3
「獏もコウジも、許さない」
「たっぷりと、吸わせてもらったぜ」
コウジが挑発するようにいっている。
「百子。冷静に」
美香の頭に怒り心頭に発した百子のこころが。
ながれこんでくる。
こころを乱せば、技もみだれる。
技のみだれは、勝負のわかれめだ。
美香は浮船で袈裟がけに獏に斬りつけた。
斬りつけられた浮船を受けるために。
獏が鉤爪を交差させた。両手をあげて浮船をハジイタ。
胸がガラ空き。
指剣が貫いた。
獏の心臓を青い光を放つ指剣が貫いた。
指剣が触れた肉がやけこげた。
「太陽の光――紫外線で刺された。コウジ逃げろ」
獏はぶすぶすともえた。
獏は青みどろの粘塊となった。
くすぶっている。
スサマジイ悪臭をたてた。
どろっとした物体は。
燃えカスとなって……。
四散していく。
「百子。アンビュランスがくるまでにかたずけよう」
美香もコウジに浮船できりつける。
コウジは長い鉤爪を歯車のように動かす。
三人の刃を防ぐ。
「兆子。あれを――」
兆子が眼つぶしをなげる。
鉤爪でうけた。
袋がさけた。
コウジの顔が真白。
コウジは窓ガラスをやぶった。
窓の割れ目からコウモリの大群が侵入してきた。
コウジを追えなかった。
「美智子さん。ダイジョウブですか」
「ありがとう。百子師範。
これでもジャーナリストのはしくれよ。
……でもあなたたちは、アンナ恐ろしい怪物とたたかっていたのね」
「怪物でなくて――吸血鬼。人に憑依することもできる怖い敵」
「シンジラレナイ」
美智子は床のもえかすを見つめている。
兆子はコウモリ忌避剤を天井にむけて噴霧する。
コウモリは入ってきた窓の裂け目から逃げていく。
遠くでやっと救急車の警笛の音がきこえだした。
「吸血鬼の駆除までにabout10ミニツね」
と百子。
「おかあさんは血を吸われただけ。
喉は食いちぎられていないから輸血と血清で助かるから……」
兆子が美智子を励ましている。
「おかあさん、おかあさん」
それでも、美智子は涙声で母によびかけている。
母にとりすがっている。
「おかあさん。おかあさん」
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村
「獏もコウジも、許さない」
「たっぷりと、吸わせてもらったぜ」
コウジが挑発するようにいっている。
「百子。冷静に」
美香の頭に怒り心頭に発した百子のこころが。
ながれこんでくる。
こころを乱せば、技もみだれる。
技のみだれは、勝負のわかれめだ。
美香は浮船で袈裟がけに獏に斬りつけた。
斬りつけられた浮船を受けるために。
獏が鉤爪を交差させた。両手をあげて浮船をハジイタ。
胸がガラ空き。
指剣が貫いた。
獏の心臓を青い光を放つ指剣が貫いた。
指剣が触れた肉がやけこげた。
「太陽の光――紫外線で刺された。コウジ逃げろ」
獏はぶすぶすともえた。
獏は青みどろの粘塊となった。
くすぶっている。
スサマジイ悪臭をたてた。
どろっとした物体は。
燃えカスとなって……。
四散していく。
「百子。アンビュランスがくるまでにかたずけよう」
美香もコウジに浮船できりつける。
コウジは長い鉤爪を歯車のように動かす。
三人の刃を防ぐ。
「兆子。あれを――」
兆子が眼つぶしをなげる。
鉤爪でうけた。
袋がさけた。
コウジの顔が真白。
コウジは窓ガラスをやぶった。
窓の割れ目からコウモリの大群が侵入してきた。
コウジを追えなかった。
「美智子さん。ダイジョウブですか」
「ありがとう。百子師範。
これでもジャーナリストのはしくれよ。
……でもあなたたちは、アンナ恐ろしい怪物とたたかっていたのね」
「怪物でなくて――吸血鬼。人に憑依することもできる怖い敵」
「シンジラレナイ」
美智子は床のもえかすを見つめている。
兆子はコウモリ忌避剤を天井にむけて噴霧する。
コウモリは入ってきた窓の裂け目から逃げていく。
遠くでやっと救急車の警笛の音がきこえだした。
「吸血鬼の駆除までにabout10ミニツね」
と百子。
「おかあさんは血を吸われただけ。
喉は食いちぎられていないから輸血と血清で助かるから……」
兆子が美智子を励ましている。
「おかあさん、おかあさん」
それでも、美智子は涙声で母によびかけている。
母にとりすがっている。
「おかあさん。おかあさん」
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村