といった亭主関白。

わたしとしては、小説を書く以外にはエネルギーを浪費しないのだ。

とおもっている。

動かざること山の如し。

などと嘯いている。

●消費エネルギーを最小限にとどめる。

これって。LOHASな態度として認知されるのでしょうかね。

ただのモノグサですよね。笑い。

    ER シャリファ・アスマの蕾
       

    F マチルダ
       

       



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ロハスな田舎暮らし  麻屋与志夫

2009-05-07 03:10:09 | Weblog
5月7日 木曜日

アメリカ生まれの造語
「ロハス」とは、
Lifestyle of health and sustainability
という英語の略。
「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」

●連休で娘と息子たちが家族づれでやってきた。

わたしは車を持たない主義なのでこういう機会にドライブを楽しませてもらう。

いろいろな所に連れて行ってもらってすごく楽しかった。

●みんなが帰って行った。

カミサンとふたりだけのシンプルライフがもどってきた。

●いまのはやりの言葉だったらエコな生活とでもいうのだろうか。

それともロハス。

シンプルライフくらいまではよく理解できたが……。

ロハスとかエコなどといわれても同じようにしか感じない。

●日本語でいったら簡素な生活。

これならいちばんよく分かる。

やはり語感もGGだなぁと思ってしまう。

●朝起きてひとりで食事する。

カミサンは毎晩遅くまで薔薇ブログをやっている。

猫と亭主とわたし」を読んでやってください。

朝は起こすに忍びないから、一人で食事をする。

●牛乳一合に、卵一個を入れご飯は軽く一杯程度。

よく温める。

それからキナコ、ゴマ、スキムミルクを大しゃじ一杯。

これで一食は塩分ぬきの食事となる。

●食事ひとつとっても、かなり他の家庭とはちがう。

カミサンはほとんど午前中は薔薇の世話をしている。

これが至高のよろこびを彼女にもたらしている。

    フロリバンダローズ マチルダ わが家で一番早く咲いたバラ
       

       

       

       

       

●わたしは小説を毎日かいている。

カムバックも思うようにいかないが、長年の習慣だからやめられない。

楽しくてたのしくて、一日が瞬く間に過ぎてしまう。

●夕刻から塾の授業がある。

これも宣伝などしたことがない。

入塾してくれる生徒がいるいじょうはひとりでも教える。そんな塾だ。

でもそのための準備はかかしたことがない。

一時間の授業のために一時間は下調べする。

そんなことをもう35年もやっている。

●塾の父母のかたとだけ付き合いがある。

あとはほとんどひととのお付き合いはない。

●まったくシンプルもいいところだ。

これは田舎住まいだからできることなのだろう。

●この生活がお盆までつづく。

娘、息子の家族がまた帰省するまでおなじ静かな田舎暮らしがはじまったのだ。





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藤の老木に学ぶ 麻屋与志夫

2009-05-06 08:26:09 | Weblog
5月6日 水曜日

●連休で帰省している息子夫婦に連れられて車で鶴田の大藤を見てきた。

●トイザラスの脇の道を入ってすぐのところに、野生の藤はある。

この藤は宇都宮市指定の天然記念物になっている。

ともかく義経伝説にかかわる藤だからその老木ぶりがみものだ。

●カミサンがとったピクチャを見ていただけばわかるように、その魁偉な太さ、ね

じれ具合はむしろ怪異な自然現象とでも表現したいような見事さを誇示していた。

●藤の花は上の方にわずかに咲いていた。

季節外れということはない。

だから老木なのであまり花をつけなくなっているのだろう。

花が見られなくても、その蔓が老木となりねじれたり、ひび割れたりして長い年月

の重みにたえているさまには感動した。

       

       

                    

●連休なのでテレビを見ようとした。

見る番組はなかった。

いつからテレビはこんなにつまらなくなってしまったのだろう。

子どもの日だからではない。

いつつけてもお子様向けの番組としか思えないようなシロモノばかりだ。

●まあこちらがGGになったからなのだろうとあきらめた。

終日わがPC、ハルちゃんに向かい小説を書いた。

●これからは、すこしいい加減な気分で過ごそうと思った。


藤の老木のように、花を咲かせなくてもいい。生き抜くことが大切だ。

わたしにとって花を咲かせるとは、いい小説を書くこどだ。ベストセラーになるよ

うな小説を書くだ。あせるな。焦るな。

●あまり緊迫した心情で生活すると周りのマスコミに批判的になる。

周囲とうまくつきあっていくにはノホホンのほほんとするのがいいようだ。




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鹿沼を故郷としている方へ  麻屋与志夫

2009-05-05 07:18:50 | Weblog
鹿沼のマロニエ並木
2008-03-17 12:31:35 | Weblog

3月17日 月曜日

鹿沼のマロニエ並木 (随筆)

 妻の母校、鹿沼高校前の通りに栃の木が植えられたのは、いつの頃であったろう

か。いまでは晩春のやわらかな日ざしをあびて円錐花序の白い花を咲かせる並木と

なった。

 わたしは肥満体におおきなリックを背負っている。買物をつめこんで、かなりの

おもさになった。妻は日傘をさしている。

 こうしてマロニエの並木を二人して散策していると異郷で生活しているような錯

綜した心のときめきを覚える。生涯出不精。旅などしたこともないが、パリにだけ

はいきたかったというのが偽らざる感懐だ。

 日傘をくるくるまわすような若やいだ動きはしないが、わたしにとって妻の姿は

夢二の絵のように大正ロマンをかきたてる。

「今年は暦どおりに咲いたわね」

 小柄な妻がわたしを見あげ、その頭上の白い花々に視線を遊ばせている。マロニ

エの花が、といわないのは妻の気くばりだ。パリにだけはいきたかった。わたしの

そうした悔恨をかきたてないための配慮だ。夫婦も四十年もおなじ空間で生活をし

ていると、相手のかんがえていることがわかってしまう。わたしはセーヌ河畔を妻

と歩いているつもりになっていた。セーヌ河畔にマロニエの街路樹があるかどうか

はしらない。白い花房の群れはまさに花盛りだ。濃い桃色や黄色がまざって風の動

きにみえがくれしている。全体としては白い花霞みだが、風のながれや見る角度に

よって花の色が変化して美しい。

「去年は狂い咲きがあった。秋にもういちど栃の花がみられた」

「栃の花を二度もたのしむことができて、2年ぶん生きたここちがしたわ」

「今年はああした陽気にはならないだろう」

「またあるといい。毎年二度咲きしてくれればいいのに。人生をこれから倍も生き

たことになるわ」

 日常の中で、心の生活の密度を濃くしようというのが、わたしと妻のねがいだ。

いつの日かこうしてつれだって歩くということはできなくなるだろう。すこしで

も、この時間をひきのばしたいという気持ちがふたりにはある。

 日傘をさした妻の姿がわたしは好きだ。夢二の女たちの世界だ。すんなりとした

うなじから背にかけて、木漏れ日が揺れている。木陰がつづくので、日傘をたたん

だのだ。

(お葉さん、そこのけそこのけうちの美智子さんがとおる)

 人にきかれないように、ざれ歌のように小声で唇にのせ、妻とつれだってある

く。不運つづきの身にとって、唯一の安堵と心の高揚をともなう時である。……い

つまでつづくだろうか。

 両親の看護のため故郷鹿沼にもどった。妻と出会わなかったら……。初デートで

街をぶらついた。あれからふたりして、どれほどの距離をこの鹿沼であるいたこと

だろう。由あって文学浪人。などと、粋がっていたのは、四十歳までだった。売れ

たり売れなかったり。コンスタントに書き続ける筆力もない。非才の身にとって

は、両親の死後、おもいきって東京にもどることもできなかつた。そして、今では

病んでいた父母の歳にわたしがなってしまった。無常迅速。年月のながれが急に速

くなった感じがする。妻が病んでいるとわかったのは、去年の返り咲きの栃の花を

みた季節だった。病に倒れる不安をかかえた妻はいっそう美しくかがやきだした。

まさにもどり咲き、若やいだ感じだ。

 マロニエの並木が尽きた。妻が日傘をひろげた。わたしは絵描きでないことを悔

いていた。

「もうそろそろ栃の花も散りはじめるころね」

 校庭からは、高校生の歓声がきこえてくる。

 華やいだ声が春の空にひびく。

 マロニエ。パリ。青春。昔の春。小説。マロニエの並木。


                      平成12年 全作家50号より転載。


●ひさしぶりで、歩いた鹿沼高校前の通り。マロニエ並木が切られて消えていまし

た。寂しかったです。

●あまり寂しかったので旧作をまたまた転載しました。

●あのマロニエの並木はもうわたしたちの心にしか残っていないと思うと寂しいで

すね。

●「アサヤ塾」はまだ続けています。卒業生からときおりコメントをいただいてい

ます。ありがとう。

●むかしながらの場所で同じ教室で…‥でもわたし達夫婦は老いました。

●みなさんが懐かしがってくれる限り続けていきたいと思います。

●あわただしくchangeしていく鹿沼のなかにあってむかしのまま、がんばっていま

す。

●連休で帰省している卒業生の方どうぞお立ち寄りください。




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