◆ 「都教委の予算計上は非科学的」との教育委員の発言に納得 (レイバーネット日本)
今日の定例会は教育長は会場にいたが、教育委員はZOOM参加。それをするならば傍聴者に対しても同じ措置をとってほしい。
そう要求したら傍聴者対応担当の職員は、「音声を流さない、という取り決めがある」云々。都議会はライブ中継・録画配信を行なっているのに都教委定例会はなぜそれができないか。
そこで思い出した。2013年4月11日の定例会での竹花教育委員の発言が議事録では削除された事実を。その事実とは・・・「体罰の実態把握」について、竹花委員は「(部活動での:筆者補足)死ね、殺す、出て行け、という強い発言、…今くらいのことは精査しなくていい。こんなのは指導の範疇だ」と発言した。筆者は友人3人と傍聴し、全員がこの発言を聞いたが、後日都教委ホームページに掲載された議事録には記載されていなかった。
そこで、「①この発言はあったのか否か ②なかったというならば、なぜ私たち4人に聞こえたのか ③発言はあったが消去、削除したならば、その理由は?」との質問書を都教委に出したが、都教委は「竹花委員の発言は、東京都教育委員会ホームページに掲載されているとおりです」と、精査せずに回答を拒否したのだった。
この体験から、教育委員や事務方がまずい発言をした際にはそれを削除できるよう、同時配信はしないということかと勘繰る。私がここに書くこの事実をもしも都教委が虚偽だと言うならば、都教委はぜひ問題にしてもらいたい。
傍聴者担当の職員にライブ中継を検討してほしいと要請したところ、「要望はこちらではなく、広報統計課に」というので、帰りに広報統計課に要請してきた。
さて、今日の議題は、報告
①「来年度教育庁所管事業予算・職員定数について」
②「今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について」 ③「TOKYO ACTIVE PLAN for students(中間まとめ)について」。
このほかに新型コロナ感染拡大の中、感染により受験できなかった都立中学校・都立高校受検生に対する「特例措置」についての議題があったがその報告は割愛する。
①「来年度教育庁所管事業予算・職員定数について」
「主な新規事業」として、「教育のDX化推進」「共生社会の実現に向けた取組」「『社会の力』を活用した教育内容の充実」「教員の負担軽減の取組」」の各新規追加事業と新規に項立てした「子供目線の施策推進【新規】」の事業の報告。
「教育のDX化推進」では、保護者負担(3万円)による高校生一人一台端末配布の整備、島しょ地域にある八丈高校において大学進学を支援するためのオンラインチューターの制度の構築、先端技術研究校においてVRの実践等の推進等をあげる。
「共生社会の実現に向けた取組」では、医療的ケア対応の看護師確保、外国人児童生徒の就学支援のほかは、相変わらず「オリンピック・パラリンピック教育のレガシー継承」と「グローバル人材の育成」をあげる。
前者はパラリンピアン等の学校派遣等、後者は、体験型英語施設多摩版の23年1月開業や英語スピーキングテストをアチーブメントテストとして本格実施するとともに、結果を都立高校受検に導入する件。
どちらも共生社会とは無縁なことであり、税金の無駄遣い。
前者は、パラリンピアンになった立派な障害者となれなかった障害者との比較が、子どもたちや社会の中で自ずとされるのではないだろうか。それは、差別意識を助長するだけだ。
「『社会の力』を活用した教育内容の充実」では、民間企業の社員・OBの学校への派遣、東京商工会議所や大学との連携をあげる。
「子供目線の施策推進」という項目が新規に加わり、ヤングケアラーの発見・支援のため、高校には主任ユースソーシャルワーカーの増員、小中ではスクールソーシャルワーカー配置に向けた区市町村教委の支援をあげる。
事務方のこの報告に対する新井教育委員の指摘は的を得ていた。
「子ども未来プロジェクト、子供目線の施策の予算化は実態を踏まえていない。すべての子どもは1時間/1日体を動かす必要があるが、現状はそれができていない。体力が低下している中、放課後の遊ぶ場が確保されているかを調べて予算計上すべき。それが科学的予算のつけ方で、都教委の予算計上は非科学的。島しょ地区が何を望んでいるか、VR使いましょうでは負担になるかも。また、パラリンピック観戦に子どもや保護者からの希望がなかったのに、バスをチャーターするなどの非科学的予算の計上をした。こうしたことを検証し変えるべき」
「一人一台のタブレットについても、それよりも触れ合い(だったか)が必要で、タブレットは意味がないという学校があるかも。それを調べるべき」(主旨)と。全くそうだと大きく頷いた。
② 「今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について」
「昨年度の調査と比較して体力合計点は全学年男女とも低下の傾向がみられる。特に持久力が。体の柔軟性は、上昇した。コロナ禍の体育の授業で接触しなくて済む体の動かしを取り入れた結果と考えられる。スクリーンタイム(スマートホン使用時間)が昨年度と比べ顕著に増加し、それが「3時間以上」は体力合計点が低くなる傾向にある」との、当たり前の報告。
「スクリーンタイムの多さについての報告があったが、GIGAスクールをやるとさらにその懸念はないかなど、都教委はクロス分析ができていない。」と、新井教育委員から指摘があった。
③ 「TOKYO ACTIVE PLAN for students(中間まとめ)について」
「子どもたちが楽しみながら運動・スポーツに参画し、体力を高める」ことを目的にここで中間まとめを出し、都民からのパブリックコメントを募ったうえで今年度中に策定するとのこと。
2010年度から取り組み始めて、今回が第4次策定という。②の調査も、この施策で始まったこと。
当初は、20分休みや給食後の休み時間にやるべき課題が教員から出されて、子どもにとっては自由な休み時間がなくなったと言われていた。今、そういうことは聞かないが、無理から破綻したのか。
運動実績を数値化されても運動が好きになるわけではない。都教委の「やった感」づくり、あるいは出世のための策定はやめてもらいたい。
『レイバーネット日本』(2022-02-04)
http://www.labornetjp.org/news/2022/0203nezu
今日の定例会は教育長は会場にいたが、教育委員はZOOM参加。それをするならば傍聴者に対しても同じ措置をとってほしい。
そう要求したら傍聴者対応担当の職員は、「音声を流さない、という取り決めがある」云々。都議会はライブ中継・録画配信を行なっているのに都教委定例会はなぜそれができないか。
そこで思い出した。2013年4月11日の定例会での竹花教育委員の発言が議事録では削除された事実を。その事実とは・・・「体罰の実態把握」について、竹花委員は「(部活動での:筆者補足)死ね、殺す、出て行け、という強い発言、…今くらいのことは精査しなくていい。こんなのは指導の範疇だ」と発言した。筆者は友人3人と傍聴し、全員がこの発言を聞いたが、後日都教委ホームページに掲載された議事録には記載されていなかった。
そこで、「①この発言はあったのか否か ②なかったというならば、なぜ私たち4人に聞こえたのか ③発言はあったが消去、削除したならば、その理由は?」との質問書を都教委に出したが、都教委は「竹花委員の発言は、東京都教育委員会ホームページに掲載されているとおりです」と、精査せずに回答を拒否したのだった。
この体験から、教育委員や事務方がまずい発言をした際にはそれを削除できるよう、同時配信はしないということかと勘繰る。私がここに書くこの事実をもしも都教委が虚偽だと言うならば、都教委はぜひ問題にしてもらいたい。
傍聴者担当の職員にライブ中継を検討してほしいと要請したところ、「要望はこちらではなく、広報統計課に」というので、帰りに広報統計課に要請してきた。
さて、今日の議題は、報告
①「来年度教育庁所管事業予算・職員定数について」
②「今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について」 ③「TOKYO ACTIVE PLAN for students(中間まとめ)について」。
このほかに新型コロナ感染拡大の中、感染により受験できなかった都立中学校・都立高校受検生に対する「特例措置」についての議題があったがその報告は割愛する。
①「来年度教育庁所管事業予算・職員定数について」
「主な新規事業」として、「教育のDX化推進」「共生社会の実現に向けた取組」「『社会の力』を活用した教育内容の充実」「教員の負担軽減の取組」」の各新規追加事業と新規に項立てした「子供目線の施策推進【新規】」の事業の報告。
「教育のDX化推進」では、保護者負担(3万円)による高校生一人一台端末配布の整備、島しょ地域にある八丈高校において大学進学を支援するためのオンラインチューターの制度の構築、先端技術研究校においてVRの実践等の推進等をあげる。
「共生社会の実現に向けた取組」では、医療的ケア対応の看護師確保、外国人児童生徒の就学支援のほかは、相変わらず「オリンピック・パラリンピック教育のレガシー継承」と「グローバル人材の育成」をあげる。
前者はパラリンピアン等の学校派遣等、後者は、体験型英語施設多摩版の23年1月開業や英語スピーキングテストをアチーブメントテストとして本格実施するとともに、結果を都立高校受検に導入する件。
どちらも共生社会とは無縁なことであり、税金の無駄遣い。
前者は、パラリンピアンになった立派な障害者となれなかった障害者との比較が、子どもたちや社会の中で自ずとされるのではないだろうか。それは、差別意識を助長するだけだ。
「『社会の力』を活用した教育内容の充実」では、民間企業の社員・OBの学校への派遣、東京商工会議所や大学との連携をあげる。
「子供目線の施策推進」という項目が新規に加わり、ヤングケアラーの発見・支援のため、高校には主任ユースソーシャルワーカーの増員、小中ではスクールソーシャルワーカー配置に向けた区市町村教委の支援をあげる。
事務方のこの報告に対する新井教育委員の指摘は的を得ていた。
「子ども未来プロジェクト、子供目線の施策の予算化は実態を踏まえていない。すべての子どもは1時間/1日体を動かす必要があるが、現状はそれができていない。体力が低下している中、放課後の遊ぶ場が確保されているかを調べて予算計上すべき。それが科学的予算のつけ方で、都教委の予算計上は非科学的。島しょ地区が何を望んでいるか、VR使いましょうでは負担になるかも。また、パラリンピック観戦に子どもや保護者からの希望がなかったのに、バスをチャーターするなどの非科学的予算の計上をした。こうしたことを検証し変えるべき」
「一人一台のタブレットについても、それよりも触れ合い(だったか)が必要で、タブレットは意味がないという学校があるかも。それを調べるべき」(主旨)と。全くそうだと大きく頷いた。
② 「今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について」
「昨年度の調査と比較して体力合計点は全学年男女とも低下の傾向がみられる。特に持久力が。体の柔軟性は、上昇した。コロナ禍の体育の授業で接触しなくて済む体の動かしを取り入れた結果と考えられる。スクリーンタイム(スマートホン使用時間)が昨年度と比べ顕著に増加し、それが「3時間以上」は体力合計点が低くなる傾向にある」との、当たり前の報告。
「スクリーンタイムの多さについての報告があったが、GIGAスクールをやるとさらにその懸念はないかなど、都教委はクロス分析ができていない。」と、新井教育委員から指摘があった。
③ 「TOKYO ACTIVE PLAN for students(中間まとめ)について」
「子どもたちが楽しみながら運動・スポーツに参画し、体力を高める」ことを目的にここで中間まとめを出し、都民からのパブリックコメントを募ったうえで今年度中に策定するとのこと。
2010年度から取り組み始めて、今回が第4次策定という。②の調査も、この施策で始まったこと。
当初は、20分休みや給食後の休み時間にやるべき課題が教員から出されて、子どもにとっては自由な休み時間がなくなったと言われていた。今、そういうことは聞かないが、無理から破綻したのか。
運動実績を数値化されても運動が好きになるわけではない。都教委の「やった感」づくり、あるいは出世のための策定はやめてもらいたい。
『レイバーネット日本』(2022-02-04)
http://www.labornetjp.org/news/2022/0203nezu
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