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「日の丸・君が代」強制処分取消訴訟 たたかいは続く

2012年01月22日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 =「日の丸・君が代」強制処分取消訴訟=
 ★ たたかいは続く
 ~減給・停職は違法 損害賠償に道すじ


「報告集会(前半)」 《撮影:平田 泉》

 最高裁が初めて懲戒処分の裁量権に歯止めをかけた1月16日、「日の丸・君が代」強制に抵抗してきた東京都教職員ら原告と支援者らは、複雑な思いにかられた。
 始めは、憲法19条(思想・信条の自由)を楯に闘ってきたが、地裁、高裁と相次ぐ敗訴のなか、高裁で処分無効を勝ち取ってきた訴訟等が、最高裁で弁論が開かれ、一筋の光明を見いだしていたからだ。結果は、戒告は合法、減給以上は「慎重な考慮が必要」として、河原井純子さんの停職一ヶ月、渡辺厚子さんの減給一ヶ月が違法とされ、取り消された。河原井さんの損害賠償については、差し戻しとなり、損賠の対象となる道を残した。
 判決後、相次いで開かれた報告集会では、弁護士が次々に口を開いた。
 根津・河原井裁判の弁護人・戸田彩美さんは、根津さんの停職確定について、過去の再発防止研修時のゼッケン着用にまつわる処分などを引き合いに出されたことについて、真摯な教員の「日の丸・君が代」に対する一貫した行為に対して累積加重したことは、人格を批難するものだと糾弾した。権力にとっておとなしく反対するものには寛容だが、一定の影響力持つものには見せしめ的に処分する本性が明らかになった。
 続いて、この間二人の闘いを支援してきた学者らが、見解を述べた。
 早稲田大学大学院の岡田正則さんは「憲法・教育行政法では押し込まれているが、行政法上の懲戒権に歯止めがかけられた」、獨協大学の市川須美子さんは「最高裁の政治性が明らかになったが、懲戒権に歯止めをかけたことで、全体を押し戻したことになる」、新潟大学の世取山洋介さんは「今回は公務員規範で裁かれている。教育公務員に着目すれば、乗り越えていける」と語った。
 原告の河原井さんたちは「皆さんの支援でここまでこれた。ちょっと落胆したが、すぐに立ち直り闘い続けていく」と語った。
 その後行われた都立高校を中心とする東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟(一次)原告団の報告集会では、弁護団「今望みうる最高のもの」という評価に「違和感をもつ」という意見も出た。弁護団は憲法19条違反が、昨年退けられている以上、今日的に懲戒権に歯止めをかけたことは大きな前進だと応じた。

『週刊新社会』(2012/1/24)

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