TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 367

2022年02月20日 | エッセイ
 冬季オリンピックのアルペン競技を見ていると、私の滑りとは真逆であると感じる。彼らは一秒でも早く滑り降りることに全神経を使っている。スキーに夢中になっていた頃の私は少しでもスピードを抑え、転ばぬようにすることを最優先としていた。両方の板を揃え、少し持ち上げて腰のひねりだけで方向を転換するなどとても出来ることではない。今はなんというか知らぬが、当時はそれをクリスチャニアと云っていた。私の方法は片方の板を回転方向の反対側に少し動かし、その後にもう片方の板をそれに合わせるようなインチキなクリスチャニアであった。

 サラリーマンになりたての頃、同僚とあちこちのスキー場に行ったが、中でも志賀高原には何度も行った。高校生の従弟と一緒に志賀高原の丸池に行った事があった。その日は午後からガスってきて、リフトが止まろうとしていた。従弟は私の制止を振り切って最終のリフトに乗ってしまった。暫く待ったが下りてこない。既にリフトは止まっていたが、事情を話して何とか動かして貰った。頂上に着いた時には雪がかなり降っていた。視界は悪く、非常に不安だったが、とにかく従弟を探さなければならない。二人で滑ったコースを下り始めたが、途中で方向を見失ってしまった。むやみに下ってもまずいと考え、大きな岩があったので、そこに座ってじっくり考えることにした。その時、目の前をパトロールが滑って行った。「ちょっと待ってくれ」と大声で叫んだ。彼は止まってくれた。「丸池に帰りたいんです」と云うと、「ついて来てください」と云い、私が考えていたのと全く違う方向に下り始めた。私のスキー技術などお構いなしに彼は猛スピードで先行した。私は必死について行った。今まで一度も出来なかったクリスチャニアで彼を追った。見失ったら遭難するとの恐怖感があった。火事場の馬鹿力とはよく云ったものだ。

 何とか丸池に着くと、従弟が「心配していたんだ」と私に抱きついてきた。ぶん殴りたくなった。

 2013年1月15日にかなりの雪が降った。雪が降ると、寒がりのくせにカメラを持って写真を撮りに行く。以下は近くの公園の雪景色である。雪国と違い、雪は一日だけ、それも次の日かその次の日には溶けて無くなってしまう。従って雪が止むのを待ってすぐに行くか、降り具合に依っては降っている最中でも撮影に行く。寒がりの私にとっては一大決心である。