《業績評価裁判を支援する会(岬の会)》
★ 世田谷区教委に謝罪要求と要請行動
~謝罪、評価の修正、昇級延伸の是正を約束
11月22日午後6時から、大嶽さんと岬の会は、東京高裁判決の確定に伴って、世田谷区教育委員会に謝罪要求などの要請行動を行いました。
岬の会側の参加者は、紹介議員を引き受けていただいた区議会議員さんを含めて10人、大嶽さんが所属する世田谷区教職員組合の役員の方々、世田谷地区労からもご参加いただきました。
世田谷区教委側は、教育政策部長の古閑(こが)さんが対応されました。昨年9月の質問書提出時は、教育総務課長が受け取るだけとういう対応でしたので、それに比べれば、責任ある人物が出てきたという点では評価できます。約1時間の申し入れでした。
この日の申し入れ行動の最大の目的は、なんと言っても当該の大嶽さんが、不当な業績評価を行った世田谷区教育委員会に対して思いの丈をぶつけ、謝罪をかちとることでした。
大嶽さんはまず、(汚名返上のために)7年間もの時間を費やしたことに対する言いようのない怒りから語り始めました。
37年間の教員生活のうち30年間を世田谷区で過ごし、自分なりに誠心誠意やってきた。とりわけ三浦健康学園での7年間は、子どもたちの命を守るために粉骨砕身した。これに対する*不当な評価は、大嶽さんにとって本当に許せない仕打ちであった。どうしても納得できない思いから、周囲からの冷たい目や家族の反対、四面楚歌の状況から闘いを始めた。しかし多くの支援者ができ、仲間の支援のおかげで7年間闘ってこれたこと等、苦難の7年間を20数分間にわたって訴えました。
そして業績評価との闘いの中で、多くを学んできたこと。7年間の闘いを通して、自分だけでなく、多くの教員が不当な業績評価に苦しみ、泣き寝入りをさせられている現実を知った。理不尽な異動の強制や早期退職が後を絶たない。
特に業績評価が賃金にリンクされるようになって、管理職と腹を割って話し合ったり、教員間の横の意思疎通ができない状況になっている。若い教員は一人で悩み苦しんでいる。管理職も追いつめられる中で、管理職によるパワハラや暴言が横行している。業績評価という制度によって学校が死のうとしている。シビアな教育現場の現状と根本的な是正を訴えました。
古閑教育政策部長は、「東京高裁の判断を謙虚に、真摯(しんし)に受け止め、きちっとした対応をしていかなければならないと考えている」と、はっきりと是正の姿勢を表明しました。
そして、「大嶽さんの7年間の思い、沈鬱な思い、ご苦労、いわれのない言葉も浴びせられたこと。また、大嶽さんが教育にかけてきた思いをお聞きして、重く受けとめたい。簡単に言葉で表現できるものではないが、この場でおわびの意を表明したい」と個人的な見解を述べた上で、正式な謝罪については具体的に即答できないが、改善措置について都との意思疎通を始めているので、改善措置を具体的に明らかにできる段階で、それと同時に行いたいと明言しました。
具体的に、C評価の修正とそれに伴う昇給延伸の是正については、当初とにかく都教委の判断をあおぎたいという姿勢の一点張りだったので、「給与回復に関しては都が負担者だから都の判断があるが、しかし、評価は区がやったことであり、評価権者は区なのだから、区の権限と責任で、評価の修正はできるはず。区として評価を修正することを確約して欲しい」「給与回復も、まず区が評価の修正を行って、その結論を都にあげることによって初めて行われる」「都にあげる前に早く評価の修正を提示して欲しい」「都との関係ばかり言わないで、区としての判断をもとはっきり示して欲しい」「都の指導を待つのではなく、主体的に、積極的に都に提言する立場にあるはず」と全員が区の責任を鋭く追及しました。
区レベルで行う苦情処理では、評価の修正が行われた例は少ないながらあるようですが、司法判断に従う形での評価の修正は前例がないので、区として全く定見がなく、とにかく制度制定者である都におうかがいをたててやっていくという受け身の姿勢が最後まで濃厚でした。そして「私の立場では区の教育長の責任でC評価を是正しますとまでは言えない」と、いまひとつあいまいさを残しましたが、しかし、区独自の責任の重大性については受け止めさせることができたと思います。
さらに、原因と責任の所在、再発防止策を明らかにすることについても、回答を約束させました。
*回答時期は明言できませんでしたが、「7年間もかかって、さらに長引くことは耐え難い」という大嶽さんの訴えに押されて、できるだけ早く回答するよう努力する、文書で回答する、回答できる段階になったら連絡し、再度の話し合いの場を持つことを約束させました。
大嶽さんの訴えが全面的に行われたことを中心に、要請事項についてひとつ一つ詰め(下記参照)、確認・約束させたこと、さらに現場から、業績評価が教育現場にもたらしている否定的な現実に関してもかなり訴えることができたことなど、手応えを得ることができた申し入れ行動でした。
終了後の簡単な反省会で、世田谷区教委に続いて、一刻も早く東京都教育委員会と東京都人事委員会に対しても申し入れ行動を行っていこうということが確認されました。
以下に、この日提出した『謝罪要求及び要請書』を掲載します。
委員長 岩谷 力 様
教育長 若井田 正文 様
10月26日、業績評価による昇給延伸を妥当と判断した東京都人事委員会の措置要求判定の取消等請求事件で、東京高裁民事12部(梅津和宏裁判長)は、貴世田谷区教育委員会が平成16年度に大嶽昇一に対して行ったC評価は、「根拠となる事実を欠き、公正評価義務に違反したもの」と認定し、この認定事実に基づいて、措置要求を棄却した東京都人事委員会の判定を裁量権を逸脱した違法なものと断定し、都側の控訴を棄却しました。また、世田谷区と東京都の損害賠償責任を認定しました。そして、東京都(人事委員会)は上告を断念し、高裁判決が確定しました。
上記C評価を「事実に基づかないか又は誤認した事実に基づいたもの」と判断し、公正評価義務違反を認定した一審東京地裁判決に続き再び、貴教育委員会の業績評価の誤りが司法に裁かれたことになります。このことを貴委員会が真摯に受け止め、猛省されるよう、以下の点を申し入れます。
今回の大嶽昇一への不当評価は、氷山の一角に過ぎません。管理職の評価を恐れて本人開示請求すらできない現実の下で、しかも査定昇給の導入とそれに伴う相対評価の強まりの中で、不当評価に泣き寝入りを余儀なくされている教職員は増える一方です。大嶽への個別評価の問題性をこえてこれを契機に、貴委員会が、業績評価制度そのものを抜本的に見直すことを要望し、その立場に立った回答を求めます。
なお、持ち帰り検討ではなく、この場で最大限お答えいただくようお願いします。昨年の「質問書」(9月15日付)の提出に際しては、担当責任者の出席を要望したにもかかわらず、拒否されました。また、回答の場を設定していただくよう要望しましたが、これも拒否され、郵送による文書回答のみでした。担当責任者が対応できない主要な理由は「係争中」ということでした。しかし、東京高裁判決が確定し、貴委員会の非が糾されている以上、責任ある対応をする義務があるものと考えます。したがって、もしこの場で返答できない点があるならば、あらためて回答の場を設定していただくようお願い致します。
1 大嶽昇一に不当に低い評価を行い、昇給延伸の不利益を与えたことについて謝罪すること。
2 控訴審において満展開された大嶽昇一に対する人格攻撃を撤回し謝罪すること。
※一審で貴教育委員会は、当初評価の根拠としていた「職務実績記録」記載の事実が崩れるや、次から次へと新たな事柄を「後出し」してきましたが、それらはその場では何の注意も指導もされていなかった事柄であり、裁判所に採用されませんでした。
これを巻き返すために貴教育委員会は、その場で注意も指導も行わなかったのは、「被控訴人(大嶽昇一)が批判的な意見や助言に対して直ぐに激高し、そのことを長らく根に持つという特有の性格」に配慮したからであると、再三にわたって人格攻撃をくり返しました。また、吉村副園長と日座園長の陳述書においても同様の人格批判が満展開されています。元同僚の陳述書もすべて、この大嶽昇一の「特有の性格」を意図的に強調するものとなっています。これらすべての執拗な人格攻撃が、貴教育委員会の意図に基づくことは明白です。当然にも、このような卑劣な人格攻撃を裁判所は採用しませんでした。
いやしくも人間の教育に携わる貴教育委員会が、このような人格攻撃を行うことは許されるものではありません。
ひとこと付言すれば、無理なマイナス評価を正当化するためには性格批判・人格攻撃をするしかない、この必然性の中に、教員への業績評価の無理性が露呈しているのではないでしょうか。
3 大嶽昇一への平成16年度のC評価を取り消すこと。
4 上記C評価の取り消しに伴って、昇給延伸措置を是正するよう、東京都に上申すること。
5 このような誤った業績評価が行われた原因と責任の所在を明らかにすること。
6 2度とこのような誤りをくり返さないための対策を明らかにすること。
7 上記の原因と責任の所在、再発防止策が明らかにされない限り、業績評価の実施を凍結すること。
『業績評価裁判を支援する会(岬の会)』(2011/11/23)
http://misaki2010kai.blog58.fc2.com/blog-entry-69.html
★ 世田谷区教委に謝罪要求と要請行動
~謝罪、評価の修正、昇級延伸の是正を約束
11月22日午後6時から、大嶽さんと岬の会は、東京高裁判決の確定に伴って、世田谷区教育委員会に謝罪要求などの要請行動を行いました。
岬の会側の参加者は、紹介議員を引き受けていただいた区議会議員さんを含めて10人、大嶽さんが所属する世田谷区教職員組合の役員の方々、世田谷地区労からもご参加いただきました。
世田谷区教委側は、教育政策部長の古閑(こが)さんが対応されました。昨年9月の質問書提出時は、教育総務課長が受け取るだけとういう対応でしたので、それに比べれば、責任ある人物が出てきたという点では評価できます。約1時間の申し入れでした。
この日の申し入れ行動の最大の目的は、なんと言っても当該の大嶽さんが、不当な業績評価を行った世田谷区教育委員会に対して思いの丈をぶつけ、謝罪をかちとることでした。
大嶽さんはまず、(汚名返上のために)7年間もの時間を費やしたことに対する言いようのない怒りから語り始めました。
37年間の教員生活のうち30年間を世田谷区で過ごし、自分なりに誠心誠意やってきた。とりわけ三浦健康学園での7年間は、子どもたちの命を守るために粉骨砕身した。これに対する*不当な評価は、大嶽さんにとって本当に許せない仕打ちであった。どうしても納得できない思いから、周囲からの冷たい目や家族の反対、四面楚歌の状況から闘いを始めた。しかし多くの支援者ができ、仲間の支援のおかげで7年間闘ってこれたこと等、苦難の7年間を20数分間にわたって訴えました。
そして業績評価との闘いの中で、多くを学んできたこと。7年間の闘いを通して、自分だけでなく、多くの教員が不当な業績評価に苦しみ、泣き寝入りをさせられている現実を知った。理不尽な異動の強制や早期退職が後を絶たない。
特に業績評価が賃金にリンクされるようになって、管理職と腹を割って話し合ったり、教員間の横の意思疎通ができない状況になっている。若い教員は一人で悩み苦しんでいる。管理職も追いつめられる中で、管理職によるパワハラや暴言が横行している。業績評価という制度によって学校が死のうとしている。シビアな教育現場の現状と根本的な是正を訴えました。
古閑教育政策部長は、「東京高裁の判断を謙虚に、真摯(しんし)に受け止め、きちっとした対応をしていかなければならないと考えている」と、はっきりと是正の姿勢を表明しました。
そして、「大嶽さんの7年間の思い、沈鬱な思い、ご苦労、いわれのない言葉も浴びせられたこと。また、大嶽さんが教育にかけてきた思いをお聞きして、重く受けとめたい。簡単に言葉で表現できるものではないが、この場でおわびの意を表明したい」と個人的な見解を述べた上で、正式な謝罪については具体的に即答できないが、改善措置について都との意思疎通を始めているので、改善措置を具体的に明らかにできる段階で、それと同時に行いたいと明言しました。
具体的に、C評価の修正とそれに伴う昇給延伸の是正については、当初とにかく都教委の判断をあおぎたいという姿勢の一点張りだったので、「給与回復に関しては都が負担者だから都の判断があるが、しかし、評価は区がやったことであり、評価権者は区なのだから、区の権限と責任で、評価の修正はできるはず。区として評価を修正することを確約して欲しい」「給与回復も、まず区が評価の修正を行って、その結論を都にあげることによって初めて行われる」「都にあげる前に早く評価の修正を提示して欲しい」「都との関係ばかり言わないで、区としての判断をもとはっきり示して欲しい」「都の指導を待つのではなく、主体的に、積極的に都に提言する立場にあるはず」と全員が区の責任を鋭く追及しました。
区レベルで行う苦情処理では、評価の修正が行われた例は少ないながらあるようですが、司法判断に従う形での評価の修正は前例がないので、区として全く定見がなく、とにかく制度制定者である都におうかがいをたててやっていくという受け身の姿勢が最後まで濃厚でした。そして「私の立場では区の教育長の責任でC評価を是正しますとまでは言えない」と、いまひとつあいまいさを残しましたが、しかし、区独自の責任の重大性については受け止めさせることができたと思います。
さらに、原因と責任の所在、再発防止策を明らかにすることについても、回答を約束させました。
*回答時期は明言できませんでしたが、「7年間もかかって、さらに長引くことは耐え難い」という大嶽さんの訴えに押されて、できるだけ早く回答するよう努力する、文書で回答する、回答できる段階になったら連絡し、再度の話し合いの場を持つことを約束させました。
大嶽さんの訴えが全面的に行われたことを中心に、要請事項についてひとつ一つ詰め(下記参照)、確認・約束させたこと、さらに現場から、業績評価が教育現場にもたらしている否定的な現実に関してもかなり訴えることができたことなど、手応えを得ることができた申し入れ行動でした。
終了後の簡単な反省会で、世田谷区教委に続いて、一刻も早く東京都教育委員会と東京都人事委員会に対しても申し入れ行動を行っていこうということが確認されました。
以下に、この日提出した『謝罪要求及び要請書』を掲載します。
2011年11月22日
世田谷区教育委員会委員長 岩谷 力 様
教育長 若井田 正文 様
大嶽 昇一
岬の会(業績評価裁判を支援する会)
連絡先 世田谷区世田谷1-41-12
世田谷区教職員組合内
岬の会(業績評価裁判を支援する会)
連絡先 世田谷区世田谷1-41-12
世田谷区教職員組合内
謝罪要求 及び 要請書
10月26日、業績評価による昇給延伸を妥当と判断した東京都人事委員会の措置要求判定の取消等請求事件で、東京高裁民事12部(梅津和宏裁判長)は、貴世田谷区教育委員会が平成16年度に大嶽昇一に対して行ったC評価は、「根拠となる事実を欠き、公正評価義務に違反したもの」と認定し、この認定事実に基づいて、措置要求を棄却した東京都人事委員会の判定を裁量権を逸脱した違法なものと断定し、都側の控訴を棄却しました。また、世田谷区と東京都の損害賠償責任を認定しました。そして、東京都(人事委員会)は上告を断念し、高裁判決が確定しました。
上記C評価を「事実に基づかないか又は誤認した事実に基づいたもの」と判断し、公正評価義務違反を認定した一審東京地裁判決に続き再び、貴教育委員会の業績評価の誤りが司法に裁かれたことになります。このことを貴委員会が真摯に受け止め、猛省されるよう、以下の点を申し入れます。
今回の大嶽昇一への不当評価は、氷山の一角に過ぎません。管理職の評価を恐れて本人開示請求すらできない現実の下で、しかも査定昇給の導入とそれに伴う相対評価の強まりの中で、不当評価に泣き寝入りを余儀なくされている教職員は増える一方です。大嶽への個別評価の問題性をこえてこれを契機に、貴委員会が、業績評価制度そのものを抜本的に見直すことを要望し、その立場に立った回答を求めます。
なお、持ち帰り検討ではなく、この場で最大限お答えいただくようお願いします。昨年の「質問書」(9月15日付)の提出に際しては、担当責任者の出席を要望したにもかかわらず、拒否されました。また、回答の場を設定していただくよう要望しましたが、これも拒否され、郵送による文書回答のみでした。担当責任者が対応できない主要な理由は「係争中」ということでした。しかし、東京高裁判決が確定し、貴委員会の非が糾されている以上、責任ある対応をする義務があるものと考えます。したがって、もしこの場で返答できない点があるならば、あらためて回答の場を設定していただくようお願い致します。
記
1 大嶽昇一に不当に低い評価を行い、昇給延伸の不利益を与えたことについて謝罪すること。
2 控訴審において満展開された大嶽昇一に対する人格攻撃を撤回し謝罪すること。
※一審で貴教育委員会は、当初評価の根拠としていた「職務実績記録」記載の事実が崩れるや、次から次へと新たな事柄を「後出し」してきましたが、それらはその場では何の注意も指導もされていなかった事柄であり、裁判所に採用されませんでした。
これを巻き返すために貴教育委員会は、その場で注意も指導も行わなかったのは、「被控訴人(大嶽昇一)が批判的な意見や助言に対して直ぐに激高し、そのことを長らく根に持つという特有の性格」に配慮したからであると、再三にわたって人格攻撃をくり返しました。また、吉村副園長と日座園長の陳述書においても同様の人格批判が満展開されています。元同僚の陳述書もすべて、この大嶽昇一の「特有の性格」を意図的に強調するものとなっています。これらすべての執拗な人格攻撃が、貴教育委員会の意図に基づくことは明白です。当然にも、このような卑劣な人格攻撃を裁判所は採用しませんでした。
いやしくも人間の教育に携わる貴教育委員会が、このような人格攻撃を行うことは許されるものではありません。
ひとこと付言すれば、無理なマイナス評価を正当化するためには性格批判・人格攻撃をするしかない、この必然性の中に、教員への業績評価の無理性が露呈しているのではないでしょうか。
3 大嶽昇一への平成16年度のC評価を取り消すこと。
4 上記C評価の取り消しに伴って、昇給延伸措置を是正するよう、東京都に上申すること。
5 このような誤った業績評価が行われた原因と責任の所在を明らかにすること。
6 2度とこのような誤りをくり返さないための対策を明らかにすること。
7 上記の原因と責任の所在、再発防止策が明らかにされない限り、業績評価の実施を凍結すること。
以上
『業績評価裁判を支援する会(岬の会)』(2011/11/23)
http://misaki2010kai.blog58.fc2.com/blog-entry-69.html
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