TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 462

2023年12月17日 | エッセイ
 アメリカの軍隊用語で午後5時を17:00と書くのは日本と同じであるが、読み方は違うようだ。アメリカの軍人はセブンティーン・ハンドレッド、或いはセブンティーン・オーオーと云う。私は貿易の仕事でアメリカに何度も行き、多くの民間人と接したが、午後5時を民間では何と云うのかを知らない。「一旦ホテルに戻り、セブンティーン・ハンドレッド迄にはサンプルを持ってまた参ります」と云っても確実に、相手には何時であるかが伝わる。それほどに軍隊経験者が多くいるのであろう。ご婦人でも軍隊経験者は多くいるが、親や兄弟にも確実に経験者がいた。大概の軍隊用語を使っても問題なく相手に伝わる。逆に、私は軍隊用語以外に、これは何というのだろうと考えてしまうことがある。そして、私には知らぬ語彙が多くあることに気が付いた。それを親しいアメリカ人の友人に話すと、「そんなこと気にするな。軍隊用語だって相手に通じりゃいいんだ。お前が軍隊用語を使うと、相手は親しみを感じるぞ」と云って慰めてくれた。遂に、私は正式な表現を知らず儘に過ごしてしまった。恥ずかしい事であるが、今も知らない。

 アメリカ以外にヨーロッパや東南アジアでもアメリカの軍隊用語は通じた。そして驚いたことにアフリカのマダガスカルでも通じた。「どうして知っているんだ?」と聞くと、「映画ですよ。テレビで古いアメリカの戦争映画が字幕で再放送されています」と説明してくれた。アメリカの軍隊用語がこれほど多くの国や地域に浸透しているとは思わなかった。アメリカが国外に多くの部隊を派遣したり駐留したりしているのが最大の理由だと考えていたが、アメリカの映画の影響が大きかったとは知らなかった。

 その映画のお陰で、イギリス人にアメリカ英語を話しても全く違和感を相手に与えなかったどころか、イギリス人の発音や話し方までがアメリカ英語に近づいてきていた。全てハリウッドで作られている映画の影響らしい。聞いた話ではイギリスでは映画の制作を全て中止してしまったらしい。莫大な費用をかけて自国で作るより、アメリカやオーストラリアから買った方がずっと安上がりであることが最大の理由だそうだ。

 上野動物園に行ったが、暖かな日だった割には人が少なかった。猿山にあるレストランにも待たずには入れた。

 子象の檻の前の人だかりも非常に少なかったが、ガラスの仕切りに反射する太陽の光には参った。PLフィルターを使っていたのだが、少しでも被写体が動くとPLのサーキュレーターを廻して適正な位置にしなければならなかった。絶えず動く子象を追いかけてこまめにサーキュレーターを廻すのは至難の業だった。面倒なので△印を適当な位置に固定して撮った。それで旨くいけばいいが、30度を保てずに無駄な光や乱反射を遮れない場合は不運と諦めた。今回は子象の写真は割愛し、「猿」に絞った。最後の二枚は中央アフリカの森林の奥深い処に生息しているアビシニアコロブスである。