11月30日 Fri.
●今月の某日、72年来の付きあいであった『村上犀』君の訃報が届いた。横浜に住む娘さんから電話で知らされた。老人性膝関節症でよたよたしているGGのわたしは葬式には参列できなかった。
●彼とは旧制中学の一年生の教室で知り合った。共に模型ヒコウキ作りが趣味と知り意気投合したのだった。つきあってみると、絵が得意で、家業の蕎麦屋を継ぐのをキライ、絵描きになりたいのだといった。麻屋を継ぐのが嫌いなわたしとは気があった。小さな田舎町で、将来芸術家を志す少年がであったわけだ。この偶然の出会いはどれくらいの確率で起きたのだろうか。
●以来つき合いはとぎれることはなかった。この春30数年ぶりで遊びに来てくれた。
●瞬時、「ああ、お別れに来てくれたのだな」と悟った。長い年月の思い出がわたしの脳裏で渦巻いた。はたせるかな、彼の母校の小学校を訪ねても、共に飛行機をとばした御殿山につれていっても、肩に下げたカメラのシャッターを切ることはなかった。気力が萎えている。憔悴していた。
●わたしの家の近くに幼稚園があった。その時のことを楽しそうに話していた。
●彼が絵描きになったら、わたしが小説家になったら、わたしの本の表紙を飾る絵を描いてくれる約束だった。
●尾羽打ち枯らしたわたしへの配慮から彼はそのことは、口にしなかった。立派に大成した彼の本名は「倉持光雄」。
●君がいなくなって、さびしくなった。同級生で友人だった仲間はみんなそちらにいってしまったもの――。さびしいよ。
●わたしは雑誌デビューを果たしただけで賞とは関係ない、どうショウもない物カキだ。
●君の努力を想いながら、これからもどこまで行けるかわからないが、精進するからそちらで見守っていてくれ。
●さようなら。
麻屋与志夫の小説は下記のカクヨムのサイトで読むことができます。どうぞご訪問ください。
カクヨムサイトはこちら
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村
●今月の某日、72年来の付きあいであった『村上犀』君の訃報が届いた。横浜に住む娘さんから電話で知らされた。老人性膝関節症でよたよたしているGGのわたしは葬式には参列できなかった。
●彼とは旧制中学の一年生の教室で知り合った。共に模型ヒコウキ作りが趣味と知り意気投合したのだった。つきあってみると、絵が得意で、家業の蕎麦屋を継ぐのをキライ、絵描きになりたいのだといった。麻屋を継ぐのが嫌いなわたしとは気があった。小さな田舎町で、将来芸術家を志す少年がであったわけだ。この偶然の出会いはどれくらいの確率で起きたのだろうか。
●以来つき合いはとぎれることはなかった。この春30数年ぶりで遊びに来てくれた。
●瞬時、「ああ、お別れに来てくれたのだな」と悟った。長い年月の思い出がわたしの脳裏で渦巻いた。はたせるかな、彼の母校の小学校を訪ねても、共に飛行機をとばした御殿山につれていっても、肩に下げたカメラのシャッターを切ることはなかった。気力が萎えている。憔悴していた。
●わたしの家の近くに幼稚園があった。その時のことを楽しそうに話していた。
●彼が絵描きになったら、わたしが小説家になったら、わたしの本の表紙を飾る絵を描いてくれる約束だった。
●尾羽打ち枯らしたわたしへの配慮から彼はそのことは、口にしなかった。立派に大成した彼の本名は「倉持光雄」。
●君がいなくなって、さびしくなった。同級生で友人だった仲間はみんなそちらにいってしまったもの――。さびしいよ。
●わたしは雑誌デビューを果たしただけで賞とは関係ない、どうショウもない物カキだ。
●君の努力を想いながら、これからもどこまで行けるかわからないが、精進するからそちらで見守っていてくれ。
●さようなら。
麻屋与志夫の小説は下記のカクヨムのサイトで読むことができます。どうぞご訪問ください。
カクヨムサイトはこちら
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村