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卒業式処分抗議!再発防止研修中止!都教委要請(1)被処分者の会

2016年04月23日 | 日の丸・君が代関連ニュース
◎ 要 請 書

2016年4月22日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団
共同代表 岩木俊一  星野直之

 東京都教育委員会
 教育長 中井敬三 殿


 <要請の趣旨>
 1.東京都教育委員会(以下、都教委という)は、本会の「卒業式に係わり10.23通達に基づく新たな懲戒処分を決定しないこと」「卒業式で処分を受けた教職員を対象とした『服務事故再発防止研修』を行わないこと」(3月15日)等の要請に回答することなく、都立高校教職員3名の懲戒処分(戒告処分)を発令(3月25日)し、更に退職者(3月31日付)を除く教員2名の「再発防止研修」を強行した(4月5日)。
 これに続いて、都教委第6回定例会(4月14日)で石神井特別支援学校の卒業式(3月24日)に係わり、教員1名の懲戒処分(減給10分の1・1月)を決定し、処分発令を強行した(4月15日)。また処分発令と同時に、同教員に対して服務事故再発防止研修(5月11日)の受講命令を発した。
 これにより10.23通達(2003年)に基づく処分者数は延べ478名となった(2013年12月17日付・2015年3月30日付・2015年4月28日付「再処分」、を含む)。
 私たちの要請に回答もせず、都立高校教職員の卒業式処分(3月25日)及び再発防止研修(4月5日)を強行したこと、また特別支援学校教員への卒業式処分発令(4月15日)及び再発防止研修受講命令(5月11日)に対し改めて厳重に抗議する。
 2.都教委は、「卒業式等の式典において国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、最高裁判決で繰り返し認められているところであり、職務命令違反があった場合には、個々の事案の状況に応じて厳正に対処します。」(2016年4月5日付「回答」など)と常に同じ文言で、最高裁判決を懲戒処分の根拠としているが、これは、以下に述べる通り最高裁判決を意図的に曲解するものである。
 3.最高裁判決(2012年1月16日、2013年9月6日)では、「合憲」という文言は用いておらず、「本件職務命令が憲法19条に違反するものでない」としているが、起立斉唱行為が、「思想及び良心の自由」の「間接的制約」であることを認め、「戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては,本件事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が必要」「処分の選択が重きに失し、社会観念上著しく妥当を欠き、・・・懲戒権者の裁量権の範囲を超え・・・、違法」として減給、停職の懲戒処分を取り消している。最高裁が、都教委による従来の累積加重処分に歯止めをかけたのである。
 また上記最高裁判決では、戒告を含むすべての処分を違憲・違法とする反対意見(宮川光治裁判官 2012年1月16日)の他に、教育環境の悪化を危惧して、「教育の現場において…自由で闊達な教育が実施されていくことが切に望まれるところであり、全ての関係者によってそのための具体的な方策と努力が真摯かつ速やかに尽くされていく必要がある」という補足意見(櫻井龍子裁判官 2012年1月16日)、「謙抑的な対応が教育現場における状況の改善に資するものというべき」と述べ、教育行政による硬直的な処分に対して反省と改善を求めている補足意見(鬼丸かおる裁判官 2013年9月6日)などが存在する。都教委の強権的な姿勢は、最高裁判決をないがしろにするものである。
 また、都教委は、この間の卒業式・入学式で職務命令違反を理由に特別支援学校教員に対して減給10分の1・1月の懲戒処分を科している。しかも上記「回答」に見られるように、都教委は最高裁判決を自己に都合良く恣意的に解釈して減給を含む処分を乱発しており、直ちに違法な処分を撤回すべきである。
 4.都教委は、上記特別支援学校教員に「服務事故再発防止研修」(5月11日)の受講を命令した。2012年から質量ともに強化した服務事故再発防止研修は、被処分者(受講者)を精神的・物理的に圧迫し、執拗に追い詰め「思想改造」を迫るものである。これは、「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性がある」とした東京地裁決定(2004年7月)にも反している。私たちは、憲法違反の再発防止研修の即時中止を要求するものである。
 5.私たちは、これまで「都教育庁関係部署の責任ある職員と被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を設定すること」を繰り返し要請してきた。しかるに都教委は、「そのような考えはありません。なお、団体からの要請等については、総務部教育情報課を通じて御意見等をお聞きするとともに、必要に応じて回答をしているところです。」(4月5日付)と一貫して話し合いを拒否して問題解決の努力を放棄している。
 7.都教委は、「本要請書を教育委員会で配布し、慎重に検討・審議し、回答すること。」との要請(3月15日)に対して、「教育委員会への報告及び教育委員会での審議は行いません。」と「回答」している。これは、係争中の事案の当事者である原告団の要請すら教育委員会に伝えないというものであり、都民の請願権を妨害するものである。10.23通達(2003年)から12年以上経ち、同通達発出時の教育委員は一人もいなくなっている。私たちの要請を教育委員全員に伝え、同通達に係わる懲戒処分について同委員会で真摯かつ慎重に議論し、これまでの教育行政及び10.23通達を見直すことを強く求めるものである。
 8.「卒業式に係わり事情聴取を行う際に、当該の教員が弁護士の同席を求めたのに対し、入口で対応した都教委職員が、弁護士及び当該の教員に職氏名も名乗らず、問いにも答えようとしないなど社会常識に反する非礼な態度であった。このことに関して職員課長の見解を求める。」との要請(追加項目)(3月15日)に対して、都教委は、「教職員の服務事故に係る事情聴取において、弁護士の立会いは認めていません。」と「回答」しているが、要請に対して全く正対していない。改めて誠意ある回答を求める。
 以上の趣旨から、以下の諸点を申し入れる。

 <要請事項>
1 10・23通達を撤回すること。また、同通達に基づく一切の懲戒処分を撤回すること。
2 最高裁判決、地裁・高裁判決で取り消しが確定した違法な処分を行ったことを原告らに謝罪し、都民に明らかにすること。また、再発防止策を講じること。
3 5月11日に予定している特別支援学校教員に対する「服務事故再発防止研修」を行わないこと。
4 研修対象者(同教員)に受講前報告書の作成を強要しないこと。

5 都教育庁関係部署(人事部職員課、指導部指導企画課、指導部高校教育指導課、教職員研修センター研修センター研修部教育経営課など)の責任ある職員と該当者及び被処分者の会・同弁護団との話し合いの場を研修実施予定日(5月11日)の前に設定すること。
6 本要請書を教育委員会で配布し、慎重に検討・審議し、回答すること。

7 「卒業式に係わり事情聴取を行う際に、当該の教員が弁護士の同席を求めたのに対し、入口で対応した都教委職員が、弁護士及び当該の教員に職氏名も名乗らず、問いにも答えようとしないなど社会常識に反する非礼な態度であった。このことに関して職員課長の見解を求める。」との要請(3月15日 追加項目)に対して、改めて誠意ある回答をすること。
 2016年4月22日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団
  共同代表  岩木 俊一  星野 直之

 <連絡先> 同会・同原告団事務局長 近藤 徹
 <回答期限> 2016年5月9日(月)。上記近藤までFAX及び文書で回答すること。
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