おしりの手術の変わったところ。皆さん心配されるのが、「便が出てもいいんですか」ということです。もちろん便は細菌の塊。たしかに20年以上も前には、「便は不潔、便は手術の敵、便は肛門の敵」ということで、手術前には腸内細菌を抗生物質でごっそり殺して、手術の後は便止めといって何日間も便を通さないようにしていました。一見正しいようですが、実は違います。腸内細菌を殺しますと、腸の免疫力は最低になりますし、便を止めても次に出すときに大変な痛みとともに手術した肛門が壊れてしまうものでした。今の大腸肛門の手術は「便を味方につけている」と言ってもよいでしょう。手術後から直ちに、よい便通をすることが、自然な形の治癒にはもっとも大切なことなのです。
「便をふきふきしながら」でも、ちゃんとできるのが大腸肛門の手術。消化器外科の手術は切って、はがして、結んで、止めて、の裁縫仕事です。完全滅菌のクリーンルームでおこなう関節置換などの手術をする整形外科医(友人)からは「きたないのう」と揶揄されるものです。我々はそういう整形外科医に「お前ら大工しごとやのう」と言い返してやるんです。
「便をふきふきしながら」でも、ちゃんとできるのが大腸肛門の手術。消化器外科の手術は切って、はがして、結んで、止めて、の裁縫仕事です。完全滅菌のクリーンルームでおこなう関節置換などの手術をする整形外科医(友人)からは「きたないのう」と揶揄されるものです。我々はそういう整形外科医に「お前ら大工しごとやのう」と言い返してやるんです。