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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

再雇用拒否撤回2次裁判地裁勝訴

2015年06月08日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◎ 勝訴判決報告
弁護士 田中重仁(弁護団長)


「報告集会」 《撮影:gamou》

 東京地裁は本年5月25日、2007,08,09年の再雇用職員(非常勤職員)採用拒否が違法であるとして、採用されていれば得られた1年分の報酬額を相当因果関係のある損害として東京都に賠償を命じました。この裁判は事件番号が平成21年(ワ)第34395号で、訴え提起から5年8ヶ月経ています。裁判長(当初は単独)も3人目です。この間に私たちが工夫をしたことを思い出してみます。
 第1回目の弁論で原告全員について名前と教科を紹介しました。裁判官に様々な教科の教師が原告になっていることを印象づけたかったのです。
 次に原告本人作成の準備書面を全員に書いてもらい、それを口頭で読み上げて陳述してもらいました。準備書面を読み上げると言えば、裁判所は拒めないと考えたのです。その通りになりました。
 原告本人尋問は全員を申請しましたが、全員の採用は無理でした。結局3人の原告本人尋問を実施しました。そのほかに元PTA会長の方お一人の証人尋問も実施できました。
 尋問準備は担当者2人が中心になりご本人と一緒に作成した尋問事項書を弁護団全員でたたいてたたいて仕上げていきました。なお、弁護団会議にはほぼ全回、泉健二さんと永井栄俊さん(時々片山むぎほさん)が参加して下さり、毎回貴重な意見を頂きました。
 学者の意見書を3通提出しました。その打ち合わせは中々タフな作業でした。
 この3名の学者証人を申請したのですが、中々採用されません。第13回弁論から第14回弁論までは1年半ほどの間があります。その間に7回の準備手続きが行われました。学者証人採用の件のみをやりとりしていたわけではありませんが、大きな焦点であったことは間違い有りません。
 裁判所は意見書を読めば理解できる、証言までは必要がないのでは……、と言う姿勢をなかなか崩さなかったのです。ところが、準備手続きの最終段階になって裁判所は急に早大大学院行政法の岡田正則教授を採用すると言ってきました。その姿勢の変化がどこから来たのかは分かりませんが、原告の皆さんとともに喜んだことを覚えています。
 さあ、岡田証人の尋問準備です。岡田教授の研究室にて数回行いました。岡田教授の意見書を素直に読むと、東京都の再雇用拒否は裁量権の逸脱で違法であると思える内容です。我田引水が全くありません。法廷に於ける証言は意見書の内容をさらに分かりやすく述べられたものでした。口には出さなかったにしても、「勝てるのでは」と内心思った方も居るはずです。
 第16回弁論は最終準備書面の陳述です。原告の永井さんと渡辺和章さん、それから弁護士4人が陳述しました。弁護士はホワイトボードを使用して「通達~職務命令~懲戒処分~再雇用拒否」の一連の仕組みを説明しました。
 そして判決当日です。現在の裁判所において得られるほぼ最高の内容でした。さて、控訴審があるのでしょう。気を引き締めて準備にとりかかりましょう。
以上

『被処分者の会通信 第99号』(2015.6.2)

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