日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(820)「鼻は象が長い。といふわけではない。」の「述語論理」。

2021-02-13 17:00:06 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
{象、兎、馬}に於いて、
(ⅰ)耳ではなく、顔でもなく、鼻であれば、『象の鼻長い。』
(ⅱ)鼻ではなく、顔でもなく、耳であれば、『兎の耳長い。』
(ⅲ)鼻ではなく、耳でもなく、顔であれば、『馬の顔長い。』
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)鼻は象長く、
(ⅱ)耳は兎長く、
(ⅲ)顔は馬長い。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は、長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。然るに、
(ⅱ)∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ)∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、
(05)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。然るに、
(ⅲ)    すべてのyについて{yが兎であるならば、yは象ではなく、あるxについて(xはyの鼻であって、xは長くない)}。従って、
(ⅲ)    すべてのyについて{yが兎であるならば、あるxは(yの鼻であって、長くない)}。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(06)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)  A
 3   (4)                  ~象b&長a→~鼻ab   3&E
  5  (5)∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}              A
  5  (6)   兎b→~象b&∃x(鼻xb)               1UE
   7 (7)   兎b                           A
  57 (8)      ~象b&∃x(鼻xb)               67MPP
  57 (9)      ~象b                       8&E
  57 (ア)          ∃x(鼻xb)               8&E
    イ(イ)             鼻ab                A
    イ(ウ)           ~~鼻ab                イDN
 3 7 (エ)                ~(~象b& 長a)      4ウMTT
 3 7 (オ)                 ~~象b∨~長a       エ、ド・モルガンの法則
 3 7 (カ)                  ~象b→~長a       オ含意の定義
 3 7 (キ)                      ~長a       9カMPP
 3 7イ(ク)             鼻ab&~長a            イキ&I
 3 7イ(ケ)          ∃x(鼻xb&~長x)           クEI
 357 (コ)          ∃x(鼻xb&~長x)           アイケEE
1 57 (サ)          ∃x(鼻xb&~長x)           23コEE
1 5  (シ)   兎b→∃x(鼻xb&~長x)               7サCP
1 5  (ス)∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}              シUI
従って、
(06)により、
(07)
果たして、
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。然るに、
(ⅱ)∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ)∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。
といふ「三段論法」、すなはち、
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は、長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① 鼻に関して言へば、象のそれ(鼻)は長く、象以外(兎や馬)で、ある部分が長いのであれば、鼻以外(耳や顔)が長い。⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(08)により、
(09)
② 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔
② 鼻は、象が長く、象以外は長くない。といふわけではない。⇔
② ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1   (1)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1   (2)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} 1量化子の関係
1   (3)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} 2量化子の関係
 4  (4)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} A
 4  (5)    ~{(鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)} 4UE
 4  (6)    ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&長a→~鼻ab)  5ド・モルガンの法則
  7 (7)    ~(鼻ab&象b→長a)                 A
  7 (8)  ~{~(鼻ab&象b)∨長a)                7含意の定義
  7 (9)     (鼻ab&象b)&~長a                8ド・モルガンの法則
  7 (ア)      鼻ab&象b&~長a                 9結合法則
  7 (イ)      象b&鼻ab&~長a                 ア交換法則
  7 (ウ)     (象b&鼻ab&~長a)∨(~象b&鼻ab&長b)   イ∨I
   エ(エ)                 ~(~象b&長a→~鼻ab)  A
   エ(オ)              ~{~(~象b&長a)∨~鼻ab)} エ含意の定義
   エ(カ)                 (~象b&長b)& 鼻ab   オ、ド・モルガンの法則
   エ(キ)                    ~象b&長b&鼻ab   カ結合法則
   エ(ク)                    ~象b&鼻ab&長b   キ交換法則
   エ(ケ)     (象b&鼻ab&~長a)∨(~象b&鼻ab&長b)   ク∨I
 4  (コ)     (象b&鼻ab&~長a)∨(~象b&鼻ab&長b)   67ウエケ∨E
 4  (サ)  ∀y{(象y&鼻ay&~長a)∨(~象y&鼻ay&長y)}  コUI
 4  (シ)∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}  サEI
1   (ス)∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}  14シEE
(ⅲ)
1   (1)∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}  A
 2  (2)  ∀y{(象y&鼻ay&~長a)∨(~象y&鼻ay&長y)}  A
 2  (3)     (象b&鼻ab&~長a)∨(~象b&鼻ab&長b)   2UE
  4 (4)     (象b&鼻ab&~長a)                A
  4 (5)      鼻ab&象b&~長a                 4交換法則
  4 (6)     (鼻ab&象b)&~長a                5結合法則
  4 (7)  ~{~(鼻ab&象b)∨長a)                6ド・モルガンの法則
  4 (8)    ~(鼻ab&象b →長a)                7含意の定義
  4 (9)    ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&長a→~鼻ab)  8∨I
   ア(ア)                   (~象b&鼻ab&長b)  A
   ア(イ)                    ~象b&長b&鼻ab   ア交換法則
   ア(ウ)                  (~象b&長b)&鼻ab   イ結合法則
   ア(エ)              ~{~(~象b&長a)∨~鼻ab)} ウ、ド・モルガンの法則
   ア(オ)                 ~(~象b&長a→~鼻ab)  エ、含意の定義
   ア(カ)    ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&長a→~鼻ab)  オ、∨I
 2  (キ)    ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&長a→~鼻ab)  349アカ∨E
 2  (ク)    ~{(鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)} キ、ド・モルガンの法則
 2  (ケ)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} クUI
 2  (コ)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} ケEI
1   (サ)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} 12コEE
1   (シ)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サ量化子の関係
1   (ス)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} シ量化子の関係
従って、
(10)により、
(11)
② ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
③  ∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}
に於いて、すなはち、
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}といふわけではない。
③ あるxとすべてのyについて{yは象であって、xはyの鼻であって、xは長くない。か、または、yは象ではなく、xはyの鼻であって、xは長い}。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
② ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
③  ∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}
といふ「論理式」は、
② 鼻は象が長い。といふわけではない。
③ ある象の鼻は長くないか、または、ある象以外の(動物の)鼻が長い。
といふ「日本語」に、相当し、尚且つ、
②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
② ~~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
③  ~∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}
に於いても、
②=③ である。
従って、
(13)により、
(14)
「二重否定律(DN)」により、
②  ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
③ ~∃x∀y{(象y&鼻xy&~長x)∨(~象y&鼻xy&長y)}
に於いても、
②=③ である。
従って、
(08)~(14)により、
(15)
① 鼻は象が長い。
② ある象の鼻は長くないか、または、ある象以外の(動物の)鼻が長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
② ある象の鼻は長くないか、または、ある象以外の(動物の)鼻が長い。といふことはない。
といふことは、
② 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。
といふことに、他ならない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 鼻は象が長い。
② 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(01)により、
(18)
最初に、確認した通り、
{象、兎、馬}に於いて、
(ⅰ)耳ではなく、顔でもなく、鼻であれば、『象の鼻長い。』
(ⅱ)鼻ではなく、顔でもなく、耳であれば、『兎の耳長い。』
(ⅲ)鼻ではなく、耳でもなく、顔であれば、『馬の顔長い。』
従って、
(08)(17)(18)により、
(19)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① 鼻に関して言へば、象のそれ(鼻)は長く、象以外(兎や馬)で、ある部分が長いのであれば、鼻以外(耳や顔)が長い。⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」は、確かに、「正しい」。