TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 494

2024年07月28日 | エッセイ
 詐欺にあった直後の決算期には税理士に払う資金もなかった。仕方なく、自分で決算書の作成をしたが貸借対照表の借方と貸方の数字が合わなかった。学生時代に複式簿記の講義は受けたが、やっと単位を取れた状況では実際の役に立つものではなかった。

 提出前になんとか貸借対照表の間違いを探したが、具体的にどこが間違っているか全く見当がつかなかった。期限が迫っていたので、貸借対照表に適当な数字を入れ何とかバランスが取れるようにして税務署に持って行った。

 危惧はしていたが、やはり税務署から呼び出された。担当者は渋面を作って私を待っていた。「此処の数字がおかしいですが、どうしたのですか?納得がいくように説明して下さい」と言葉は優しかったが、重罪人に接するような態度だった。どう説明しても相手を納得させられるものではない。いい加減な決算書を作った私が悪いのだ。「こことここの数字が合わなかったので、帳面を合わせるために適当な数字を入れて借方と貸方の数字を合わせたのです。すみません」と腹をくくって云った。担当者の渋面はますますひどくなったが、突然大きな声で笑いだした。そして私が脱税目的でインチキをしたのではないことを察したのか、笑い終わると「あとは私どもに任せて下さい。正しいものにしておきます」と柔和な顔で云ってくれた。そして「この決算書を見る限り、御社は課税対象にはなりません」と云って放免してくれた。詐欺で多額の金をむしり取られた後だったので「地獄に仏」とはこのことかと実感した。

 それにしても、我社の税理士はひどい商売だ。大した仕事もしないのに、毎月高額な顧問料を取っておきながら、決算書の作成には法外な請求書を送りつけてきていた。詐欺にあった年は、決算書の作り方もまともに教えてもくれなかった。

 高円寺にある「高円寺」の写真である。寺には鳥居(コンクリート製)があることから神仏混淆の名残である。鳥居のある寺はよく目にするが、神社の中に仏教を連想させるものを見ることはない。神道や仏教に詳しい人がご覧になれば、その痕跡を見つけ出すことが出来るであろうが、私には出来ない。ただ、そこから想像出来ることは、日本の宗教の基礎は神道の筈であるが、仏教が渡来して、その教えに反応した庶民に深く浸透して神道を追い払ってしまった証拠であると考える。













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