負けるわけにはいかない!
事務局 E・K
いよいよ第一回公判が始まった。裁判開始前に予想外の出来事があり、多少の波乱があったが、予想どおり、弁護団からは「公訴棄却の申し立て」が行われ、刑事起訴の不当性が細部に渡って論じられた。刑事裁判の傍聴は私にとってはじめての経験であり、不十分ではあるが、その経過を個人的な感想も含めながら、ご報告したい。
◆裁判開始前の憤慨
「多少の波乱」と書いたが、二つ理由がある。一つ目は、当初の情報では13時10分傍聴人抽選ということだったのに、先着順になったことである。しかも、開廷の40分前に84人で締め切り。後ろの方に並んでいたかなりの数の方たちがはずされ、さらに13時前ということでまだ続々と駆けつける方もおられた。(結局数十名の方が傍聴できなかったようで、事務局として大変心苦しく感じている。)
次に憤慨したのが、おそろしく過剰な警備体制であった。地裁入り口でいつものようにセキュリティ・チェックをうけたのに、104号法廷の前でさらに厳しいボディ・チェックと荷物検査。男性は筆記用具のみを残して荷物は没収され、女性はバック一個の携帯が許されたが、隅々までチェックされた。係員の数も20名~30名、どこかの国の軍服によく似たカーキ色の制服をきた係官8人程が、特に目立っていて、一瞬ここが日本であることを疑った。傍聴者が爆弾や銃を持ち込んでテロに走る危険性あり、とでも思い込んでいるのだろうか。「他の刑事裁判も傍聴しているが、こんなことは初めて」、とある女性が言った。さらに、法廷の横の暗い廊下で待たされること20分以上。さすがに傍聴者の一人から強い抗議がでた。警備係の居丈高の対応に、待っていた傍聴者全体に怒りと緊張感が広がっていったが、澤藤弁護士が出てきて対応して下さった。「傍聴は主権者としての正当な権利です。裁判所は傍聴者に不愉快な思いをさせるような取り扱いを改めるべきです」というコメントにとても励まされた。結局入場できたのは開廷時刻を10分以上すぎてからだった。
◆裁判の開始
入場すると、3人の裁判官(村瀬均裁判長)を中央に、左に検事団、右に尾山弁護団長をはじめ17人の弁護団が揃っていた。6~7人の軍隊風係官が傍聴席の私たちを見張るという、物々しい雰囲気であった。
裁判開始の前に澤藤・尾山両弁護士から、傍聴者の入場が遅れたことについて理由を説明してほしいと申し入れが行われた。しかし、裁判長はまったくとりあわず、非常に権威主義的、威圧的な態度であった。「訴訟指揮は裁判所にある。このようなやり方はしばしばやっている。」傍聴者に対しても「要請によって広い法廷にしたが、規則を守らなければ、今後通常の(狭い)法廷を使うこともありうる」など、恫喝的な発言もあった。近年行政の追認しかしていない裁判所への不信感が再度こみ上げてきた。しかし、今回は絶対負けるわけにはいかない、と気を取り直して裁判官を見据えた。
1時50分ごろ藤田さんが入場。やはり緊張感からか、顔色がやや紅潮していたように見えた。傍聴席に向かって深々と頭をさげたのが印象的だった。型どおりの人定質問が終わり、検察側によって起訴状が朗読された。9時43分から47分までの藤田さんの行動が都教委の主張通り、事実とは全く異なる流れで述べられている。思わず「違う!」と声を出しそうになった。卒業式会場から退出途中の藤田さんの抗議の発言が異様に強調され、「式典会場を喧噪状態に陥れ、・・・威力を用いて卒業式典の遂行業務を妨害した」とされている。弁護側から釈明要求がだされた。
◆求釈明
これは、起訴状の中の「喧噪状態」、「威力」、「遂行業務」、「妨害」などが、一体何を指すのか、その具体的な内容と範囲の特定を10数項目にわたって求めるものであった。しかし、検察側からは訴状の文言を繰り返すだけに等しい簡単な釈明しかなく、具体的妨害の結果として式が5分遅延したことなどが付け加えられたのみであった。弁護側は、「ますます犯罪の構成要件が何なのか、特定する必要性が高まった。憲法で保証されている言論の行使を越えた威力業務妨害とは何かを明らかにすべき」と、裁判長に迫ったが、結局却下された。これも予想の範囲内ではあった。それにしても、裁判長の言葉は初めから非常に聞き取りにくくて閉口した(「聞こえない」「もっと堂々と話せ」等のヤジも傍聴席から飛んだが、もちろん、すぐにたしなめられた)。弁護側の補充異議申し立てに対して内容も聞かずに即座に「却下」と言い切る裁判長に対して、尾山弁護士は少しもひるまずくい下がっていく。経験豊かな先生が性急で思慮の浅い生徒を諭しているように思えた場面もあったが、結局釈明命令は出ず、弁護側は「公訴棄却の申し立て」を行った。
◆本人の意見表明
ここで、藤田さん本人の意見表明があった。堂々とした態度でりっぱだった(全文トップページ掲載)。「保護者への語りかけというささやかな行為にすぎないのに、被告人として刑事法廷の場に立っていることがどうしても納得がいかない」という訴えは、言論の自由を知る全ての人々の共感を呼ぶはずである。この後、30分の休憩をはさみ、3時10分に審理再開することとなった。
◆公訴棄却申し立て
再開直後、尾山弁護士が公訴棄却申し立てのスタートを切った。「弁護士になって来年で50年。労働や公安関連の多くの事件に携わり、無罪率8割を越える。政治がらみの事件で無理な起訴がその原因。今回の事件も石原都政がお上に逆らうものに対して起こした刑事弾圧である。今、この国は民主主義の危機。怖いのは、同じ様な事件が次々と起こっていて、この異常な事態に対する国民感覚が麻痺していくこと。裁判所は憲法・人権感覚を磨かれて、本件は公訴権濫用と判断されたい」、と強く訴えた。
その後を引き継いで、公訴棄却申立ての理由が若手弁護士3人によって次々と述べられた。事件の本質、当日の経過及び取材、起訴の意図などに関して、非常に説得力ある議論が展開された。まさに今回の裁判のハイライトであった。
不完全ながら、記憶にそって書いてみる。
主な申し立て理由:1)本件は客観的嫌疑なき起訴にあたり、公訴事実記載の2種類の発言(一つは保護者への語りかけ、二つ目は退場を命じられた際の抗議の発言)を前提としても、何ら犯罪は成立しない。卒業式当日には校長でさえも藤田さんの行為を犯罪視しておらず、警察に被害届をだしたのも15日後であることが述べられると、「えっ!」という驚きの波が傍聴席に広がった。
2)事件の捜査が都教委の異常な準備体制や一部のマスメディア、都議会議員主導の政治的意図に基づいて行われており、捜査手法や起訴手続きに関しても異常で公正さを欠いている。例えば、「国歌斉唱」で着席した卒業生に向かって大声で「起立しなさい!」と怒鳴り、携帯で証拠写真を撮っていた土屋都議の行動は式を損なうものと考えられるが、全く取り上げられていないなど。
3)この不当起訴の真の目的は学校現場に対する「日の丸・君が代」強制政策の貫徹であり、批判的言論を弾圧する政治目的でなされたものであること。10・23通達によって懲戒処分を振りかざして教職員に強制するだけでなく、生徒や保護者、一般市民にまで異論や反論を許さず、監視や警察権力をもって統制しようとする都教委の体制こそが問われなければならない、本件は予防訴訟や被解雇者訴訟、人事委員会訴訟などと一体をなすものである。
◆罪状認否と公訴棄却申立のための証拠申請
加藤弁護士が藤田さんに代わって否認。このあと、公訴棄却申立のための証拠となる「書証、物、人証」の申請があった。本件が都教委と公安警察の策略に基づくものであり、都教委の突出した「日の丸・君が代」強制政策の一環として「犯罪」へと作り上げられたことを証明するためである。裁判長から「人証」が仮名であり、正式書類とは認められないとの指摘があったが、弁護側から「早い段階で名前を出すと圧力がかかる現実の恐れあり」との指摘に、裁判長もとりあえず受理せざるをえなかった。
◆弁護団、検察側の証拠の不同意
検察の冒頭陳述(藤田さんが卒業式を妨害する意図をもって臨み、校長・教頭からの制止に抵抗して喧噪状態をつくりだし、式を混乱させたことを強調する内容であった。)の後、弁護側として、都教委派遣指導主事鯨岡氏のICレコーダに関する部分に不同意の申し立てがなされた。録音内容を弁護側が聞いたとき、出だしの部分で証拠とは全く異なる音声が聞こえたという説明があった。今後の解明が待たれることになる。第二回公判の日時を確認して閉廷となった。
◆記者会見と報告集会
閉廷後、弁護士会館に会場を移して記者会見が開かれた。本人から短いコメントが述べられ、弁護団からは「公訴棄却申立の理由」の説明が行われた。大型TVカメラ3台と小型のものが2台、計五台。罪状認否をめぐる質問など三件ほど。テレビでは当日夜の「NEWS23」やNHKで放映されたという。(残念ながら私は見損なってしまった)
記者会見に続き同じ会場で報告集会が開かれた。たくさんの支援者の方たちがかけつけてくれてかなり広い会場が一杯になり、事務局としても大変心強かった。(50~60名)
評論家の鎌田慧氏も傍聴に引き続いて出席され、会場から次のような励ましの発言をしてくれた。「永山則夫事件・三里塚事件など刑事裁判もずいぶん傍聴してきたが、今回のような警備ははじめて。無罪判決が当然でも、プロセスで異常状態が既成事実化されては勝利とは言えない。思想裁判として闘ってほしい。藤田氏はこれくらいのことでへこたれる玉ではないから、代表選手として頑張ってほしい」。
◆勝利をめざして
ほんとうに、この裁判がどうなるかによって、この国の民主主義の行く末が決まってくる、と言っても過言ではないかもしれない。だからこそ、負けるわけにはいかないのだ。今後とも皆さんには、傍聴をはじめ様々な形でご支援・ご協力をお願いしたい。そして、ご一緒にこの不当な言論弾圧裁判に勝利し、この国の未来を少しでも明るいものにしていきたいと切に願っている。
事務局 E・K
いよいよ第一回公判が始まった。裁判開始前に予想外の出来事があり、多少の波乱があったが、予想どおり、弁護団からは「公訴棄却の申し立て」が行われ、刑事起訴の不当性が細部に渡って論じられた。刑事裁判の傍聴は私にとってはじめての経験であり、不十分ではあるが、その経過を個人的な感想も含めながら、ご報告したい。
◆裁判開始前の憤慨
「多少の波乱」と書いたが、二つ理由がある。一つ目は、当初の情報では13時10分傍聴人抽選ということだったのに、先着順になったことである。しかも、開廷の40分前に84人で締め切り。後ろの方に並んでいたかなりの数の方たちがはずされ、さらに13時前ということでまだ続々と駆けつける方もおられた。(結局数十名の方が傍聴できなかったようで、事務局として大変心苦しく感じている。)
次に憤慨したのが、おそろしく過剰な警備体制であった。地裁入り口でいつものようにセキュリティ・チェックをうけたのに、104号法廷の前でさらに厳しいボディ・チェックと荷物検査。男性は筆記用具のみを残して荷物は没収され、女性はバック一個の携帯が許されたが、隅々までチェックされた。係員の数も20名~30名、どこかの国の軍服によく似たカーキ色の制服をきた係官8人程が、特に目立っていて、一瞬ここが日本であることを疑った。傍聴者が爆弾や銃を持ち込んでテロに走る危険性あり、とでも思い込んでいるのだろうか。「他の刑事裁判も傍聴しているが、こんなことは初めて」、とある女性が言った。さらに、法廷の横の暗い廊下で待たされること20分以上。さすがに傍聴者の一人から強い抗議がでた。警備係の居丈高の対応に、待っていた傍聴者全体に怒りと緊張感が広がっていったが、澤藤弁護士が出てきて対応して下さった。「傍聴は主権者としての正当な権利です。裁判所は傍聴者に不愉快な思いをさせるような取り扱いを改めるべきです」というコメントにとても励まされた。結局入場できたのは開廷時刻を10分以上すぎてからだった。
◆裁判の開始
入場すると、3人の裁判官(村瀬均裁判長)を中央に、左に検事団、右に尾山弁護団長をはじめ17人の弁護団が揃っていた。6~7人の軍隊風係官が傍聴席の私たちを見張るという、物々しい雰囲気であった。
裁判開始の前に澤藤・尾山両弁護士から、傍聴者の入場が遅れたことについて理由を説明してほしいと申し入れが行われた。しかし、裁判長はまったくとりあわず、非常に権威主義的、威圧的な態度であった。「訴訟指揮は裁判所にある。このようなやり方はしばしばやっている。」傍聴者に対しても「要請によって広い法廷にしたが、規則を守らなければ、今後通常の(狭い)法廷を使うこともありうる」など、恫喝的な発言もあった。近年行政の追認しかしていない裁判所への不信感が再度こみ上げてきた。しかし、今回は絶対負けるわけにはいかない、と気を取り直して裁判官を見据えた。
1時50分ごろ藤田さんが入場。やはり緊張感からか、顔色がやや紅潮していたように見えた。傍聴席に向かって深々と頭をさげたのが印象的だった。型どおりの人定質問が終わり、検察側によって起訴状が朗読された。9時43分から47分までの藤田さんの行動が都教委の主張通り、事実とは全く異なる流れで述べられている。思わず「違う!」と声を出しそうになった。卒業式会場から退出途中の藤田さんの抗議の発言が異様に強調され、「式典会場を喧噪状態に陥れ、・・・威力を用いて卒業式典の遂行業務を妨害した」とされている。弁護側から釈明要求がだされた。
◆求釈明
これは、起訴状の中の「喧噪状態」、「威力」、「遂行業務」、「妨害」などが、一体何を指すのか、その具体的な内容と範囲の特定を10数項目にわたって求めるものであった。しかし、検察側からは訴状の文言を繰り返すだけに等しい簡単な釈明しかなく、具体的妨害の結果として式が5分遅延したことなどが付け加えられたのみであった。弁護側は、「ますます犯罪の構成要件が何なのか、特定する必要性が高まった。憲法で保証されている言論の行使を越えた威力業務妨害とは何かを明らかにすべき」と、裁判長に迫ったが、結局却下された。これも予想の範囲内ではあった。それにしても、裁判長の言葉は初めから非常に聞き取りにくくて閉口した(「聞こえない」「もっと堂々と話せ」等のヤジも傍聴席から飛んだが、もちろん、すぐにたしなめられた)。弁護側の補充異議申し立てに対して内容も聞かずに即座に「却下」と言い切る裁判長に対して、尾山弁護士は少しもひるまずくい下がっていく。経験豊かな先生が性急で思慮の浅い生徒を諭しているように思えた場面もあったが、結局釈明命令は出ず、弁護側は「公訴棄却の申し立て」を行った。
◆本人の意見表明
ここで、藤田さん本人の意見表明があった。堂々とした態度でりっぱだった(全文トップページ掲載)。「保護者への語りかけというささやかな行為にすぎないのに、被告人として刑事法廷の場に立っていることがどうしても納得がいかない」という訴えは、言論の自由を知る全ての人々の共感を呼ぶはずである。この後、30分の休憩をはさみ、3時10分に審理再開することとなった。
◆公訴棄却申し立て
再開直後、尾山弁護士が公訴棄却申し立てのスタートを切った。「弁護士になって来年で50年。労働や公安関連の多くの事件に携わり、無罪率8割を越える。政治がらみの事件で無理な起訴がその原因。今回の事件も石原都政がお上に逆らうものに対して起こした刑事弾圧である。今、この国は民主主義の危機。怖いのは、同じ様な事件が次々と起こっていて、この異常な事態に対する国民感覚が麻痺していくこと。裁判所は憲法・人権感覚を磨かれて、本件は公訴権濫用と判断されたい」、と強く訴えた。
その後を引き継いで、公訴棄却申立ての理由が若手弁護士3人によって次々と述べられた。事件の本質、当日の経過及び取材、起訴の意図などに関して、非常に説得力ある議論が展開された。まさに今回の裁判のハイライトであった。
不完全ながら、記憶にそって書いてみる。
主な申し立て理由:1)本件は客観的嫌疑なき起訴にあたり、公訴事実記載の2種類の発言(一つは保護者への語りかけ、二つ目は退場を命じられた際の抗議の発言)を前提としても、何ら犯罪は成立しない。卒業式当日には校長でさえも藤田さんの行為を犯罪視しておらず、警察に被害届をだしたのも15日後であることが述べられると、「えっ!」という驚きの波が傍聴席に広がった。
2)事件の捜査が都教委の異常な準備体制や一部のマスメディア、都議会議員主導の政治的意図に基づいて行われており、捜査手法や起訴手続きに関しても異常で公正さを欠いている。例えば、「国歌斉唱」で着席した卒業生に向かって大声で「起立しなさい!」と怒鳴り、携帯で証拠写真を撮っていた土屋都議の行動は式を損なうものと考えられるが、全く取り上げられていないなど。
3)この不当起訴の真の目的は学校現場に対する「日の丸・君が代」強制政策の貫徹であり、批判的言論を弾圧する政治目的でなされたものであること。10・23通達によって懲戒処分を振りかざして教職員に強制するだけでなく、生徒や保護者、一般市民にまで異論や反論を許さず、監視や警察権力をもって統制しようとする都教委の体制こそが問われなければならない、本件は予防訴訟や被解雇者訴訟、人事委員会訴訟などと一体をなすものである。
◆罪状認否と公訴棄却申立のための証拠申請
加藤弁護士が藤田さんに代わって否認。このあと、公訴棄却申立のための証拠となる「書証、物、人証」の申請があった。本件が都教委と公安警察の策略に基づくものであり、都教委の突出した「日の丸・君が代」強制政策の一環として「犯罪」へと作り上げられたことを証明するためである。裁判長から「人証」が仮名であり、正式書類とは認められないとの指摘があったが、弁護側から「早い段階で名前を出すと圧力がかかる現実の恐れあり」との指摘に、裁判長もとりあえず受理せざるをえなかった。
◆弁護団、検察側の証拠の不同意
検察の冒頭陳述(藤田さんが卒業式を妨害する意図をもって臨み、校長・教頭からの制止に抵抗して喧噪状態をつくりだし、式を混乱させたことを強調する内容であった。)の後、弁護側として、都教委派遣指導主事鯨岡氏のICレコーダに関する部分に不同意の申し立てがなされた。録音内容を弁護側が聞いたとき、出だしの部分で証拠とは全く異なる音声が聞こえたという説明があった。今後の解明が待たれることになる。第二回公判の日時を確認して閉廷となった。
◆記者会見と報告集会
閉廷後、弁護士会館に会場を移して記者会見が開かれた。本人から短いコメントが述べられ、弁護団からは「公訴棄却申立の理由」の説明が行われた。大型TVカメラ3台と小型のものが2台、計五台。罪状認否をめぐる質問など三件ほど。テレビでは当日夜の「NEWS23」やNHKで放映されたという。(残念ながら私は見損なってしまった)
記者会見に続き同じ会場で報告集会が開かれた。たくさんの支援者の方たちがかけつけてくれてかなり広い会場が一杯になり、事務局としても大変心強かった。(50~60名)
評論家の鎌田慧氏も傍聴に引き続いて出席され、会場から次のような励ましの発言をしてくれた。「永山則夫事件・三里塚事件など刑事裁判もずいぶん傍聴してきたが、今回のような警備ははじめて。無罪判決が当然でも、プロセスで異常状態が既成事実化されては勝利とは言えない。思想裁判として闘ってほしい。藤田氏はこれくらいのことでへこたれる玉ではないから、代表選手として頑張ってほしい」。
◆勝利をめざして
ほんとうに、この裁判がどうなるかによって、この国の民主主義の行く末が決まってくる、と言っても過言ではないかもしれない。だからこそ、負けるわけにはいかないのだ。今後とも皆さんには、傍聴をはじめ様々な形でご支援・ご協力をお願いしたい。そして、ご一緒にこの不当な言論弾圧裁判に勝利し、この国の未来を少しでも明るいものにしていきたいと切に願っている。
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