パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

Ultra-nationalist Tokyo boss

2012年11月06日 | 暴走する都教委
 ● 石原新党:英国メディアの伝え方(むささびジャーナル)
   尖閣を国有化した背景は国際的に周知できたかも。
Finance GreenWatch

 石原慎太郎さんの都知事辞任は英国メディアのサイトでもそれなりのスペースで伝えられています。私がチェックしたのはGuardian、Independent、Times、BBC、Telegraph、Daily Mailです。ちょっと興味深いのは保守派のTelegraphやDaily Mailのサイトが全く報道していないということだった。
 それぞれニュアンスや強弱の違いはあるけれど、伝えている事実にはほとんど違いはありません。「ニュアンスの違い」というのは、見出しの雰囲気がちょっとだけ違うと言う程度の意味です。
 △ Times: Ultra-nationalist Tokyo boss quits to form new political party
 △ Guardian: Tokyo governor quits to form new rightwing party
 △ Independent: Japan’s answer to Boris quits governship to challenge PM
 △ BBC: Tokyo governor Shintaro Ishihara quits to form new party
 Timesは石原さんのことを「東京の極右親分」と呼んでいます。

 Independentの見出しは英国のことに関心のない人には分からないかもしれない。Borisは現在のロンドン市長(Boris Johnson)のことで、キャメロンの後の首相の座を狙っていると言われている人物です。「ロンドン市長に捧げる日本の回答:知事なんて辞めて首相に挑戦しよう」というニュアンスです。この人も石原さんと似て言いたい放題であり、TelegraphやSpectatorのような保守的な新聞や雑誌への寄稿でも知られています。
 石原会見の報道の中身はほとんど同じなのですが、どの記事も尖閣諸島を政府が買い上げた(国有化)ことについて、尖閣が石原さんのような人の手に落ちることの危険性を考えた野田さんが「仕方なしに」国有化したと伝えています。
 Timesの東京特派員は次のように伝えています。

 △ In an effort to prevent him from using them as a platform for his nationalistic views, the Japanese Government intervened to buy the islands from their private owners ? a “nationalisation” that provoked rage and riots in China.
 △ 石原氏が自分の愛国思想を宣伝するために尖閣諸島を利用することを阻止する努力の一環として、日本政府が介入して島の持ち主から購入した。この「国有化」が中国の怒りと暴動を生むことになった。
 △ 会見における石原氏の発言では、「平和憲法の破棄」(to abandon the country’s postwar constitution)の部分が共通して取り上げられています。石原さんの過去の発言の紹介もほとんど同じです。
 △ 「東日本大震災は天罰」発言
 △ 戦争中の南京大虐殺の否定
 △ 日本の核武装
 △ 女性・同性愛者・フランス語に対する差別発言

 Timesの東京特派員が日本経験が最も長いと見えて、自分なりの見方を記事の中に散りばめているのが目立ちます。例えば次のような文章です。
 △ But why people most love, or hate, Mr Ishihara is for his un-Japanese habit of saying exactly what he thinks and expressing it in the most unpolitically correct terms.
 △ 石原氏が最も愛され、最も憎まれる理由は自分の思っていることををそのまま言葉にし、政治的に最も無難でない方法で表現してしまう、日本人らしからぬやり方にある。
 △ Many Tokyoites who disagree with the governor seem to tolerate his outspokenness precisely because it is such a rare thing in Japan’s vague and indirect political discourse.
 △ 石原氏と意見を異にする東京人がそれでも彼の歯に衣着せぬ言い方に寛容であるかのように見えるのは、漠然として間接的な政治発言が多い日本では、まさに彼のそのようなスタイルが極めてまれなものであることによるのである。
 ▼Timesの記者は、石原さんが嫌われ(愛され)るのは彼が歯に衣着せず思ったことを口にするから、と言っています。確かにそのように言う人もいますよね。それから「リーダーシップがある」という人もいる。両方とももっともらしく聞こえるけれど、問題は発言の中身であり、単に「オレについてこい!」というのがリーダーシップではないと思いますが。
 ▼「石原新党」をめぐるメディアの騒ぎについて、田中良紹というジャーナリストが「石原東京都知事辞職の憂鬱」というエッセイの中で
 ■一体日本のメディアはどこを見て何を判断しているのだろうか。「尖閣購入」という「茶番」を演じて行き詰まった政治家が、先の見通しもないまま次なる茶番に突き進んでいるだけではないか。
 ■と言っています。

 ▼石原さんは1968年~72年に参議院議員、1972年~95年までは衆議院議員を務めた後、「ほとんどの政治家は最も利己的で卑しい保身のためにしか働いていない。自身の罪科を改めて恥じ入り、国会議員を辞職させていただく」と言って国政を去ったのですよね。田中さんのエッセイは、故松野頼三氏の言葉として、石原氏について「後ろ足で砂をかけていった男が永田町に戻れるはずがない」と言っていたことを紹介、「永田町には同じ思いの政治家が多いはずだ」と言っています。そして
 ■永田町に戻っても都知事時代のような振る舞いが出来ない事は石原氏も良く知っているはずである。しかし石原氏は戻らざるをえないところに追い込まれた。すべては去年(2011年)出るつもりのなかった4期目の都知事選に「息子の事情」で出馬し、そして今年の自民党総裁選挙で「息子を総裁」にするために尖閣問題を利用したところにある。それは政治と言うより我欲の世界の話ではないか。
 ■と言っている。

 ▼田中さんのいわゆる「息子の事情」については、むささびの鳴き声でも触れています。村上正邦元参議院議員は亀井静香さんや平沼赳夫さんらとともに「石原新党構想」の立ち上げにかかわっていたのだそうですが、石原さんが記者会見を開く約1週間前、自分のブログで次のように語っています。
 ■(石原新党)構想は、亀井静香氏や平沼赳夫氏らが中心になって、政界再編をめざしたもので、7回の会合をへて、綱領をまとめ、石原氏の決断を仰いだところで、凍結されたままになっています。その過程で、一緒にやろう、白紙に戻す、尖閣が先と、言を左右にして、石原新党の旗の下に結集しようとした同志たちを翻弄してきました。国政に復帰するなら、その前に、石原氏みずから、石原新党構想を総括して、7回の会合に参加した国会議員有志の誠意に応えるべきでしょう。それが、最低の礼儀で、礼を欠いて、どうして、同志の絆を結べるでしょう。 ■
 ▼つまり石原さんはやることなすことが支離滅裂・自分勝手なのでとても一緒になどやってられないってことのようです
『Finance GreenWatch』(November 4th, 2012)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=21033
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