● 安倍政治が次々に教育を乗っ取っている (レイバーネット日本)
第2、第4週の木曜日が定例会であるのに、今日は3週、次回は1週と、都教委の都合で例外措置を執る。昨年あたりからそうしたことがかなりの割合であり、傍聴者にはとても迷惑だ。
今日の公開議題は、①「学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の一部を改正する規則の制定について」 ②「教育庁処務規則の一部を改正する規則の制定について」 ③「教職員研修センター処務規則の一部を改正する規則の制定について」ほか。
非公開議題は教員の懲戒処分案件(停職以上の処分が2件、減給以下の処分報告)ほか。
①「学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の一部を改正する規則の制定について」――1日の労働時間は8時間ではなく10時間!――
文科省が進める、いわゆる「働き方改革」がこれだ。
文科省は「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」を昨年末に公布し、「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずるべき措置に関する指針」を告示して、服務監督教育委員会が、教育職員の在校等時間の上限等について定めるよう求めた。
したがって、「都教委においても、都立学校職員の業務量の適切な管理その他教委育職員の健康及び福祉の確保を図るために規則を定める」と報告。
「改正」内容は、
ア.「時間外在校時間の上限時間数は1月45時間以下、1年で360時間以下」
イ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情がある場合の上限時数は1月100時間未満、1年で720時間以下」
ウ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情があり、100時間未満の時間外在校をする場合には、直前の5か月までの時間外在校時間は月当たり平均80時間以下とする」
エ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情がある場合、1年のうち、1月において時間外在校等時間が45時間を超える月数は6月以内とする」。
アは1日2時間の時間外労働を可とする、すなわち1日10時間労働とするもの。
18時から職員会議ということも起きるのか?
イは1日5時間の時間外労働を可とする。
ウは、イに入る直前5か月間の月当たり残業時間を80時間以下とするというもの。
80時間という過労死ラインの時間外労働を最長5か月経て、「臨時的な特別の事情がある場合」とされ、100時間未満の時間外労働を可とするということのよう。
ウについては報告者から説明がなかったので、書かれた文字から判断するしかなかったので、間違いがあるかもしれない。
8時間労働を根本から否定したこの規則制定が「教育職員の健康及び福祉の確保を図るため」だとほざく。命の軽視が甚だしく、許してはならない。
教員の働き過ぎが問題となって「働き方改革」に向かったはずである。
しかし、8時間労働で済むように教員の定員増や1クラスの定数減、仕事の見直し・軽減をするのではなく、法・規則を変えることによって長時間ただ働きを合法化するというもの。「夏休みに休暇をまとめ取りできる」と文科省は軽口を叩くが、その前に過労死を予測しないのか。保育や介護・看護を抱えた人が働き続けることができなくなるとも想像しないのか。いや、過労死も辞職も構わない、替え玉はいくらでもいるということか。
教育委員も「規則が制定されてよかった」と言い、この規則を問題視した発言は皆無だった。事務方の報告を追認するだけの、教育委員たち。
数日前に始まった都議会において可決されれば、4月から都立学校で施行となる。区市町村教委は1年後、これに続くことになる。教員希望者が激減しているというのに、この規則がなお一層それに拍車をかけるのは間違いない。
日教組・全教は大きく声をあげ闘ってほしい。呼びかけてくれれば、すぐに動きたい。
②「教育庁処務規則の一部を改正する規則の制定について」
教育のICT化に向けて「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を推進するため、来年度予算の大幅増額について、前回の定例会傍聴報告に記した。
この規則制定は、「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」推進に関する事務を教育情報課から教育政策課に移管し、課名を広報統計課に変更するというもの。他にも東京教師養成塾に関する事務の移管などが規則に反映された。
政府は「GIGAスクール構想」を、東京は「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を打ち出し、児童・生徒1人1台端末及び高速大容量の校内通信ネットワークの整備に邁進する。
学校がICT関連企業に乗っ取られた。今年度、スマート・スクール推進校に指定されたある都立校では、全教員が反対したにもかかわらず、推進校に指定されたと聞く。
教材も企業作成のものになり、教員はそれを動かすだけ。これが「学び方改革」「教え方改革」「働き方改革」だと都教委も文科省も平然と言う。安倍政治を絶たないと。
議事終了後、コロナウイルス等の感染症に関する都教委方針の説明がされた。
それはなされていいが、それを聞きながら私の頭をよぎったことは、議題になくても感染症については即座に話をするのに、いじめによって自死した子どもについてはこれまで一度も話にあがったことがないこと。定例会当日の朝刊が報じていても、だ。都教委にとって都合のよくない命は軽視するということかと思っている。
『レイバーネット日本』(2020-02-21)
http://www.labornetjp.org/news/2020/0220nezu
第2、第4週の木曜日が定例会であるのに、今日は3週、次回は1週と、都教委の都合で例外措置を執る。昨年あたりからそうしたことがかなりの割合であり、傍聴者にはとても迷惑だ。
今日の公開議題は、①「学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の一部を改正する規則の制定について」 ②「教育庁処務規則の一部を改正する規則の制定について」 ③「教職員研修センター処務規則の一部を改正する規則の制定について」ほか。
非公開議題は教員の懲戒処分案件(停職以上の処分が2件、減給以下の処分報告)ほか。
①「学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の一部を改正する規則の制定について」――1日の労働時間は8時間ではなく10時間!――
文科省が進める、いわゆる「働き方改革」がこれだ。
文科省は「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」を昨年末に公布し、「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずるべき措置に関する指針」を告示して、服務監督教育委員会が、教育職員の在校等時間の上限等について定めるよう求めた。
したがって、「都教委においても、都立学校職員の業務量の適切な管理その他教委育職員の健康及び福祉の確保を図るために規則を定める」と報告。
「改正」内容は、
ア.「時間外在校時間の上限時間数は1月45時間以下、1年で360時間以下」
イ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情がある場合の上限時数は1月100時間未満、1年で720時間以下」
ウ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情があり、100時間未満の時間外在校をする場合には、直前の5か月までの時間外在校時間は月当たり平均80時間以下とする」
エ.「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情がある場合、1年のうち、1月において時間外在校等時間が45時間を超える月数は6月以内とする」。
アは1日2時間の時間外労働を可とする、すなわち1日10時間労働とするもの。
18時から職員会議ということも起きるのか?
イは1日5時間の時間外労働を可とする。
ウは、イに入る直前5か月間の月当たり残業時間を80時間以下とするというもの。
80時間という過労死ラインの時間外労働を最長5か月経て、「臨時的な特別の事情がある場合」とされ、100時間未満の時間外労働を可とするということのよう。
ウについては報告者から説明がなかったので、書かれた文字から判断するしかなかったので、間違いがあるかもしれない。
8時間労働を根本から否定したこの規則制定が「教育職員の健康及び福祉の確保を図るため」だとほざく。命の軽視が甚だしく、許してはならない。
教員の働き過ぎが問題となって「働き方改革」に向かったはずである。
しかし、8時間労働で済むように教員の定員増や1クラスの定数減、仕事の見直し・軽減をするのではなく、法・規則を変えることによって長時間ただ働きを合法化するというもの。「夏休みに休暇をまとめ取りできる」と文科省は軽口を叩くが、その前に過労死を予測しないのか。保育や介護・看護を抱えた人が働き続けることができなくなるとも想像しないのか。いや、過労死も辞職も構わない、替え玉はいくらでもいるということか。
教育委員も「規則が制定されてよかった」と言い、この規則を問題視した発言は皆無だった。事務方の報告を追認するだけの、教育委員たち。
数日前に始まった都議会において可決されれば、4月から都立学校で施行となる。区市町村教委は1年後、これに続くことになる。教員希望者が激減しているというのに、この規則がなお一層それに拍車をかけるのは間違いない。
日教組・全教は大きく声をあげ闘ってほしい。呼びかけてくれれば、すぐに動きたい。
②「教育庁処務規則の一部を改正する規則の制定について」
教育のICT化に向けて「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を推進するため、来年度予算の大幅増額について、前回の定例会傍聴報告に記した。
この規則制定は、「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」推進に関する事務を教育情報課から教育政策課に移管し、課名を広報統計課に変更するというもの。他にも東京教師養成塾に関する事務の移管などが規則に反映された。
政府は「GIGAスクール構想」を、東京は「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を打ち出し、児童・生徒1人1台端末及び高速大容量の校内通信ネットワークの整備に邁進する。
学校がICT関連企業に乗っ取られた。今年度、スマート・スクール推進校に指定されたある都立校では、全教員が反対したにもかかわらず、推進校に指定されたと聞く。
教材も企業作成のものになり、教員はそれを動かすだけ。これが「学び方改革」「教え方改革」「働き方改革」だと都教委も文科省も平然と言う。安倍政治を絶たないと。
議事終了後、コロナウイルス等の感染症に関する都教委方針の説明がされた。
それはなされていいが、それを聞きながら私の頭をよぎったことは、議題になくても感染症については即座に話をするのに、いじめによって自死した子どもについてはこれまで一度も話にあがったことがないこと。定例会当日の朝刊が報じていても、だ。都教委にとって都合のよくない命は軽視するということかと思っている。
『レイバーネット日本』(2020-02-21)
http://www.labornetjp.org/news/2020/0220nezu
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