姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

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いぼ痔の注射療法(ALTA)の歴史的な位置づけ

2009-02-27 13:46:24 | 内痔核(いぼ痔)
内痔核に対する注射療法は2005年に始まったALTA(ジオン)とそれ以前から使われていたフェノールアーモンドオイル(パオスクレー)の2種類が主に使われています。効果の強さから最近はジオン注がよく使われていますが、嵌頓といって脱出した痔核部分が締め付けられて腫れている場合などは使えないので、パオスクレーが使われることがあります。更に歴史をたどれば、様々な硬化療法の注射が使われていました。硬化療法よりも強い薬剤が使われていたのが「腐食療法」です。30数年前までは注射といえば、この腐食療法の時代でした。逆に言えば現在のALTAはこれらの薬剤を、コントロールしやすく、安全に使いやすく改良していったものとも言えます。医学や医療は少しずつ、でも確実に進歩しています。その中で、我々の先人は何をどう考えどうしてきたのか、振り返ることも大切なことです。肛門科の領域でも、以前は「秘伝」などとして検証されてこなかった、「古典的療法」を見直す動きも、最近では大きな流れとなってきています。新しいものだけ、古いものだけにこだわることのない柔軟な姿勢が大切だと考えています。

さて、本日はおまけとして、ジオン注射の製薬会社の「バーチャル診察」がよく出来ているので、ご紹介しておきます。
http://www.e-zi.net/
です。製薬会社だけに本心は注射療法を強調したいところでしょうが、全体に穏やかで、正確であると思います。参考にしてください。私も時々チェックを入れて不適切な場合などについては、皆さんにも、製薬会社さんにもコメントしたいと思います。

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