《被処分者の会通信から》
◆ 学校に自由と人権を!10・24集会報告
(レイバーネット日本から)
10月24日、午後1時30分から、「学校に自由と人権を!10・24集会」が、全電通会館で行われた。会場の定員は420名だが、新型コロナウイルス感染拡大対策のため、一つおきで座席に座るよう徹底した。集会の参加者は135名。
集会では今年も「憲法を変えさせない!誰も戦場に送らせない!一『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤回!一」をスローガンに掲げた。今年は2003年の「10・23通達」発出から18年を経る。2003年生まれの高校生が卒業を迎える年だ。
実行委員会挨拶と各訴訟団紹介の後、政治学者の中野晃一さんによる「戦後の誓いとしての日本国憲法一自由と人権のために一」という題で講演が行われた。
衆議院議員総選挙を1週間後に控えたこの日、中野さんは都内での野党共闘候補の応援演説を終えたのち、この集会に来られた。
中野さんは、日本国憲法、とりわけ憲法前文や第九条をめぐる、戦後から現在までの状況を、「冷戦期」「冷戦終盤期~ポスト冷戦初期」「ポスト冷戦期(グローバル資本主義の展開)」の3つの時期に整理しつつ解説された。
中野さんの講演のレジメによると、
冷戦期は「9条をめぐる『護憲』対『改憲』の対立構図」「実際には、9条のもとでの自衛隊と日米安保という憲法体制への支持が広がる」「『利益の政治』の時代(Who gets what?)」、
冷戦終盤期~ポスト冷戦初期は「新/自由主義の広がりと『改革の政治』の時代の始まリ」「『国際貢献』論の隆盛とアジア諸国との和解の模索」「9条明文改憲をひとまず棚上げした『憲法改革』論の隆盛と『護憲』論の退潮」、
ポスト冷戦期(グローバル資本主義の展開)は「実際には9条が隠された争点、戦後50年(1995)頃を境に『壊憲』的な動きへ」「自由主義(リベラリズム)と快を分かった新自由主義の暴走と、それを覆い隠すための『健全なナショナリズム』論の展開」「アメリカを盟主としたグローバル経済秩序の下、日本企業の権益を守るため、9条の縛りから自衛隊を解放し、日米安保同盟を強化」「対米従属の『愛国』というパラドックスから目を逸らすためのヘイト」というキーワードが添えられており、
最後に「戦後75年、誓いを新たに」として「グローバルな寡頭支配の拡散(トランプ、安倍、プーチン、習近平など)コロナ禍の中、むきだしになった貧困・経済格差、排外主義、差別や暴力」「対抗運動としての『名乗りの連帯』(I am Kenji、#MeToo、Black Lives Matter)」「『分断と支配のグローバリゼーション』vs.『連帯と共生のグローバリズム』」「ヘイトと分断を乗り越える他者性・隣人性に基づく『連帯の政治』は可能か」という言葉で結ばれている。
10月31日に行われた衆議院議員総選挙では、自由民主党が議席を276から261に減らしたものの、公明党が3議席増の32議席、日本維新の会が30議席増の41議席となり、結果として、残念ながら改憲勢力の議席が増えた。
講演の後、休憩を挟んで、よしだよしこさんと広瀬波子さんによるライブ「あなたに話しかけるのが希望」が行われた。
よしださんのヴォーカルとギター、広瀬さんのアイリッシュホイッスルとサックス。ウディ=ガスリー作曲の「Deportee(強制国外退去者)」、よしださん作曲の「高野くんの焼き鳥屋」「地球に似た惑星にいるあなたに」の3曲が歌われた。
「Deportee」は、1948年のアメリカ合州国とメキシコとの国境付近で起きた飛行機事故で死んだメキシコからの労働者達のことを歌った曲。
「高野くんの焼き鳥屋」は、東日本大震災の時に富岡町で被災した「高野くん」が、震災後、いわき駅のそばで営む焼き鳥屋を歌にしている。
「地球に似た惑星にいるあなたに」は石川逸子さんの詩に曲をつけたもの。
ライブの後、東京「君が代」裁判第五次訴訟原告団より特別報告があり、
集会の最後には「本日、10・23通達関連訴訟団・元訴訟団が大同団結し、『日の丸・君が代』強制に反対し、『憲法を変えさせず、誰も戦場に送らせない』運動を広げるために、『学校に自由と人権を!10・24集会』を開催しました。/集会に参加した私たちは、広範な教職員、保護者、労働者、市民の皆さんに『日の丸・君が代』強制と都教委の教育破壊を許さず、共に闘うことを呼びかけます。何よりも『子どもたちを再び戦場に送らない』ために!」との言葉で結んだアピールを採択した。
なお、集会の様子は、YouTubeの動画で見ることができる。
※ 【学校に自由と人権を!10・24集会】YouTube 動画
NO.1 https://youtu.be/DSDt4JQDyrU→実行委あいさつ(近藤)、講演・中野晃一さん
NO.2 https://youtu.be/IQZAahYhVQM→ライブ・よしだよしこさん、広瀬波子さん
NO.3 https://youtu.be/GcaDjOSwr-Q→特別報告・東京「君が代」裁判五次訴訟原告団(鈴木毅さん、田中聡史さんら)、集会アピール(五次原告・秋田さん)
『被処分者の会通信 136号』(2021年11月24日)
◆ 学校に自由と人権を!10・24集会報告
田中聡史(都立特別支援学校教員)
(レイバーネット日本から)
10月24日、午後1時30分から、「学校に自由と人権を!10・24集会」が、全電通会館で行われた。会場の定員は420名だが、新型コロナウイルス感染拡大対策のため、一つおきで座席に座るよう徹底した。集会の参加者は135名。
集会では今年も「憲法を変えさせない!誰も戦場に送らせない!一『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤回!一」をスローガンに掲げた。今年は2003年の「10・23通達」発出から18年を経る。2003年生まれの高校生が卒業を迎える年だ。
実行委員会挨拶と各訴訟団紹介の後、政治学者の中野晃一さんによる「戦後の誓いとしての日本国憲法一自由と人権のために一」という題で講演が行われた。
衆議院議員総選挙を1週間後に控えたこの日、中野さんは都内での野党共闘候補の応援演説を終えたのち、この集会に来られた。
中野さんは、日本国憲法、とりわけ憲法前文や第九条をめぐる、戦後から現在までの状況を、「冷戦期」「冷戦終盤期~ポスト冷戦初期」「ポスト冷戦期(グローバル資本主義の展開)」の3つの時期に整理しつつ解説された。
中野さんの講演のレジメによると、
冷戦期は「9条をめぐる『護憲』対『改憲』の対立構図」「実際には、9条のもとでの自衛隊と日米安保という憲法体制への支持が広がる」「『利益の政治』の時代(Who gets what?)」、
冷戦終盤期~ポスト冷戦初期は「新/自由主義の広がりと『改革の政治』の時代の始まリ」「『国際貢献』論の隆盛とアジア諸国との和解の模索」「9条明文改憲をひとまず棚上げした『憲法改革』論の隆盛と『護憲』論の退潮」、
ポスト冷戦期(グローバル資本主義の展開)は「実際には9条が隠された争点、戦後50年(1995)頃を境に『壊憲』的な動きへ」「自由主義(リベラリズム)と快を分かった新自由主義の暴走と、それを覆い隠すための『健全なナショナリズム』論の展開」「アメリカを盟主としたグローバル経済秩序の下、日本企業の権益を守るため、9条の縛りから自衛隊を解放し、日米安保同盟を強化」「対米従属の『愛国』というパラドックスから目を逸らすためのヘイト」というキーワードが添えられており、
最後に「戦後75年、誓いを新たに」として「グローバルな寡頭支配の拡散(トランプ、安倍、プーチン、習近平など)コロナ禍の中、むきだしになった貧困・経済格差、排外主義、差別や暴力」「対抗運動としての『名乗りの連帯』(I am Kenji、#MeToo、Black Lives Matter)」「『分断と支配のグローバリゼーション』vs.『連帯と共生のグローバリズム』」「ヘイトと分断を乗り越える他者性・隣人性に基づく『連帯の政治』は可能か」という言葉で結ばれている。
10月31日に行われた衆議院議員総選挙では、自由民主党が議席を276から261に減らしたものの、公明党が3議席増の32議席、日本維新の会が30議席増の41議席となり、結果として、残念ながら改憲勢力の議席が増えた。
講演の後、休憩を挟んで、よしだよしこさんと広瀬波子さんによるライブ「あなたに話しかけるのが希望」が行われた。
よしださんのヴォーカルとギター、広瀬さんのアイリッシュホイッスルとサックス。ウディ=ガスリー作曲の「Deportee(強制国外退去者)」、よしださん作曲の「高野くんの焼き鳥屋」「地球に似た惑星にいるあなたに」の3曲が歌われた。
「Deportee」は、1948年のアメリカ合州国とメキシコとの国境付近で起きた飛行機事故で死んだメキシコからの労働者達のことを歌った曲。
「高野くんの焼き鳥屋」は、東日本大震災の時に富岡町で被災した「高野くん」が、震災後、いわき駅のそばで営む焼き鳥屋を歌にしている。
「地球に似た惑星にいるあなたに」は石川逸子さんの詩に曲をつけたもの。
ライブの後、東京「君が代」裁判第五次訴訟原告団より特別報告があり、
集会の最後には「本日、10・23通達関連訴訟団・元訴訟団が大同団結し、『日の丸・君が代』強制に反対し、『憲法を変えさせず、誰も戦場に送らせない』運動を広げるために、『学校に自由と人権を!10・24集会』を開催しました。/集会に参加した私たちは、広範な教職員、保護者、労働者、市民の皆さんに『日の丸・君が代』強制と都教委の教育破壊を許さず、共に闘うことを呼びかけます。何よりも『子どもたちを再び戦場に送らない』ために!」との言葉で結んだアピールを採択した。
なお、集会の様子は、YouTubeの動画で見ることができる。
※ 【学校に自由と人権を!10・24集会】YouTube 動画
NO.1 https://youtu.be/DSDt4JQDyrU→実行委あいさつ(近藤)、講演・中野晃一さん
NO.2 https://youtu.be/IQZAahYhVQM→ライブ・よしだよしこさん、広瀬波子さん
NO.3 https://youtu.be/GcaDjOSwr-Q→特別報告・東京「君が代」裁判五次訴訟原告団(鈴木毅さん、田中聡史さんら)、集会アピール(五次原告・秋田さん)
『被処分者の会通信 136号』(2021年11月24日)
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