=東京「君が代」裁判三次訴訟 再処分抗議=
◎ 集会アピール
◎ 集会アピール
2015年5月26日
本日、私たちは東京教育委員会による不当な再処分に抗議し、厳しい教育現場で奮闘する現職教職員に心からの連帯の意思を表明するため、ここに集いました。
2003年の「10・23通達」発出以来、自らの尊厳と教育の自由を守るために職務命令に従うことを拒み、処分された教職員は、2015年4月までで延474名に達しています。
2012年、13年、最高裁は「機械的累積加重処分は裁量権の逸脱濫用」と判示し、32件の処分を取り消しました(他に1件、地裁で処分取消し確定)。さらに、多くの最高裁判事が、命令と処分の繰り返しにより自由闊達な教育が失われることを憂慮し、全ての教育関係者の真摯な話し合いこそが問題解決の道筋であると強調しました。
しかし、都教委は強権的な姿勢を改めず、2013年12月、東京「君が代」裁判二次訴訟で減給・停職処分取消しが確定した21名の内、現職7名に、改めて戒告処分を科しました。(再処分)
2015年1月16日に一審判決を迎えた東京「君が代」裁判三次訴訟では、勝訴した26名31件の停職・減給処分の内、21名23件の減給処分取消しについて都教委は控訴を断念しました。違法な処分であったことを自ら認めたわけです。
ところが、その後都教委が速やかに行ったのは、原告への謝罪や処分取消しの事実の公表ではなく、原告の内現職9名への非常識な事情聴取と再処分でした。「なぜ司法から違法と断罪されたのか。同じ過ちを繰り返さないためにはどうしたらよいのか。」と、自省する様子は全く見られません。
処分が取消されるまでの6~8年間、被ったのは経済的な不利益だけではありません。受ける必要の無かった専門研修を受講させられる、業績評価を下げられる、卒業学年の担任を外される、何度希望しても担任になれない、生徒の門出を式場で一緒に祝えない、短期間で不本意な異動を繰り返す等々、教員としての能力を十分に発揮できない苦しい日々が続きました。
その精神的苦痛に対する損害賠償は認められず、且つ、規則改訂により経済的不利益が拡大した戒告処分を科されるというのは、実質的な二重処分に他なりません。この不条理を私たちは許すことができません。都教委に断固抗議します。
当事者は人事委員会に不服審査請求し、処分撤回を求めていきます。三次訴訟控訴審及び四次訴訟では、戒告を含む全ての処分取消しを是非とも勝ち取り、再処分の根拠を突き崩していきます。
12年前、偏狭な石原都政の下で始まった教育への攻撃は、安倍政権が推し進める「教育再生」の名で、今や全国に及んでいます。
教科書から博物館から歴史の真実が消され、一部の政治家と大企業の利益のみに奉仕する人材育成が教育の目的になりつつあります。学問研究の分野もその例外ではありません。この国から知性と理性が一掃され、国際社会から孤立した真空地帯になっていく怖れを感じます。
しかし、私たちは諦めるわけにはいきません。諦めは、生徒に対して加害者になることを意味しています。教育が、一人一人の可能性を引き出し未来を切り開く希望ある営みであり続けるように、ともに力を合わせて歩んでいきましょう。
東京「君が代」裁判三次訴訟 再処分抗議集会 参加者一同
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