★ 枚方市教委「不起立調査」は条例違反 高裁判決確定
松田@ひらかた「スミぬり裁判をすすめる会」です。
本日(12月18日)、スミぬり裁判「教員編」大阪高裁判決(07.11.30)が確定したことを最終確認しましたのでお知らせします。
これにより、枚方市教委は、2002年の卒・入学式に際して行った「国歌斉唱時の起立しなかった教職員調査」(氏名と理由)がまったくの違法な調査であったことを認め、2名の原告教員に対して、慰謝料各10万円を支払うことになります。
(この慰謝料10万円も、この不起立調査によって原告が何らかの病気などになり診断書を提出したというわけではないので、純粋に不起立調査による思想・信条情報の収集・保管による精神的苦痛に対してのみのものですから、これはなかなか「スゴイ」ことかもしれません。)
なによりも重要な懸案であった「条例7条2項違反」問題についても適正かつ、まっとうな法律判断に是正され、「法令等の定め」もなく、個人情報保護審議会に「諮問もせず」、市教委が禁止された思想・信条・信仰に関する個人情報を違法に収集・保管したことが断定されました。
(それだけにとどまらず、判決は「思想調査」という言葉を明示して実質的に憲法判断に言及しています)
市教委が主張する「地教行法23条5号や43条1項」(教育課程等事務管理執行権限や服務監督権限)は、条例が求める「法令等の定め」にはあたらない、と判断したことの意味は重要です。
このように法令の根拠のない情報収集に対して、それが「必要である場合」、個人情報保護条例の多くは「審議会」への諮問を義務付けています。
しかし、特に限定的にそれを認める法令もない以上、つまり法令上の根拠もなく、そしてなによりも憲法19条が「思想調査」を禁止している以上、服務監督権限一般では、もちろん、教育委員会にその「必要があろうがなかろうが」、19条の制約を超越して思想調査をすることは許されません。これは「職務命令」であったとしても変わることではないでしょう。
仮に1万歩譲って、「起立斉唱の職務命令」が適法だという仮定に立ったとしても、だからといって、各教員の思想・信条・信仰などの情報を収集(思想調査)してよいということにはなりません。もちろんこれは個々の教員のプライバシー調査についても言えることです。
個々の教員は、それぞれに多様な思想・信条を持っており、そのことが教員としての職務の妨げになるわけではないことは言うまでもありません。
高裁判決は(一審判決もそうですが)、「起立しなかった氏名と理由」を一体のものとして、思想・信条・信仰に関する個人情報と認定しています。
おいそれと「指示」や「職務命令」に対する服務監督権限で思想調査を許すならば、高裁判決も指摘するように、「無制限に容認されて」しまうことになります。言い換えれば、そのまま思想統制へと導いてしまうことにもなりかねません。
思想・良心・信仰の自由という基本的人権について、相当の重さを強調した高裁判決が、これからますます厳しくなるであろう「日の丸・君が代」強制の状況下で、個人情報保護、思想調査の禁止という立場から一石を投じ、その意義を持ち続けることを期待しています。
*****************************************
《 スミぬり裁判をすすめる会 》
〒573-0027 枚方市大垣内町2-16-12
サクセスビル4F 枚方法律事務所気付
松田浩二 kiraku@kcat.zaq.ne.jp
Fax 020-4665-9697 口座 00900-5-249016
*****************************************
http://www.kcat.zaq.ne.jp/iranet-hirakata/newpage22-siminnokai.htm
(市民の会・スミぬり裁判・HP)
松田@ひらかた「スミぬり裁判をすすめる会」です。
本日(12月18日)、スミぬり裁判「教員編」大阪高裁判決(07.11.30)が確定したことを最終確認しましたのでお知らせします。
これにより、枚方市教委は、2002年の卒・入学式に際して行った「国歌斉唱時の起立しなかった教職員調査」(氏名と理由)がまったくの違法な調査であったことを認め、2名の原告教員に対して、慰謝料各10万円を支払うことになります。
(この慰謝料10万円も、この不起立調査によって原告が何らかの病気などになり診断書を提出したというわけではないので、純粋に不起立調査による思想・信条情報の収集・保管による精神的苦痛に対してのみのものですから、これはなかなか「スゴイ」ことかもしれません。)
なによりも重要な懸案であった「条例7条2項違反」問題についても適正かつ、まっとうな法律判断に是正され、「法令等の定め」もなく、個人情報保護審議会に「諮問もせず」、市教委が禁止された思想・信条・信仰に関する個人情報を違法に収集・保管したことが断定されました。
(それだけにとどまらず、判決は「思想調査」という言葉を明示して実質的に憲法判断に言及しています)
市教委が主張する「地教行法23条5号や43条1項」(教育課程等事務管理執行権限や服務監督権限)は、条例が求める「法令等の定め」にはあたらない、と判断したことの意味は重要です。
このように法令の根拠のない情報収集に対して、それが「必要である場合」、個人情報保護条例の多くは「審議会」への諮問を義務付けています。
しかし、特に限定的にそれを認める法令もない以上、つまり法令上の根拠もなく、そしてなによりも憲法19条が「思想調査」を禁止している以上、服務監督権限一般では、もちろん、教育委員会にその「必要があろうがなかろうが」、19条の制約を超越して思想調査をすることは許されません。これは「職務命令」であったとしても変わることではないでしょう。
仮に1万歩譲って、「起立斉唱の職務命令」が適法だという仮定に立ったとしても、だからといって、各教員の思想・信条・信仰などの情報を収集(思想調査)してよいということにはなりません。もちろんこれは個々の教員のプライバシー調査についても言えることです。
個々の教員は、それぞれに多様な思想・信条を持っており、そのことが教員としての職務の妨げになるわけではないことは言うまでもありません。
高裁判決は(一審判決もそうですが)、「起立しなかった氏名と理由」を一体のものとして、思想・信条・信仰に関する個人情報と認定しています。
おいそれと「指示」や「職務命令」に対する服務監督権限で思想調査を許すならば、高裁判決も指摘するように、「無制限に容認されて」しまうことになります。言い換えれば、そのまま思想統制へと導いてしまうことにもなりかねません。
思想・良心・信仰の自由という基本的人権について、相当の重さを強調した高裁判決が、これからますます厳しくなるであろう「日の丸・君が代」強制の状況下で、個人情報保護、思想調査の禁止という立場から一石を投じ、その意義を持ち続けることを期待しています。
*****************************************
《 スミぬり裁判をすすめる会 》
〒573-0027 枚方市大垣内町2-16-12
サクセスビル4F 枚方法律事務所気付
松田浩二 kiraku@kcat.zaq.ne.jp
Fax 020-4665-9697 口座 00900-5-249016
*****************************************
http://www.kcat.zaq.ne.jp/iranet-hirakata/newpage22-siminnokai.htm
(市民の会・スミぬり裁判・HP)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます