愛の告白
12
陳腐な表現しかできないのがもどかしかった。
ありきたりのことばでしか、じぶんの心を表せないのが、ものたりなかった。
そんな翔子だった。
もっとロマンチック愛の告白ができたらいいのに。
「わたし……早稲田の街歩いていて
……この街に純がいてくれたらどんなにうれしいだろう
……そんなこと、いつも想っていた。
純に万葉集の相聞、恋歌の話をきけたらいいなぁとねがっていた」
ドクターが診察にきたので、純は外に出た。
すれちがうとき「直ぐ元気になるわよ」と声をかけてくれた。
「Gチャン先生によろしく」女医さんはGGの塾の教え子だった。
完全看護だから付き添いは不要とナースにいわれたが、純が残った。
翔子の枕元で一夜を過ごした。
それで、翔子が意識をとりもどしたときに、そばにいてやれた。
よかった。
純はうれしかった。
喜びの知らせを翔子の母に携帯で電話した。
「野犬があんなにいるとは想定外だった。
今回は紅子さんにたすけられたが、
いつも彼女のたすけを期待するわけにはいかないものな」
「わたしも鶴巻公園で襲われたときは、
抵抗できなかった。
犬と黒装束の忍者みたいな連中にふいをつかれて
……拉致された」
「人狼がいるなんて、
いまでも信じられない。
おどろいたよ。
GGに人狼のはなしをきいていてよかった。」
「鹿沼のGちゃんは? 早稲田に泊ったの」
「深大寺の奥さんの実家にいった。
mimaさんのの知恵をかりることがあるから
……といっていた」
mimaはマインドバンパイア(前々回の、奥様はバンパイア参照)だから、
とはいわなかったが、
翔子には以心伝心、
純のいいたいことは、
伝わっていた。
プチしていただければ作者の励みになります。
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陳腐な表現しかできないのがもどかしかった。
ありきたりのことばでしか、じぶんの心を表せないのが、ものたりなかった。
そんな翔子だった。
もっとロマンチック愛の告白ができたらいいのに。
「わたし……早稲田の街歩いていて
……この街に純がいてくれたらどんなにうれしいだろう
……そんなこと、いつも想っていた。
純に万葉集の相聞、恋歌の話をきけたらいいなぁとねがっていた」
ドクターが診察にきたので、純は外に出た。
すれちがうとき「直ぐ元気になるわよ」と声をかけてくれた。
「Gチャン先生によろしく」女医さんはGGの塾の教え子だった。
完全看護だから付き添いは不要とナースにいわれたが、純が残った。
翔子の枕元で一夜を過ごした。
それで、翔子が意識をとりもどしたときに、そばにいてやれた。
よかった。
純はうれしかった。
喜びの知らせを翔子の母に携帯で電話した。
「野犬があんなにいるとは想定外だった。
今回は紅子さんにたすけられたが、
いつも彼女のたすけを期待するわけにはいかないものな」
「わたしも鶴巻公園で襲われたときは、
抵抗できなかった。
犬と黒装束の忍者みたいな連中にふいをつかれて
……拉致された」
「人狼がいるなんて、
いまでも信じられない。
おどろいたよ。
GGに人狼のはなしをきいていてよかった。」
「鹿沼のGちゃんは? 早稲田に泊ったの」
「深大寺の奥さんの実家にいった。
mimaさんのの知恵をかりることがあるから
……といっていた」
mimaはマインドバンパイア(前々回の、奥様はバンパイア参照)だから、
とはいわなかったが、
翔子には以心伝心、
純のいいたいことは、
伝わっていた。
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