能天気な孫娘が二年間の「語学留学」を終えて香港に帰った。同じ年頃の我が家にいる孫娘は心理学を学びたいと大学に通っているが、能天気な香港娘は大学には行きたくないと仰せになっている。勉強が嫌いなのである。「語学留学」の名目で日本にやって来たが、要は親元を離れて日本でのんびり過ごしたかっただけなのであろう。日本人であるから日本語が話せるのは当たり前であるが、日本語が完全になる前に香港に行ってしまったので、日本で育ったようなわけにはいかない。卒業式の時、クラスメートから「日本語がうまくなったわね」と云われたそうだ。その話を聞いた時、私は腹を抱えて笑い出してしまった。家内は、「母親には云わないほうがいい」と自分の娘を気遣っていた。我が家に一緒に住めばいいものを、「一人がいい」と我が家の近くで一人住まいを始めた。私の長男が姪のために安心出来る、安全な、彼の友人が経営するアパートを探してきた。最初のうちは我が家に夕食を食べに来ていたが、自然と足が遠のいてしまった。「留学生」仲間との楽しい付き合いが始まったのだろう、と遠くから見守ることにした。
卒業式が終ってもすぐに香港に帰らなかった。「ちゃんと言葉は覚えたのか?」と聞くと、「そんなの無理、無理。日常会話だって難しいわ」と楽しそうに云った。親には聞かせられないセリフだ。中野駅近くの飲食店でアルバイトをしていたらしい。彼女は日本語と香港で使われている広東語は勿論のこと、中国の標準語ともいうべき北京語、それに英語も不自由なく話せる。英国人が経営している幼稚園に通っていたせいだろう。私も一度行ったことがあるが、園長をはじめ、大勢の英国人の保母さんが全て英語で園児に接していた。従って、その店では能天気娘を便利に使っており、手放そうとしなかった。「お前、銀座や浅草の店で働いたり、観光客の通訳をした方がずっと時給がいいだろう」と云うと、「そこまで考えなかったわ」と云った。彼女にとって、時給より楽しければよかったのだ。日本人であっても、長く香港にいると考え方も香港流になってしまうのだろうか。
香港の習慣として、友人同士で待ち合わせをしても、相手が時間通りに来ないことが当たり前のようである。相手が怒って帰ってしまわなければ間に合ったことになるのだそうだ。その話を娘(能天気娘の母親)から聞いた時は呆れたが、落ち着いて考えればそんな幸せなことはないと思う。私は決して気が長い方ではない。むしろ気が短い。だが、香港人のゆったりした態度を見習おうとはしている。
能天気娘が実際に香港に帰る2週間ほど前に我が家に夕食を食べに来た。「またちょいちょい来いよ」と云うと、「うん、友達が大勢いるからまたすぐに来るわ」と云った。私は我が家に来いよと云ったつもりだが、香港から日本にすぐに来ると云ったらしい。日本と香港間の飛行時間は、以前は6時間ほどかかったが、今は4時間ちょっとだ。すぐに来ると云ったわけだ。
上野動物園など、どこの国の動物園かわからなくなるほど中国人の観光客が押しかけてくる。今の香港もそのような状態らしい。能天気娘が二年間日本にいた間、四、五回は香港に戻っている。その度に香港には中国人の数が増えていると感じたらしい。「嫌になっちゃう」と遠慮がちに云った。
以下はお馴染みの日本民家園の新緑の頃の写真である。何かにつけ、ここに足が向いてしまう。同じ場所で同じ建物を撮っても、時期により、時間により、またその時の考え方によって全く違った写真が撮れる。それが楽しい。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:200、 f16、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
上の二枚は無謀にも土門拳氏の領域に少しでも近づきたいと願って撮ったものだが、迫力の点で劣っていることを悟った。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
下三枚の囲炉裏の写真は暖をとる為のものではない。ご存知のように煙で天井を燻蒸することにより害虫を殺すばかりではなく、建物全体を長持ちさせる先人の教えを守っているのである。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:+2/3、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:絞りとシャッタースピードをマニュアルに設定にしたので露出補正は無し。
WB:オート。
卒業式が終ってもすぐに香港に帰らなかった。「ちゃんと言葉は覚えたのか?」と聞くと、「そんなの無理、無理。日常会話だって難しいわ」と楽しそうに云った。親には聞かせられないセリフだ。中野駅近くの飲食店でアルバイトをしていたらしい。彼女は日本語と香港で使われている広東語は勿論のこと、中国の標準語ともいうべき北京語、それに英語も不自由なく話せる。英国人が経営している幼稚園に通っていたせいだろう。私も一度行ったことがあるが、園長をはじめ、大勢の英国人の保母さんが全て英語で園児に接していた。従って、その店では能天気娘を便利に使っており、手放そうとしなかった。「お前、銀座や浅草の店で働いたり、観光客の通訳をした方がずっと時給がいいだろう」と云うと、「そこまで考えなかったわ」と云った。彼女にとって、時給より楽しければよかったのだ。日本人であっても、長く香港にいると考え方も香港流になってしまうのだろうか。
香港の習慣として、友人同士で待ち合わせをしても、相手が時間通りに来ないことが当たり前のようである。相手が怒って帰ってしまわなければ間に合ったことになるのだそうだ。その話を娘(能天気娘の母親)から聞いた時は呆れたが、落ち着いて考えればそんな幸せなことはないと思う。私は決して気が長い方ではない。むしろ気が短い。だが、香港人のゆったりした態度を見習おうとはしている。
能天気娘が実際に香港に帰る2週間ほど前に我が家に夕食を食べに来た。「またちょいちょい来いよ」と云うと、「うん、友達が大勢いるからまたすぐに来るわ」と云った。私は我が家に来いよと云ったつもりだが、香港から日本にすぐに来ると云ったらしい。日本と香港間の飛行時間は、以前は6時間ほどかかったが、今は4時間ちょっとだ。すぐに来ると云ったわけだ。
上野動物園など、どこの国の動物園かわからなくなるほど中国人の観光客が押しかけてくる。今の香港もそのような状態らしい。能天気娘が二年間日本にいた間、四、五回は香港に戻っている。その度に香港には中国人の数が増えていると感じたらしい。「嫌になっちゃう」と遠慮がちに云った。
以下はお馴染みの日本民家園の新緑の頃の写真である。何かにつけ、ここに足が向いてしまう。同じ場所で同じ建物を撮っても、時期により、時間により、またその時の考え方によって全く違った写真が撮れる。それが楽しい。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:200、 f16、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
上の二枚は無謀にも土門拳氏の領域に少しでも近づきたいと願って撮ったものだが、迫力の点で劣っていることを悟った。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
下三枚の囲炉裏の写真は暖をとる為のものではない。ご存知のように煙で天井を燻蒸することにより害虫を殺すばかりではなく、建物全体を長持ちさせる先人の教えを守っているのである。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/60秒、 露出補正:-2/3、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:+2/3、 WB:オート。
5Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:絞りとシャッタースピードをマニュアルに設定にしたので露出補正は無し。
WB:オート。