◆ "君が代"不起立処分取消し訴訟 東京地裁
~河原井さんと分断判決、根津さんの停職6か月処分を是認 (週刊新社会)
都教委贔屓の春名茂判決を、地裁前で糾弾する根津さん(左)と河原井さんら(筆者撮影)
2009年3月の卒業式での"君が代"不起立で、東京都教育委員会から停職6か月の懲戒処分にされた根津公子・河原井純子両元都立特別支援学校教諭の処分取消し訴訟で、東京地裁・春名茂裁判長は5月24日、根津さんの訴えを全て退ける判決を出した。
一方、減給以上の処分は「重きに失し社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え違法」と判じ、取消しを命じた12年1月の最高裁判決(戒告は容認)に沿い、河原井さんの停職は取消しを命じた(国賠法上の損害賠償は認めず)。
07年3月の卒業式不起立処分に対しては15年5月、東京高裁・須藤典明裁判長が、「都の条例で停職処分の上限は6か月」という事実を挙げ「自らの思想・信条を捨てるか、教員の身分を捨てるかの二者択一を迫られ、憲法が保障する思想・良心の自由の侵害につながる」と判じ、河原井さん・根津さんとも処分を取消し、都教委に対し慰謝料支払いも命じる判決を出し、16年5月、最高裁で確定している。
しかし春名判決は、根津さんについては計6回の不起立以外の「過去の処分歴」(94年のポールの国旗引き下ろし、05年の再発防止研修時のゼッケン着用)を持ち出し、「積極的に式典や研修の進行を妨害する行為」と決め付けた。
そして、08年3月の不起立処分訴訟の地裁判決(17年5月)で反映済みの「卒業式でない普段の勤務日、作業着として"日の君強制反対"の服を着ていた件」まで加え、「学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点から、・・・停職処分の相当性を基礎付ける具体的な事情があったものと認める」と判じた。
根津さんは閉廷後、「結論ありきの判決だ。不起立行為ではなく、私の人格を裁いた。控訴する」と語った。
『週刊新社会』(2018年6月19日号)
~河原井さんと分断判決、根津さんの停職6か月処分を是認 (週刊新社会)
永野厚男・教育ライター
都教委贔屓の春名茂判決を、地裁前で糾弾する根津さん(左)と河原井さんら(筆者撮影)
2009年3月の卒業式での"君が代"不起立で、東京都教育委員会から停職6か月の懲戒処分にされた根津公子・河原井純子両元都立特別支援学校教諭の処分取消し訴訟で、東京地裁・春名茂裁判長は5月24日、根津さんの訴えを全て退ける判決を出した。
一方、減給以上の処分は「重きに失し社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え違法」と判じ、取消しを命じた12年1月の最高裁判決(戒告は容認)に沿い、河原井さんの停職は取消しを命じた(国賠法上の損害賠償は認めず)。
07年3月の卒業式不起立処分に対しては15年5月、東京高裁・須藤典明裁判長が、「都の条例で停職処分の上限は6か月」という事実を挙げ「自らの思想・信条を捨てるか、教員の身分を捨てるかの二者択一を迫られ、憲法が保障する思想・良心の自由の侵害につながる」と判じ、河原井さん・根津さんとも処分を取消し、都教委に対し慰謝料支払いも命じる判決を出し、16年5月、最高裁で確定している。
しかし春名判決は、根津さんについては計6回の不起立以外の「過去の処分歴」(94年のポールの国旗引き下ろし、05年の再発防止研修時のゼッケン着用)を持ち出し、「積極的に式典や研修の進行を妨害する行為」と決め付けた。
そして、08年3月の不起立処分訴訟の地裁判決(17年5月)で反映済みの「卒業式でない普段の勤務日、作業着として"日の君強制反対"の服を着ていた件」まで加え、「学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点から、・・・停職処分の相当性を基礎付ける具体的な事情があったものと認める」と判じた。
根津さんは閉廷後、「結論ありきの判決だ。不起立行為ではなく、私の人格を裁いた。控訴する」と語った。
『週刊新社会』(2018年6月19日号)
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