妻の勤めていた病院のSさんから、今から訪れたいと電話があった。
妻が使っていたデスクに鍵がかかった引き出しがあって、合鍵が見つかったので内容品をお届けしますとのこと。
「確認はしないでそのままそっくりお持ちしました」と
あわせて丁寧に線香を上げて帰られた。
どうもこういう時に、何もお構いが出来ないのが心苦しい・・・
2,30年に亘る病院でのスナップや忘年会、慰安旅行などの写真が大部分であった。
一枚ずつ見ていると、私の知らなかった面が見えきたりして、また思い出が蘇ってしまった。
腕時計が2つ出てきた。
一つは動かなかったが、大きな時代物の腕時計(多分脈を測るとき使っていたのだろうか)は、
竜頭を巻くと再び秒針がコツコツと刻み始めた。
だが、・・・時は再び戻ってはくれないのだなあ。