(01)
(α)P→Q├ ~P∨Q
1 (1) P→ Q A
2(2) P&~Q A
2(3) P 2&E
2(4) ~Q 2&E
12(5) Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 46RAA
1 (8) Q 7DN
1 (9) ~P∨Q 8∨I
(β)~P∨Q├ P→Q
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q A
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q エオ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q 7カRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウク
従って、
(01)により、
(02)
(α) P→Q
(β)~P∨Q
に於いて、
(α)=(β) である。
従って、
(02)により、
(03)
(α) Fx→Gx
(β)~Fx∨Gx
に於いて、
(α)=(β)である。
従って、
(03)により、
(04)
(α) Fx→Gx
(β)~Fx∨Gx
に於いて、
F=フランス人である。
G=寛大である。
とするならば、
(α)フランス人x→寛大x
(β)~フランスx∨寛大x
に於いて、
(α)=(β)である。
然るに、
(05)
(α)フランス人x→寛大x
(β)~フランスx∨寛大x
といふのは、
(α)「フランス人x→寛大x(xがフランス人であるならば、xは寛大である。)」
(β)「~フランスx∨寛大x(xはフランス人でないか、xは寛大である。)」
といふ、「意味」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
(α)「フランス人x→寛大x(xがフランス人でないか、xは寛大である。)」
(β)「~フランスx∨寛大x(xはフランス人でないか、xは寛大である。)」
といふ、「意味」である。
然るに、
(07)
(a)「xはイギリス人であって、フランス人ではない。」
とするならば、言ふまでもなく、
(α)「フランス人x→寛大x(xはフランス人でないか、xは寛大である。)」
といふ「命題関数」は、「真(本当)」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(α)「フランス人x→寛大x(xはフランス人でないか、xは寛大である。)」
といふ「命題関数」が「真(本当)」であるためには、
(α)「xはイギリス人であって、フランス人ではない。」
といふ「命題関数」が「真(本当)」であれば、「十分」である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
(α)「xはフランス人である。」
といふ「命題関数」が「真(本当)」であることは、
(α)「∃x(フランス人x→寛大x)」=「あるxがフランス人であるならば、xは寛大である。)」
といふ「命題」が「真(本当)」であるため、「必要条件」ではない。
然るに、
(10)
(γ)「∃x(フランス人x&寛大x)」=「あるxは、フランス人であって、尚且つ、xは寛大である。」
の場合は、
(γ)「寛大なフランス人が、少なくとも、一人は存在する。」
といふ「意味」である。
従って、
(10)により、
(11)
(α)「xはフランス人である。」
といふ「命題関数」が「真(本当)」であることは、
(γ)「∃x(フランス人x&寛大x)」=「あるxは、フランス人であって、尚且つ、xは寛大である。」
といふ「命題」が「真(本当)」であるため、「必要条件」である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
「すべてのフランス人は寛大である」は一種の条件文として適切に記号化されるので、これに同化(assimilate)してしまって、「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく「∃x(Fx&Gx)」と記号化するかわりに、むしろ「∃x(Fx→Gx)」とするのは、よくある間違いである。しかし、「∃x(Fx→Gx)」は、それがフランス人であるならば、寛大であるようなあるものが存在することを主張するのであって、これは、かりにフランス人が存在しないとしても真であろう。しかし「幾らかのフランス人は寛大である」は決してそうではない(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、123・4頁改)。
といふ、ことになる。
然るに、
(13)
「先ほどの記事(231)」にも書いた通り、その一方で、
「∀x(フランス人x→寛大x)」=「すべてのフランス人は寛大である。」
であるの場合は、「フランス人の存在」を、「前提」には、してゐない。といふことも、忘れてはならない。