パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

障害児学校の現場から あらためて教育の自由を問う<1>

2012年08月08日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 寄宿舎で子どもたちも変わるが、一番変わるのは親です
 (略) 今号では、一般には知られる機会の少ない障害児学校(特別支援学校)を取り上げました。特に3つの問題にしぼり、該当校の現場の教員に大いに語ってもらいました。3つの問題とは、教育を介護とみなし、教員を減らして導入されている学校介護職員、学校の機能をマヒさせかねない巨大規模の学校、重要な生活と教育の場である寄宿舎の廃舎です。
 (略)
 特別企画座談会
 座談会は当会のHさんの進行で進められました。参加者は寄宿舎指導員のAさん、特別支援学校教員のBさん、Cさん。特別支援学校の現状についてお聞きしました。
 (略)

-東京は特別支援学校も学区域があるんですね?それぞれの学区に一つは寄宿舎があるんですか?
C いやそんなには無いです。行政はそこまで子どものことは考えていないですよ。

-寄宿舎で子どもたちはどうかわりますか?

A 子どもは確かにいろんなことができるようになります。今僕は盲学校だけど、盲学校のお子さんにいろんな技術を教えていけばね、今までお母さんがやってくれてたことを手探りしながらいろいろできるようになるんです。
 布団も敷けるようになるし、洋服も間違いなく確認しながら着るようになるし、お風呂の入り方でもトイレの仕方でも。それは盲学校の先生としていろんなこと知っているから、例えば洋服のタグは左側にあるからとか、シヤンプーとリンスは横にブツブツがあるからどっちがシャンプーだとか。
 でも一番変わるのはですよ、子どもの見方が変わってくる。わが子がこんなに伸びるんだと。
 親は自分の子だけ見てて、この子は障害があってかわいそうだから、いろんなことやってあげなきゃいけないと全部やってたことがね、寄宿舎に入ると、私たちと話をしてこんなことも、こんなこともと、親がどんどん変わっていきます
 きょうだいがいる親は特にですよね、今までこの子だけを見ていた親が、他のきょうだいのことを見たり、家族の方を見たり、自分の将来のことを見たりと。だから親が寄宿舎をなくさないでほしいと一緒に運動してくれるんです。なくさないでほしいと請願をしたり。
-寄宿舎が減って困ったことは?

A 一番困ってるのは多分それぞれの区の行政だと思う。江戸川の寄宿舎がなくなった時は葛飾とか江戸川の役所に殺到したからね。一時保護だなんだってね。
C ショートステイとか緊急一時保護とか高齢者が利用しているようなものが、障害児に対しても、行政のサービスとしてあるんですよ。寄宿舎で教育的な部分も合わせてやっていたのを預かりの部分、福祉の部分だけでね、代替するとしたらそこしかないですよね。
H でも質は違いますよね、福祉と教育は。教育は力をつける、伸ばすというのが基本にあるけど、福祉サービスだととにかくやってあげるということ。
C 区でもそんなにたくさん入れるわけじゃないから、3人とか1週間とか限定ですけどね。でも預かってもらう場所がないと、区に殺到するしかない。
A あと、家族にしわ寄せいっているってことがものすごくありますよ。おじいちゃん、おばあちゃん上京してくるなんてのが、すごくありますから、
-寄宿舎で力をつければ卒業後も一定自立して、べったり行政のお世話にならずに済むかもしれないのに、そうしていない?
C それは教育行政の仕事ではないと東京都は考えているんでしょうね。それは家族がやればいいと。行政にとって、それによって福祉にお金がかかるようになっちゃうというのは多分そろばんの外の話なんでしょうね。
 (続)

『リベルテ(東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース)』第28号 2012年7月21日より
コメント    この記事についてブログを書く
« 橋下メッセージについて疑問... | トップ | 明日、「都庁で平和学習」集... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日の丸・君が代関連ニュース」カテゴリの最新記事