《東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース 裁判報告》
◆ 二次訴訟控訴審がいきなり結審!・10月31日に判決言い渡しとなる。
「報告集会」 《撮影:平田 泉》
昨年6月に控訴した二次訴訟の第一回口頭弁論がようやく7月20日に開かれましたが、予定されていた弁論(後述)が一段落したところで、裁判長は10分間の休廷を宣言、再開後にいきなり結審を宣言し、判決言い渡し日を通告して閉廷しました。
この予想外の裁判所の対応に法廷内はどよめき、弁護団から異議を申し立てる声も出ましたが、裁判官はそのまま退廷したのです。
ところで裁判所の説明は、以下のようなものでした。
①本訴訟の争点は、「10・23通達が違憲違法であるか否か」「懲戒処分が地公法違反として成立するか否か」「懲戒処分の内容が裁量権逸脱濫用にあたるか否か」の三つであると整理した。
②このことについて、控訴理由書等によって双方の主張を提出してもらったが、その後、先行する関連訴訟の最高裁判決が出る状況となったため、これらの判断を見た上で、書面による新たな主張、反論、立証等を双方に求め、それらに応じてもらったところである。
③これらの書面は、6月末日までの提出を求め、7月3日までには双方の書面が提出済みとなっているため、双方の主張はその段階で尽くされていると考える。よって、控訴人側からは7月11日付けで人証に関する意見書面が出ているが、これについては却下する。
④本訴訟に対する裁判所の判決は、10月31日に言い渡す。
◆ 教育裁判としての慎重な審理、そして新たな憲法判断を求めた、控訴人らの弁論
今回の法廷では、控訴人(原告)2名と代理人弁護士3名が口頭意見陳述を行いました。そしてその内容は、この事件の本質を見据えた審理を裁判官に要請するものでした。
2名の控訴人は、10・23通達が被処分者のみならず教員集団全体を抑圧し、蝕んでいること、そして教育現場の荒廃を招いている現況と。また、処分と再発防止研修によって、被処分者が多大な苦しみに直面していることなどについて語りました。
そして3名の弁護士は、
①先の最高裁判決は19条以外の憲法判断は避けていること、また19条に関する判断も十分に納得できる説明には到底なっておらず、今後の検討が待たれていること、そして本審理がその役割を果たすべきこと。
②原審の10・23通達と職務命令に関する事実認定は重大な誤りがあり、通達の違法性に関する判断の誤りを導いていること。
③裁量権逸脱濫用に関する最高裁の判断について、都教委はそれを曲解してあり得ない主張・立証(処分後の態度を問題化)をしているが、それは失当であること。また、都教委が再発防止研修に関して主張している内容を見ると、都教委自らが本件処分と研修を通じて教員の思想改造を図ろうとしてきたことが明白で、この事件の本質を浮き彫りにしていること、などについて語りました。
これらは、裁量権逸脱濫用論のみに矮小化せずに教育裁判としての審理を求める控訴人らの強いメッセージとなって伝わるかに見えたのですが、その後、冒頭のような展開になっていったということです。
東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース
『エデュカシオン エ リベルテ』(2012/7/21 第28号)から
◆ 二次訴訟控訴審がいきなり結審!・10月31日に判決言い渡しとなる。
「報告集会」 《撮影:平田 泉》
昨年6月に控訴した二次訴訟の第一回口頭弁論がようやく7月20日に開かれましたが、予定されていた弁論(後述)が一段落したところで、裁判長は10分間の休廷を宣言、再開後にいきなり結審を宣言し、判決言い渡し日を通告して閉廷しました。
この予想外の裁判所の対応に法廷内はどよめき、弁護団から異議を申し立てる声も出ましたが、裁判官はそのまま退廷したのです。
ところで裁判所の説明は、以下のようなものでした。
①本訴訟の争点は、「10・23通達が違憲違法であるか否か」「懲戒処分が地公法違反として成立するか否か」「懲戒処分の内容が裁量権逸脱濫用にあたるか否か」の三つであると整理した。
②このことについて、控訴理由書等によって双方の主張を提出してもらったが、その後、先行する関連訴訟の最高裁判決が出る状況となったため、これらの判断を見た上で、書面による新たな主張、反論、立証等を双方に求め、それらに応じてもらったところである。
③これらの書面は、6月末日までの提出を求め、7月3日までには双方の書面が提出済みとなっているため、双方の主張はその段階で尽くされていると考える。よって、控訴人側からは7月11日付けで人証に関する意見書面が出ているが、これについては却下する。
④本訴訟に対する裁判所の判決は、10月31日に言い渡す。
◆ 教育裁判としての慎重な審理、そして新たな憲法判断を求めた、控訴人らの弁論
今回の法廷では、控訴人(原告)2名と代理人弁護士3名が口頭意見陳述を行いました。そしてその内容は、この事件の本質を見据えた審理を裁判官に要請するものでした。
2名の控訴人は、10・23通達が被処分者のみならず教員集団全体を抑圧し、蝕んでいること、そして教育現場の荒廃を招いている現況と。また、処分と再発防止研修によって、被処分者が多大な苦しみに直面していることなどについて語りました。
そして3名の弁護士は、
①先の最高裁判決は19条以外の憲法判断は避けていること、また19条に関する判断も十分に納得できる説明には到底なっておらず、今後の検討が待たれていること、そして本審理がその役割を果たすべきこと。
②原審の10・23通達と職務命令に関する事実認定は重大な誤りがあり、通達の違法性に関する判断の誤りを導いていること。
③裁量権逸脱濫用に関する最高裁の判断について、都教委はそれを曲解してあり得ない主張・立証(処分後の態度を問題化)をしているが、それは失当であること。また、都教委が再発防止研修に関して主張している内容を見ると、都教委自らが本件処分と研修を通じて教員の思想改造を図ろうとしてきたことが明白で、この事件の本質を浮き彫りにしていること、などについて語りました。
これらは、裁量権逸脱濫用論のみに矮小化せずに教育裁判としての審理を求める控訴人らの強いメッセージとなって伝わるかに見えたのですが、その後、冒頭のような展開になっていったということです。
東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース
『エデュカシオン エ リベルテ』(2012/7/21 第28号)から
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