田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

道路に緑の血が流れていた。麻屋与志夫

2023-02-18 07:42:24 | ブログ
2月18日 土曜日
白っぽい道が緑色に染まっていた。
道路標識なら「緑」は安全。
GOのサイン。
だが、わたしには、危険信号。
わたしは、吸血鬼作家。
吸血鬼のことは若い時からずっと書いてきている。
吸血鬼の流す血は緑ときめている。
もっとも、緑の血を流して吸血鬼が死ぬということはない。
だいたい永遠の命を持つ吸血鬼が緑の血を大量に流して、出血死。
なんてさまになりませんものね。
吸血鬼が死ぬのは光をあびての死。

えっ、なんですか? 
乱杭歯のあいだから深紅の血を流してるじゃないか。

あれは、女性のうなじにかみつき吸った血がながれでているのです。

道路に緑の血がこびりついていた。
わたしの頭にはアラームがなりひびいています。
ここまでは、妄想の世界。

現実はなにか緑色のプラスチックの製品が荷台から道路に落ちた。
それを何台もの車が引きツブシタということでしょう。

でも、最近道路には赤い血がいたるところで流されていますよね。
乱杭歯ではなくナイフをもった人間が人間を襲います。
怖いですね。



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朝に傑作が書けたら、夕べに死すとも可なり。麻屋与志夫

2023-02-17 10:04:01 | ブログ
2月17日 金曜日 晴 室温4℃
現実感がうすれてくる。
車道を、信号機のない横断歩道を渡るのも命懸けだ。
ところが、ところかまわず、杖をついて横断しているお年寄りをよくみかける。
スタスタスタと健脚を誇って素早く渡っていく老人もいる。
危ないな。
と心配になる。
なんて無謀なことをするのだ。
自殺願望でもあるのだろうか。
そう疑いたくなるような行動だ。

ところが、GGも寄る年波、最近すこしなにかおかしくなってきた。
現実感がうすれてきた。
あまり危険を感じない。
じぶんのしていることがわからないのだ。
先日も散歩に行き、脚の調子がいい。
30分しか歩けないわけなのに、少しも疲れない。
これなら、まだいける。
うれしくて、興奮して結局120分ほど歩いた。
家に帰って来てから、さらにカミさんに誘われてカワチ薬局まで20分。
アドレナリンがでていたのでしょうかね。

翌日から足腰が痛み、歩けない。
今日で4日になるのですが、まだホリゴタツデから出られません。
若い時でしたら、じぶんの身体能力の限界を超えるようなことはしませんでした。
じぶんのしていることが、分からなくなるのですね。

車が疾走してきてもあまり危険だとは思わないのかもしれません。
わたしは、まだそこまでは行っていませんが――。

年増芸者が若いキレイどころと舞いたいと望むようなものだ。
小説を書き上げて新人賞に応募するなど、無謀もいいところだ。

このままホリゴタツで死すとも可なり、といった覚悟だけはしています。



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阿毘羅吽欠蘇婆訶(アビラウンケンソワカ) 麻屋与志夫

2023-02-16 10:00:48 | ブログ
2月16日 木曜日 室温2℃ 厳冬並みの寒さ。
まるで、
そのまんま、
掛け値なしの真冬並みの寒さだ。
寝床にいても寒い。
頻繁にトイレにいく。
いくら頻尿でもこれはひどすぎる。
思い切って「おんあびらうんけんそわか」と気合の一声。
3、25分だった。
コタツの暖房を「中」入れて、
いつもは電機料金倹約のため弱にしているのだが、
この寒さでは仕方ないだろう。
脚は暖かになったが、
パソコンを打っていると、
手がかじかんでしまう。

この歳まで生きてくると、
前にも書いたが「オカルトじみてくる」。

悪魔の存在と神の存在を信じるようになる。
マジで、
ホンマ、
疑いもなく信じている。

このところ、
小説の技巧上の問題で、
いろいろ悟ることがあったが「噂をすれば影がさす」。
カミさんにだけにはそっとの歓びを伝えた。 


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ほそゆき。ほそくん。 麻屋与志夫

2023-02-10 10:54:33 | ブログ
2月10日 金曜日 雪
久しぶりの雪。
細かな雪だ。

旧制中学の時、谷崎の「細雪」が国語の教科書にのっていた。
朗読を指示された、?君が……だれだったのだろう。
勢いよく立ちあがったのはいいが、最初の題名から口ごもってしまった。
「ホソユキ」誰かが小声で教えた。
元気な声で「ホソユキ」。どっとクラスの半分が笑い声をあげた。
もちろん谷崎の「ささめゆき」だ。

またある時、「細君」、まただれかがイタズラをした。
「ほそくん」この時は、笑うものはあまりいなかった。

旧制中学の教科書はむずかしかった。
教科書とはいうが新聞紙のように印刷物だった。
それを裁断して綴じた。

万葉集がのっていた。一年生の教科書だ。
現在では中学三年生の教科書にのっている。

かずかずの思いでにひたりながら、ホリゴタツで小説を書いている。
世の中、良くしたものだ。
学校での成績の悪かったものほど社会にでてからは立派な活躍をみせている。
でも、皆、みんな……いなくなってしまった。

そのうちオジャマすることになるだろうが。

「疾風怒濤のわれら田舎町の戦争少年のことを書いてくれよ」といわれていた。
約束を果たすまでは会えないな。

あとせめて10年生きなければ。

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悪魔祓い 師  麻屋与志夫

2023-02-06 14:17:17 | 超短編小説
2月6日 月曜日 晴
超短編小説 16 悪魔祓い

「ミエをはらずに杖持っていったら」
さすがだね。長年共棲してきたカミさんだ。
突いていったらといわれるのはいやだ。
爺臭くていやだ。持っていくのなら。
とにかく二本とない杖だ。銀の握りがついている。
ぜいたくだ。ステイタスをあらわしているようだ。
さもさも富裕階級だといっているようだ。
長年の友だちはそう批判する。
これほど長くつきあってきたのに、わたしのことをまったく理解していない。
杖の上部には両手をかけて立ちあがることができるように補助ハンドルが横にはりだしている。

少し疲れた。
帰り道というのはいやだ。往路の疲れがいっせいに足をせめたてる。
まえに向て足をはこぶよりよこに歩いたほうが膝の負担が軽くてすむ。
しかたないから、聖マリアンヌ幼稚園の鉄の柵に片手をあずけて蟹歩。

みっともないったらありやしない。
でも、杖をつくより、脚に負担をかけて、鍛えておかなくては。
どうしてそうおもうのだろう。長年の習慣だから、よくはわからない。

はるかかなた柵がつきるあたり、門扉の前に霧の柱があらわれた。
霧は人型となった。ふたりの男がわいてでた。
異様な服装の男たちだ。頭からフードをかぶり全身黒ずくめ。

わたしは柵越しに叫んでいた。
「逃げるんだ。教会堂に逃げろ‼」
いくら叫んでも、庭で園児を遊ばせている保育士にはきこえていない。
きこえているのだが、無視しているか。
まったく反応がない。
じぶんたちは教会の柵の中にいるだから安全だと妄信しているのかもしれない。

いま目の前に迫って来た危機に気がつかない。
わたしは、杖の握りを柵にうちつけた。
警鐘のように、誰かが気づいてくれればいいのだが。
金属を打ちつける音、金属の響きあう音は予想以上に高く響いている。
保育士は振り返りもしない。
いやむしろ、おかしな老人の行動を見まいとしているのかも。

ジャングルジムのてっぺんにいた年長組らしい大人びた少年が気づいた。
「変な人が門から入って来たよ」
「あれは、悪魔だ。教会堂に逃げこめ」

少年は声をはりあげた。
「悪魔だ。悪魔が来た」
少年は庭におり立つと、「悪魔だ。悪魔が来た」と絶叫しながら教会堂の方角に走り出した。
園児はかれにしたがった。
群れを成して子羊のよう教会堂に走りこむ。

神父さんが走ってきた。
わたしは聖堂の前に立っていた。
「悪魔です。悪魔の襲来です」
「ルシファか」

神父は植え込みのおくから、ゆったりと近寄ってくるふたりの男をにらんでいる。
さすが神父。神に仕えるもの。
ヤツラが悪魔に見えるのだ。
悪魔は、これからの残酷な悪行を楽しむようにゆっくりと、庭を横切ってくる。

「まずは中へ」
神父が扉を閉めようとしたが、閉まらない。
それどころか、外からバーンと開けられた。
神父がふっとぶ。
保育士たちは、まだ何が起きているのか、わからないでいる。
「神父さん聖水をかけて」
「バカか。いまどきはな、撥水加工をした服をきているのだ」

わたしは杖を左手にもちかえた。
立ち上がるときの補助ハンドルが両側についている。
ハンドルを内側にひねった。パチッとハデな音。
杖の先から槍の穂先がとびだした。
「仕込み杖か。それにしても、かわった趣向だな」
「十文字槍だ」
胸板めざして突きいれる。
かわされた。横になぐ。
足元をはらった。ジャンプしてかわされた。
着地したところを狙った。胸に穂先を突き立てた。
ところがはねかえされた。
「防刃チョッキを着ているでよ」
憎ったらしく冷笑している。

聖水も、十文字槍、穂先が十字架になっている槍もはねかえさせられた。
どうしたらいいのだ。
それに、コイツラの目的はなんだ。

悪魔の胸で携帯がなった。
ビンビン声がひびいてくる。
「なにしてる、おそいぞ」
「いますこしです」
「おそいぞ。まだきょうのノルマがのこっている」
どこからか、リモートで指図されている。
司令塔がほかにいる。
コイツ組織だっている。
悪魔がばんと手をうった。
椅子がざざっと教壇のほうにながれた。
園児たちの目前でとまった。
「こんどおれたちが手をたたけば、子どもら、おしつぶされるぞ。それでもいいのか、いちどだけきく。隠し裏金はどこだ」
「そんな、あれはむかしから代々の神父が蓄えたのだ。この町の人がお金でなら解決できる苦難にあったときに使うものだ」
「それがどうした。出せ」
「そうか、きさまら金か。たった数枚の銀貨のために主を裏切ったユダを祖先とするものだものな」
話しかけながらかんがえた。
どうする。
どうしたらいいのだ。
このままでは園児たちが椅子の洪水でおしつぶされる。
死人が出る。
どうしたら。

神父は園児と悪魔の間で十字架を高くかかげて、悪魔退散の祈りをささげている。
なんの予告もなく梅安がうかびあがった。
昨夜テレビでみた仕掛け人梅安の針。

悪魔の背後にまわりこんだ。
必殺の突きを首筋に。
悪魔が緑の粘液となってとける。
ふたり目もおなじ粘液にするのに瞬く間だった。
「たすかった」
神父さんがふらついたのをたすけたのはあの少年だった。

「おじさんすごいね吸血鬼ハンターなのだ」
「あるいは、悪魔祓いかな」
「エクソシストだね」
わたしはむかしこの子と同じ言葉を大人の人にかけたような記憶がある。
これで、やっと、ながい使役から解放される。

しかし、ハンターとしての「技」をこの子に伝授するまでは――生きつづけなければ……。


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聖母幼稚園の柵にすがって蟹歩き。麻屋与志夫

2023-02-03 10:54:57 | ブログ
2月3日 金曜日 晴
いつもの散歩道。
北小学校の目下改築中の塀のところまでしか歩けなかった。

膝が痛む。
がまんしきれずに、見えも外聞もない。
右足を引きずる。
「杖をつきなさいよ」とカミさんに言われている。
見栄でつかないわけではない。
杖にたよると、ますます足を労わりすぎることになる。
そして、次はなにに頼ればいいのだ。

コンクリートの歩道の白い固さが恨めしい。

歩いてる人はいない。
歩道の隅には金さび色の落ち葉がちらほら見られる。
これから10年生き長らえるのはよういなことではないな。
脚が痛みでふるえてくる。

聖母幼稚園の塀にすがる。
蟹のように横歩き。
両手ですがっているので横歩きするしか方法がない。
塀が無情にも途切れる。

5メートル先までよたよた歩き弁天池の手摺に頼る。
書家の相沢春洋先生の長男が、忠君といったかな? 
卒業時、彼のサインbookに「蟹の横歩き」と書いた。

なんの脈絡もなく、ふいに過去の言葉が、小景が思いだされることがある。
池では薄い氷の下を亀と鯉が泳いでいた。


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天井が落ちてきた。 麻屋与志夫

2023-02-02 05:57:10 | 夢見るGGの夢占い
2月2日 木曜日 晴 4℃
夢見るGGの夢占い。34

天井が落ちてきた。
もともとわが家の裏板は、築百有余年の古民家なので、新建材のようにはいつもぴかぴかというわけにはいかない。木の瘤あと、小さな節がいくつもある。
節は寄る年波でポカっと穴になっている。
節穴はあちこちにある。
掘りごたつで仰向けにねている。
節穴から光がもれてくる。
プラネタリュムだ。
などとうそぶいていたGGなのであります。

ところが、夢でこの天井がついに崩壊して落ちてきました。
屋根にも大きな穴があいた。
光の柱が部屋に神々しく差し込んできた。
見上げると紺碧の空。
えらい夢をみたものだ。

これはすごくいい夢だと自己解釈。
天井は抑圧、ストレスをあらわす。
生きていくうえで、蓄積していたそれらの負の重荷が壊れた。

解放される。
自由になれる。
そのうえ、晴れ晴れとした青空を仰ぎ見ることができた。
光の柱が目前にあった。
大吉ですよね。


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万物の霊長。猫又のように化けられるのだろうか。麻屋与志夫

2023-02-01 06:56:48 | ブログ
2月1日 水曜日
小説を書くことに集中することにした。
テレビを見る時間を出来るだけ少なくする。
時代劇だけ見ていればいい。
あそうだ、FBIの2作品は見なくては。

小説の構成の参考になる。
日本の作家はほとんど起承転結の構成法を守っている。

わたしは、ノコギリの刃のような構成がこのところの好みだ。

1月は小説を書くことに集中できなかった。
そのかわりブログはほぼ毎日書けた。
両方、書けるように精進するべきだろう。
1日に50枚書けた最盛期がなつかしい。

猫が歳をとると猫股になるという伝承がある。
万物の霊長たる人間さまはどう変化するのだろうか。
人生100年時代というが、
テレビを見ていても、
健康面ばかりが話題となっている。
だれか化けてほしい。
妖怪じみた人が出るようだったら、GGも追従する。

猫股のような妖怪などはどうだろうか。
いや、妖怪作家などと呼ばれたい。
水木しげるさんの世界。
たのしいな、
たのしいな。
GGには名誉も金もない。
いつも、コタツでぐうぐうぐう、
では、カミさんに追い出される。



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