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世田谷区教委、“公正評価義務”を認める!

2011年01月08日 | 暴走する都教委
 ◆業績評価裁判控訴審 次回は2月28日(月) 13:15~ 824号
 《岬の会 会報》
 ▼ 世田谷区教委、“公正評価義務”を認める!


 9月15日に世田谷区教委に出した質問書に対する回答書が、11月5日付で出され、郵便で届きました。以下、全文掲載します。その前に、何点か強調したいと思います。
 まず、「文書を一方的に送りつけるような回答方法ではなく、担当責任者が回答について口頭で説明し、それに対して質疑応答する場を設けるように」と要求していたにもかかわらず、これを拒否したことを抗議します。
 その上で、回答内容についてですが、まず、「公正評価義務」を全面的に認める回答を引き出したことは決定的な成果だと思います。
 なぜならば、一審において世田谷区教委は、教員業績評価における評価者の公正評価義務について、「雇用関係とは異なり、教育公務員の任用関係においては、公正評価義務は適用されない。任用者=評価者の広範な裁量が認められる」というニュアンスの主張をしていました。また、そもそも「雇用関係においてさえ、公正評価義務などというのは一部の学者が主張しているだけ」と、極めて恣意的な主張をしていました。
 しかし、世田谷区教委のデタラメな主張とは全く逆に、最近の判例や学説の主流は、任用関係においてさえ、公正評価義務を課すようになってきているのです。また、もう一方の被告であった東京都でさえ、一般論としてですが、公正評価義務を認めていたにもかかわらずです。世田谷区教委の悪質ぶりは際立っていました。
 そして、会報やブログで暴露・批判したように、控訴審において世田谷区教委は、ますます公正評価義務を全面的に否定するような主張を強めていたのです。
 すなわち、控訴理由書における世田谷区教委の主張は、①どう評価しようと自由、②評価のために評価する、③予断と偏見で評価、④理由はあとからこじつけるというものでした。
 したがって、今回、私たちが質問を突きつけることによって、世田谷区教委に明示の形で公正評価義務を認めさせたことは非常に重要なことだと思います。大嶽さんの闘いを先頭にした現場に渦巻く業績評価制度への怒りを恐れて、公正評価義務を認めざるを得なかったのです。
 結局世田谷区教委は、私たちの6点にわたる質問<※リンク>に対して、1点目の上記公正評価義務に関することと、6点目の苦情相談にかかわることしか答えていません。それ以外については「裁判係争中」を理由に回答を拒否しました
 しかし、仮に裁判で具体的な争点になっている問題については答えにくいということを認めたとしても、世田谷区教委として答えられる問題、説明責任を果たす義務がある問題は、今回回答した以外にもいくつかあります。
 岬の会としては、再質問を行うつもりです。控訴審と並行して、しぶとく粘り強く世田谷区教委を揺さぶりプレッシャーをかけ続けることが重要だと考えるからです。
 下記の世田谷区教委の回答書と、以前のブログに掲載した質問書を再度読んでいただいて、再質問内容に関してご意見を寄せていただければ幸いです。

平成22年11月5日
世田谷区教育委員会事務局
 岬の会 代表者 様

平成22年9月15日付 岬の会 質問書について(回答)

 標記の件について、下記により回答いたします。


 教員の業績評価制度につきましては、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第46条の規定により、東京都教育委員会が計画した業績評価制度のもと、世田谷区教育委員会が勤務成績の評定を行っております。
 ご指摘のとおり、「東京都区市町村立学校教職員の人事考課に関する規則」により、世田谷区教育委員会は公正な評価を実施する最終評価者としての責任を担っており、その立場から、お預かりした質問の内容を真摯に検討してまいりました。
 しかし、お預かりした質問書には、現在、世田谷区及び東京都を控訴人として東京高等裁判所で係争中の裁判の内容に関係しているため、回答致しかねる質問が多く含まれております。
 また業績評価制度の計画を策定した東京都教育委員会が「非開示」と位置付けている機密内容に言及する質問も多く含まれており、これらについて世田谷区教育委員会はコメントする立場にありません。
 こうした制約があることをあらかじめご了承いただいた上で、可能な限りご質問にお答えいたします。
 まず、公正評価義務について「業績評価制度を運用するにあたって、世田谷区立学校教職員の最終評価者である貴委員会には、公平公正な評価を行う義務があることを認めるか。また、第一次評価者である校長に対して、公平公正な評価を行うよう指導監督する責任を認めるか」という趣旨のご質問をいただきました。
 これについてお答えいたします。

 「東京都区市町村立学校教職員の人事考課に関する規則」第12条の1で、「業績評価の評価者は、自己申告書を参考にして、職員の業績を公正に評価し、教育職員業績評価書に記録するものとする」とされています。これに明らかのように、最終評価者である世田谷区教育委員会は、公正な評価を行う義務をおっております。また同規則第12条の3において、「調整者は第一次評価者の評価結果について、第一次評価者に対して必要な指導助言を行ったうえで」とされています。これにより、世田谷区の場合、調整者である教育政策部長が第一次評価者(校長)に指導助言を行う責任を担っております。
 また苦情相談について「苦情相談の申し出は、教職員が所属する職員団体を通じて行うことはできるか。申し出の際に、職員団体が立ち会うことはできるか。苦情相談においても、被評価者が申出しやすい制度とするために、第三者の立ち会いと認める運用を行う考えはあるか」との趣旨のご質問をいただいております。
 これについてお答えいたします。

 教職員の業績評価にかかる苦情相談の手続きにあたっては、職員のプライバシーや職務上の秘密を保持し、苦情相談制度を適正に運用するため、職員団体その他の第三者の参画は制度上位置づけられておりません。従いまして、苦情申出書の提出は苦情申出者本人が直接持参あるいは送付する必要があり、代理人や立ち会いを想定していませんし、苦情相談員の面接にあたっては、職員団体を含めた第三者の立ち会いは認められておりません。
 私どもからの回答は以上でございますが、今回お預かりしましたご質問の趣旨及びご意見は、今後の参考として真摯に承り、また東京都教育委員会にもお伝えいたします。
 世田谷区教育委員会としては、引き続き、東京都の人事考課に関する規則及び業績評価実施要領に基づき、業績評価制度を有効に活用した教員の人材育成に努め、世田谷区の教育の向上に努めてまいりますので、貴会におかれましても、今後とも世田谷区の教育事業へのご協力をよろしくお願いいたします。

『岬の会』(2010年11月20日)
http://misaki2010kai.blog58.fc2.com/blog-entry-28.html

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