《月刊救援から》
◆ 米軍はコロナをまき散らすな!
今年こそ辺野古の工事を中止させよう!
◆ 沖縄で米軍からコロナ感染が拡大
またもや沖縄で米軍からコロナ感染が拡大してきている。一二月初旬に米国から来沖したキャンプハンセン所属の海兵隊員にクラスターが発生したのだ。その数は二五日現在で二五五名というとんでもない状況だ。そして同基地に勤務する日本人従業員が県内で初のオミクロン株に感染していたことも分かった。
であれば、同基地の海兵隊のコロナもオミクロン株の可能性があるが、基地内にはゲノム解析をする機器はなく、米軍は日本国内で検査することを個人情報保護を理由に拒否しているという。検体をハワイに送って検査する場合二週間はかかるとされ、その間対応が遅れる可能性がある。
そもそも、海兵隊員は出入国の際PCR検査を行っていなかった。
米兵は日米地位協定によって自由に日本国内に出入り出来るため、政府の「水際作戦」は全く機能しない。
昨年夏、米軍基地からコロナ感染が拡大した際、米兵の出入国時の検査が約束されたはずだが実際は野放し状態だったのだ。
米兵はマスクもしないで市中を飲み歩いていた。すでに沖縄県内に、感染力が大きいとされるオミクロン株が広がっていることが考えられる。
米軍によるコロナ感染は沖縄だけでなく、横須賀や岩国の米軍基地でも確認されている。日本を従属国としか考えていない米軍がいる限りこうした事態は繰り返し発生する。
しかし日本政府は今回でも、「遺憾の意」を表明し、米軍に検査や外出自粛をお願いするだけで全く及び腰だ。
沖縄の感染確認者数も再び増加してきている。一二月三〇日は五〇人だ。同日東京は六四人だったが、人口比では東京で五〇〇人確認されたという数だ。
直前一週間の一〇万人当たりの感染者数も沖縄は全国一だ。米軍によるコロナまき散らしを許してはならない。
◆ 国全体の予算が増える中、沖縄振興予算は11%減の差別的取扱い
一方、沖縄県に対する差別的な取り扱いが明らかになった。来年度の沖縄振興予算額が今年度から約三三〇億円・一一%減の二六八○億円となったのだ。国全体の予算が今年度を上回る中でこの大幅な減額は異常だ。
来年には知事選があり、「基地反対の知事では国から金を引き出せない」という、沖縄振興と米軍基地問題を結びつける「リンク論」による沖縄へのあからさまな締め付け、いやがらせ以外の何物でもない。
ただ、「沖縄振興予算」に対しては「他県よりも上乗せして貰っている」という誤解が未だにある。これも「本土」の沖縄への無知の例だが、沖縄への国庫支出金は、他県とほとんど変わらない。
戦後長く米国の施政権下にあった沖縄が「復帰」する際、沖縄の振興と、予算要求に不慣れな県に代わって内閣府が一括して要求することにする「振興特別措置法」が制定、一〇年ごとに更新がされ現在に至っている。しかし、今年度が期限を迎える同法を五年期限とする案が自民党側から出ており、これもまた揺さぶり、嫌がらせとも言える。
県独自の予算要求活動力が育たず「依存性」が払しょく出来ないという問題点も指摘されるが、基地とリンクした削減は論外であり、別の議論が必要だ。
◆ 各地で「不承認」支持の行動
玉城デニー沖縄県知事の設計変更申請不承認の決定に対しては、沖縄現地は当然として、翌日の私たち辺野古実呼びかけの国会前行動を始め、「本土」の各地で、不承認支持の行動が取り組まれてきた。
一週間後の一二月三日には、オール沖縄会議の県庁前での支持行動に呼応した「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会と戦争させない・九条壊すな!総がかり実行委員会呼びかけの官邸前行動が約五〇〇名の参加で行われた。
辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(埋めるな!連)のまとめでは、一二月二五日現在で、沖縄を除く一二都道府県の四〇か所でスタンディングや集会などが行われた。他にもどこかで行われているかも分からない。
国会包囲実行委員会が呼びかけたブルーアクションの一環としての「辺野古の海を象徴するブルーを身に着け、各地で「不承認」支持を写真や動画で意思表示!」には、恐らく二〇〇〇名を超える人々が参加した三〇〇を超える画像が、オール沖縄会議のホームページに掲載された。
また、埋めるな!連が呼びかけたネット署名キャンペーン(Change.org)には一ヶ月で五万筆を超える賛同が集まった。署名はプリントとされて一月中旬、玉城知事に届けられるという。
不承認に対しては防衛局が「私人」に成りすまして身内の国土交通大臣に「行政不服審査」を請求するという茶番を演じている。今後司法の場に持ち込まれることになるが、不承認支持の大きなうねりを政府・防衛省にぶつけていく大衆運動の役割も大きい。国会での追及も支えていく必要もある。
◆ 本年は沖縄の「本土復帰」五〇年
本年は沖縄の「本土復帰」五〇年に当たる。政府は大々的な記念行事を行うだろうが、「本土」の私たちは、この「復帰」が本当に沖縄の人々が望んだ成果を生んだのか、この五〇年間、沖縄の現実に目を向け、私たち自身の問題、課題として考えてきたのだろうか。
近年強まってきている、沖縄の将来は沖縄自身が決める、という自己決定権実現要求をどのように受け止めていくのか。そうしたことが問われる年になるだろう。前号で私が触れた「基地引き取り論」をどう捉えるかも含め、重要な岐路に立っている。
また本年は、選挙の年でもある。一月の名護市長選、夏の参議院選、秋の沖縄知事選など沖縄の未来を決する重要な選択が待っている。それに対し、「本土」=ヤマトの私たちはどんな支援が出来るのか、それも大きな課題だ。ヤマトの責任において共に闘おう。(中村利也/辺野古への基地建設を許さない実行委員会)
『月刊救援 633号』(2022年1月10日)
◆ 米軍はコロナをまき散らすな!
今年こそ辺野古の工事を中止させよう!
◆ 沖縄で米軍からコロナ感染が拡大
またもや沖縄で米軍からコロナ感染が拡大してきている。一二月初旬に米国から来沖したキャンプハンセン所属の海兵隊員にクラスターが発生したのだ。その数は二五日現在で二五五名というとんでもない状況だ。そして同基地に勤務する日本人従業員が県内で初のオミクロン株に感染していたことも分かった。
であれば、同基地の海兵隊のコロナもオミクロン株の可能性があるが、基地内にはゲノム解析をする機器はなく、米軍は日本国内で検査することを個人情報保護を理由に拒否しているという。検体をハワイに送って検査する場合二週間はかかるとされ、その間対応が遅れる可能性がある。
そもそも、海兵隊員は出入国の際PCR検査を行っていなかった。
米兵は日米地位協定によって自由に日本国内に出入り出来るため、政府の「水際作戦」は全く機能しない。
昨年夏、米軍基地からコロナ感染が拡大した際、米兵の出入国時の検査が約束されたはずだが実際は野放し状態だったのだ。
米兵はマスクもしないで市中を飲み歩いていた。すでに沖縄県内に、感染力が大きいとされるオミクロン株が広がっていることが考えられる。
米軍によるコロナ感染は沖縄だけでなく、横須賀や岩国の米軍基地でも確認されている。日本を従属国としか考えていない米軍がいる限りこうした事態は繰り返し発生する。
しかし日本政府は今回でも、「遺憾の意」を表明し、米軍に検査や外出自粛をお願いするだけで全く及び腰だ。
沖縄の感染確認者数も再び増加してきている。一二月三〇日は五〇人だ。同日東京は六四人だったが、人口比では東京で五〇〇人確認されたという数だ。
直前一週間の一〇万人当たりの感染者数も沖縄は全国一だ。米軍によるコロナまき散らしを許してはならない。
◆ 国全体の予算が増える中、沖縄振興予算は11%減の差別的取扱い
一方、沖縄県に対する差別的な取り扱いが明らかになった。来年度の沖縄振興予算額が今年度から約三三〇億円・一一%減の二六八○億円となったのだ。国全体の予算が今年度を上回る中でこの大幅な減額は異常だ。
来年には知事選があり、「基地反対の知事では国から金を引き出せない」という、沖縄振興と米軍基地問題を結びつける「リンク論」による沖縄へのあからさまな締め付け、いやがらせ以外の何物でもない。
ただ、「沖縄振興予算」に対しては「他県よりも上乗せして貰っている」という誤解が未だにある。これも「本土」の沖縄への無知の例だが、沖縄への国庫支出金は、他県とほとんど変わらない。
戦後長く米国の施政権下にあった沖縄が「復帰」する際、沖縄の振興と、予算要求に不慣れな県に代わって内閣府が一括して要求することにする「振興特別措置法」が制定、一〇年ごとに更新がされ現在に至っている。しかし、今年度が期限を迎える同法を五年期限とする案が自民党側から出ており、これもまた揺さぶり、嫌がらせとも言える。
県独自の予算要求活動力が育たず「依存性」が払しょく出来ないという問題点も指摘されるが、基地とリンクした削減は論外であり、別の議論が必要だ。
◆ 各地で「不承認」支持の行動
玉城デニー沖縄県知事の設計変更申請不承認の決定に対しては、沖縄現地は当然として、翌日の私たち辺野古実呼びかけの国会前行動を始め、「本土」の各地で、不承認支持の行動が取り組まれてきた。
一週間後の一二月三日には、オール沖縄会議の県庁前での支持行動に呼応した「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会と戦争させない・九条壊すな!総がかり実行委員会呼びかけの官邸前行動が約五〇〇名の参加で行われた。
辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(埋めるな!連)のまとめでは、一二月二五日現在で、沖縄を除く一二都道府県の四〇か所でスタンディングや集会などが行われた。他にもどこかで行われているかも分からない。
国会包囲実行委員会が呼びかけたブルーアクションの一環としての「辺野古の海を象徴するブルーを身に着け、各地で「不承認」支持を写真や動画で意思表示!」には、恐らく二〇〇〇名を超える人々が参加した三〇〇を超える画像が、オール沖縄会議のホームページに掲載された。
また、埋めるな!連が呼びかけたネット署名キャンペーン(Change.org)には一ヶ月で五万筆を超える賛同が集まった。署名はプリントとされて一月中旬、玉城知事に届けられるという。
不承認に対しては防衛局が「私人」に成りすまして身内の国土交通大臣に「行政不服審査」を請求するという茶番を演じている。今後司法の場に持ち込まれることになるが、不承認支持の大きなうねりを政府・防衛省にぶつけていく大衆運動の役割も大きい。国会での追及も支えていく必要もある。
◆ 本年は沖縄の「本土復帰」五〇年
本年は沖縄の「本土復帰」五〇年に当たる。政府は大々的な記念行事を行うだろうが、「本土」の私たちは、この「復帰」が本当に沖縄の人々が望んだ成果を生んだのか、この五〇年間、沖縄の現実に目を向け、私たち自身の問題、課題として考えてきたのだろうか。
近年強まってきている、沖縄の将来は沖縄自身が決める、という自己決定権実現要求をどのように受け止めていくのか。そうしたことが問われる年になるだろう。前号で私が触れた「基地引き取り論」をどう捉えるかも含め、重要な岐路に立っている。
また本年は、選挙の年でもある。一月の名護市長選、夏の参議院選、秋の沖縄知事選など沖縄の未来を決する重要な選択が待っている。それに対し、「本土」=ヤマトの私たちはどんな支援が出来るのか、それも大きな課題だ。ヤマトの責任において共に闘おう。(中村利也/辺野古への基地建設を許さない実行委員会)
『月刊救援 633号』(2022年1月10日)
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