姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

ジオンのアルミニウムは大丈夫?

2009-06-06 00:23:38 | 内痔核(いぼ痔)
質問いただきました。「大量のアルミニウム摂取がアルツハイマーに関与しているとの報告がありますが、成分がアルミニウムのジオン注は大丈夫なのでしょうか?」

鋭いご質問ありがとうございます。アルミニウムの入った透析液による透析で、脳症が生じた事例や、アルツハイマー症例の脳内にアルミニウムがみられることなどから、アルミニウムは危険因子として扱われています(原因かどうかは、別問題です)。厚生労働省によるジオンの認可の際は、繰り返し暴露を受ける透析とは状況が違い、血中濃度も問題にならないほど低いとの判断があり、認可を受けたと聞きます。(伝聞です。私はそこより先の情報は知りえません。誰かご存知ではありませんか?)また、最近は透析患者に使っても大丈夫そうだという報告(日本大腸肛門病学会雑誌Vol. 61 (2008) , No. 2 pp.71-75)さえ、出て来ています。ならば完全に安全かといわれると、断言できないのが医学・医療の世界です。私にとっても、のどに引っかかった小さな骨のように気になっていることです。そこで、気になる方には、平田雅彦先生の本「痔 (よくわかる最新医学)主婦の友社発行」の中の専門家による文章を読むことをおすすめしています。現段階では、大丈夫との判断のもと使用されていますが、種々の薬害の事例もあり、100%の安心が必要な方には、私はおすすめしません。ジオンを使わなくても手術する方法は他にあるからです。ジオンのアルミニウムについては上記のように説明しています。

以上が2009年6月6日の記載です。

10年以上経過しましたので、アップデートいたします。上記記載後、新たにジオン注に含まれているアルミニウムが原因での、認知症、アルツハイマーへの影響は報告されていません。当院では、HPのリンクページでも利用していますが、国立栄養研究所の情報をお勧めします。アルミニウムのリスクについてこちらをご覧いただき参考にされてください。(2021年2月21日追記)

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