パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆立ち読み『藤田勝久未刊の大作?』10

2005年01月17日 | 藤田の部屋
諸般の事情により、ご紹介に際して原稿の一部を割愛することがあります。出版までには遺漏のないように整理を行いますので、そちらを楽しみにお待ち下さい。

     ★協力者・関係者を処分せよ・・・処分を行ってまいります

 先ほどの質疑の続き
O土屋委員   多くの生徒が起立しなかったことからすると、現職教員の中に協力者がいるのではないかと思います。教員が自分たちの主義主張を生徒たちに恣意的に注入したり、ことさら内心の自由を強調する指導をした結果であるとすれば、極めてゆゆしき問題であります。さきの教育長の答弁からして、これにかかわった教員は処分すべきと考えますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
O横山教育長  お話のように、みずからの主義主張を生徒を使って具現化するようなことがあったとするならばこれは教師にあるまじき卑劣な行為であり、当然、処分の対象になります。


 何か錯覚があるのではないかとさえ思うが、意図的なそれなりの検討を経た答弁であろう。
 高校3年生ともなれば、風邪の注射じゃあるまいし「注入」などできるわけがない。
 かえって反発されるのがオチだ。前にも書いたが18才を馬鹿にしてはいまいか。
 「協力者・関係者を摘発せよ」とは、まさしく「特高」・「公安」の発想である。
 3月26日には、十数人の捜査官を丸一日板橋高校に突入させることとなる。
 初事実を捏造しての「法的措置」の言明は、それこそ教育長・都議会議員にあるまじき卑劣な行為である。

O土屋委員   これは肝心なことなので確認をしたいのですが、例えば五クラスあって、そのうち四クラスでは生徒が起立をし、国歌を斉唱したが、一クラスのみ生徒が起立せず、国歌を斉唱しなかったら、そのクラスは学習指導要領に基づく指導がなされていないと考えていいんでしょうか。
O横山教育長  そのとおりでございます。


 なにが肝心で、なにがそのとおりでございますだ。
 生徒一人一人に個性があるようにクラスにだって個性があるのだ。
 目立つ個人、異質なグループは排除・掣肘せよという発想が根底にある。
 常に周りを見てほかと歩調、方向をそろえて進まない者は制裁の対象となる。
 5-4=1 5-1.8ならどうするのだ。
 思想・信条・良心を算数で測ろうとする。愚かな発想である。まるで体育祭の赤組、白組・・・・・組の行進の採点のようだ。
 錦旗の「学習指導要領」を振りかざすがその旗は、「憲法」・「教育基本法」の大漁旗に添えられた大綱的枠組みだけの小さな旗ではないか。
 まるで「刑法」のように崇めて人を処分しようとする。

O土屋委員   大きな前進だと思いますね。板橋高校のような事態は、一校だけの問題ではありません。都教委は、調査を校長に任せるのではなく、都教委が直接、調査に乗り出るべきではありませんでしょうか。そこで、都教委内部に人事部、指導部合同の調査委員会の設置を提案いたします。事実関係を調査の上、関係者を処分すべきではないでしょうか。
O横山教育長  教員みずからの主義主張のために生徒を巻き込むような事態は、都教委として放置でかない問題であると考えております。そのため、都立板橋高校のような想定せざる事態が現実に起こったのを受けまして、都教育委員会としましても、ご提案のとおり、都立学校卒業式・入学式対策本部のもとに、人事部、指導部合同の調査委員会を直ちに設置することとし、教員のかかわりなど具体的な事実関係を調査の上、関係者の処分を行ってまいります。


 生徒が何人立とうと座ろうと個人の内心の問題ではないか。それを役所が調査に乗り出して関係者の処分を行うという。
 今、都教委・教育庁というのは極めて政治的党派によって簒奪されている。党派、国粋的団体が都教委を乗っ取りさらに権力のだんびら振りかざして教育現場に突入しようとしている。そのことの犯罪性については教育基本法第10条によって夙に明らかではないか。

 教員にはそれこそ種々様々な人間がいる。その多様性こそ貴重なのだ。
 丹頂鶴もいれば机上に日の丸なんていうのもいた。生徒はその多様なものの考え方に触れることによって自己の理念を触発、研磨されていくのだ。
 最近は、「うぜえんだよう」 「関係ない」 なんていうのが流行っているが・・・。

 横山教育長、土屋都議も一度、補欠募集の数が100人を超えるような高校で授業してみたらどうか。注射だとか注入だとか言ってられないだろうよ。
 「主義主張のために生徒を巻き込むような事態」とは、それこそ戦前の「皇民化教育」を指している。
 政治的党派は、教育現場にささりこんではならない。 
 党派の代議員によって政治権力が握られている社会においては、選挙の度ごとに教育内容が揺さぶられたんじゃたまったもんじゃない。
 政治家よ、役人よ、決して教育の内容については口を出すな。 

(続)

この前に戻って読みたい方は、こちら→(9)


コメント    この記事についてブログを書く
« 日記1/13~1/15 | トップ | 進化論をめぐる米国の裁判珍聞 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

藤田の部屋」カテゴリの最新記事