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日本報道検証機構、産経新聞の誤報を取り上げる

2016年03月29日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 大阪市立小中にメール「君が代起立は教育滅ぼす」は誤報
   市民団体、産経に抗議
| GoHoo

D-TAC結成集会(2015年7月13日、D-TAC提供)

 ● 誤報レベル(0~7) 5 (不正確な引用で、記事の影響は大きい)

 産経新聞は3月15日付朝刊(東京版)で「教職員の国歌斉唱『教育荒廃させる』 市民団体、大阪市立小中にメール」と見出しをつけ、「卒業式での教職員の国旗掲揚や国歌斉唱は『教育を荒廃させる』などとする内容のメールが2月、市民団体から大阪市立小中学校全424校に送られていた」と報じた。
 しかし、この市民団体が一斉送信したメールで「教育を荒廃させる」と批判したのは、国歌起立斉唱の「職務命令」やその発令を促す大阪市教育長の「通知」だった。メールでは国歌起立斉唱という行為そのものが「教育を荒廃させる」とは主張しておらず、「国旗掲揚」には全く言及していなかった。
 ニュースサイト記事の見出しは一部修正されたものの、同団体は「誤報」と抗議している。
 記事が取り上げたのは、国歌斉唱時の不起立を理由に戒告処分を受けたの松田幹雄・大阪市立中教諭を支援する活動を展開している「Democracy for Teachers and Children」(D-TAC)が2月10日、市立学校に一斉送信したメール。D-TACのウェブサイトで全文公開されており、問題となった部分は次のように記されていた。
 私たちは、1月5日付で大阪市教育委員会に「質問と要請」を提出し、昨年1月23日付で出されました「式場内のすべての教職員は起立して斉唱するよう校園長より職務命令を行うこと」と指示する教育長通知と同様の通知を出さないよう要請していました。この通知と「君が代」起立・斉唱職務命令が、教職員の間に保身を蔓延させ教育を荒廃させるのではないか、本来、児童・生徒に対して当然なされるべき「君が代」の歌詞の意味や扱いの歴史的変遷についての情報提供も行わないまま起立・斉唱を強要し、「君が代」を歌いたくない児童・生徒に対して「いじめ」・人権侵害の現実が生まれているのではないかと問題提起していたのです。
 ※D-TACウェブサイト
 日本報道検証機構はD-TACに対し、メールでの「教育を荒廃させる」という指摘は、式場内で国歌を起立斉唱するという行為そのものも含まれているのか質問したところ、「教育長の『通知』と『職務命令』についてのみ、述べたものです」との回答があった。
 卒業式などでの国歌の起立斉唱については「大人・子どもを問わず、一人一人の多様な参加のあり方を尊重し保障すべきです」との見解を示した。
 今回の記事は、産経の大阪版で「大阪市小中学校に市民団体がメール 教職員の国歌斉唱起立に反対」と見出しをつけて詳しく報道。
 本文は、D-TACが問題視したのが「職務命令」であることにも触れているが、見出しとリード(東京版と同じ)はメールの趣旨について誤解を与える記述になっていた。
※検証対象(画像『産経新聞』)
http://oiu47d1fspkjqazlh826.cdn02.sova.bz/wp-content/uploads/2016/03/160315_sankei_west.png
『日本報道検証機構』(2016年3月27日)
http://gohoo.org/16032701/
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