(01)
(a)「含意の定義」の証明は、 (17)を参照せよ。
(b)「ド・モルガンの法則」の証明は、(18)を参照せよ。
(02)
(ⅰ)
1 (1) (P→ P)∨Q A
2 (2) P→ P A
2 (3) ~P∨ P 2含意の定義
2 (4)~(P&~P) 3ド・モルガンの法則
2 (5)~(P&~P)∨Q 4∨I
6(6) Q A
6(7)~(P&~P)∨Q 6∨I
1 (8)~(P&~P)∨Q 12567∨E
1 (9) (P&~P)→Q 8含意の定義
(ⅱ)
1 (1) (P&~P)→Q A
1 (2)~(P&~P)∨Q 1含意の定義
3 (3)~(P&~P) A
3 (4) ~P∨ P 3ド・モルガンの法則
3 (5) P→ P 4含意の定義
3 (6) (P→ P)∨Q 5∨I
7(7) Q A
7(8) (P→ P)∨Q 7∨I
1 (9) (P→ P)∨Q 23678∨I
従って、
(02)により、
(03)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1) P A
(2) P→P 11CP
(3)(P→P)∨Q 2∨I
従って、
(04)により、
(05)
①(P→P)∨Q
すなはち、
①(同一律)∨Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)により、
(08)
②(P&~P)→Q
すなはち、
②( 矛盾 )→Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(08)により、
(09)
②(矛盾)→Q
すなはち、
②( 偽 )→Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(09)により、
(10)
①(偽)→真
②(偽)→偽
に於いて、
① は「真」であって、
② も「真」である。
従って、
(10)により、
(11)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pである」が「偽」であるならば、
③「Qである」は「偽」であるか、
③「Qである」は「真」であるかの、どちらかである。
従って、
(11)により、
(12)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pである」が「偽」であるならば、従って、
③「Pでない」が「真」であるならば、
③「Qである」は「偽」であるか、
③「Qである」は「真」であるかの、どちらかである。
従って、
(12)により、
(13)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「真」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ) P→Q(Pならば、Qである。)然るに、
(ⅱ)~P (Pでない。) 従って、
(ⅲ) ~Q(Qでない。)
といふ「推論」は、「妥当」ではなく、
このことを称して、「前件否定の誤謬(the fallacy of denying the antecedent)」と謂ふ。
従って、
(13)(14)により、
(15)
逆に言へば、「前件否定の誤謬(the fallacy of denying the antecedent)」を「誤謬」である。
と、認めるのであれば、そのときに限って、
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「真」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
といふことを、認めなければ、ならない。
従って、
(15)により、
(16)
③ 象は動物である。然るに、兎は象ではない。故に、兎は動物ではない。
③ ∀x(象x→動物x),∀(兎x→~象x)├ ∀(兎x→~動物x)
といふ「推論(連式)」を、「妥当」ではない。 とするのであれば、
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「真」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
といふことを、認めなければ、ならない。
(17)
―「含意の定義」の証明。―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3(3) ~P A
3(4) ~P∨Q 3∨I
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
12 (8) Q 17MPP
12 (9) ~P∨Q 8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 29&I
1 (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1 (ウ) ~P∨Q イDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
(18)
―「ド・モルガンの法則」の証明。―
(ⅰ)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
~P∨~Q 29&I
2 (イ) ~~Q 8アRAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (オ) ~( P& Q)&
( P& Q) 1エ&I
1 (カ)~~(~P∨~Q) 2オRAA
1 (キ) ~P∨~Q カDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6) ~( P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78&I
7(ア) ~( P& Q) 29RAA
1 (イ) ~( P& Q) 1367ア∨E