★ こんなに多い教員の犯罪、懲戒処分
~服務事故・懲戒処分の実態 (レイバーネット日本)
今日の公開議題は「(仮称)子供・若者体験活動施設事業構想について」のみ。非公開議題が、議案が3件の「教員の懲戒処分等」(重い処分)、
報告が「『いじめ防止対策推進法』第30条1項に基づく報告について」(命に係わる重大ないじめ)、「『公立学校教職員の人事行政調査』の結果について」等。
非公開議題となった懲戒処分の行為及び処分量定の報告は都教委HPにしばらくしてから掲載されるので、今日の議案がどう決定されたかは今の時点ではわかりません。
ほぼ毎回の定例会で懲戒処分等の案件があります。そこで、今回は、都教委HPから10月後半から12月前半までの直近の処分事例を挙げてみます。
▲12月2日発表2件:
①小学校主任教諭38歳男 停職1月
勤務校校長から、児童との私的なSNS等のやり取りをしてはならないと指導を受けていたにもかかわらず、…同校児童に対して、自宅等において、不適切な内容を含む、私的な内容のメッセージを送信した。
②小学校主任教諭40歳男 戒告
勤務校児童29名分の学年、学級、氏名等の個人情報が記載された児童名簿を、校長の許可を得ず持ち出し、…スーパーマーケットにおいて、同名簿を一時紛失した。
▲11月13日発表1件:
①中学校教諭30歳男 懲戒免職
駅構内において、動画撮影状態にしたスマートフォンを、女性のスカート内に差し入れ、同スカート内の下着等を動画撮影しようとするなどした。
▲10月16日発表 失職2件を含む11件:
①小学校教諭29歳男 失職
職員室において、同校職員名義のクレジットカードを窃取するとともに、同クレジットカードを使用し、オンラインゲームの通貨である50,000円のポイントを不正に取得するなどして、窃盗、電子計算機使用詐欺、私電磁的記録不正作出・同供用及び窃盗未遂により起訴され…、懲役2年、3年間執行猶予の判決を受けた。
②小学校教諭27歳男 失職
マンションのエントランス内に、当時14歳の少年を同行して侵入した上、同エントランスにおいて、同少年が抗拒不能の状態にあることに乗じ、同少年に対して、同少年の右足首を両手でつかんで、同少年の右足を着衣の上から事故者の股間に擦り付けるなどして、邸宅侵入及び準強制わいせつにより起訴され、…懲役2年6月、4年間執行猶予、付保護観察の判決を受けた。
③小学校教諭35歳男 懲戒免職
勤務校において、同校教諭の執務机及び同校事務室金庫から現金58,850円窃取した。
④前記③の勤務校校長63歳 戒告
管理・監督不行き届き
⑤高校主任教諭62歳男 停職1月
生徒を指導した際、右手に持っていたマイクの底部で、同生徒の額を突き、傷を付けて出血させる傷害を負わせるとともに、体罰について、速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った。
⑥小学校教諭48歳男 減給6月
勤務校において、女子児童と二人きりの状態で、両手を同児童の背中に回して、抱きしめた。また、勤務校校長から児童との私的なSNS等を通じたやり取りは原則禁止であると指導を受けたにもかかわらず、同日から同年4月中旬頃までの間に、同児童に対して、私的な内容のメッセージを送信した。さらに、同児童とのメッセージのやり取りを隠ぺいする目的で、同児童のスマートフォンを操作して、同児童のやり取りのメッセージを消去するなどした。
⑦高校主任教諭61歳男 減給3月
通勤届と異なる通勤経路及び方法による通勤を行い、通勤手当276,526円不正受給するなどした。
⑧高校実習助手29歳女 減給1月
1日の私事欠勤10回及び4時間未満の私事欠勤1回を行った。
⑨小学校校長53歳男 戒告
児童を指導しようとした際、右手で、同児童の両こめかみを約1秒間つかんで押し、同児童の後頭部及び背中を同校体育館の壁に押し当てるなどした。
⑩小学校教諭25歳男 戒告
1日の無届欠勤を行った。
⑪高校主任教諭44歳男 戒告
生徒に対して、事故者の臀(でん)部をソファで寝ている同生徒の左側頭部に当てて座る行為を2回行い、同生徒に不快感を与えた。
このような教員がなんと多いことか。こうした教員が存在する学校は、子どもたちにとって、安全な場所でないことが一目瞭然でしょう。
教員が指示命令で動かされるのではなく、教員皆で学校をつくっていく学校体制にすることで教員は働き甲斐を感じ、本来の仕事に集中でき、犯罪に走ることもなくなるはずです。
また、そうすれば、教員希望者が多くなること、間違いありません。
さらには、教員が働き甲斐を感じられるようになれば、今回も非公開議題となった「いじめ防止対策推進法」第30条1項に基づく重大ないじめも減るはずです。
学校が楽しければ、子どももいじめに走りませんから。
都教委の事務方、教育委員の方々、「服務事故防止月間」を毎年設定しても犯罪が減らないのはなぜかを、筆者の発言とともに考えてみてください。
さて、今日の公開議題、「(仮称)子供・若者体験活動施設事業構想について」についてです。
この報告を聞きながら、都教委独自の事業ではなくて文科省が打ち出した事業かも、と思いました。ネットで調べたら、
そのとおり。文科省のHPの最初に、「体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクト(体験活動推進プロジェクト)」が掲載されていました。
都教委の事業構想は次の通りです。
団体生活を通じて青少年の健全な育成を図ることを目的として1959年に7か所の東京都青年の家を開設。2003年からは青年の家を廃止し、江東区と八王子市に各1か所のユース・プラザを開設。江東の施設の老朽化に加え、社会環境の変化(障害者や日本語を母語としない子どもの増加、子ども・若者の成長にとって重要な役割をもつ体験活動が減少)があるので、ユース・プラザを改編して事業構想・事業手法を検討していく。
事業目的は「多様な子供(ママ)・若者に対し、自立や社会参画に向けて支援し育ちを支える。共生社会の実現に向けた社会的理解促進」で、NPO・団体等により運営とすると言う。
今年度、江東の基本計画に係る検討委員会を設置し、来年度、その基本計画を策定する。八王子の施設は来年度新たな運営契約を締結するので、事業内容に江東の基本計画を反映させるとのことです。
都教委は、朝鮮学校への補助金支給を拒み、多様性を否定する。障害を持った子どもを普通学校から排除し、共生社会の実現を妨害する。
このようなことをしておいて、よくぞ、こんな事業目的をかかげられるものと思います。本来あるべき姿の、国際社会に通用する多様性、共生社会を目指した事業をしてほしいものです。
『レイバーネット日本』(2024-12-20)
http://www.labornetjp.org/news/2024/1219nezu
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