「奉仕」についての都教委要請(概要)
2007年3月19日
都高教 河合副委員長、片山副委員長、横川執行委員、菅執行委員、職場代表
都教委 高野高校教育指導課長、宮本主任指導主事
205分会の職場決議を提出した後、職場を代表して4人が発言し、以下のような「奉仕」についての要請を行いました。
●都高教
都高教は、学習指導要領にもない「東京都設定教科・科目」を設定し、「奉仕必修化」を導入することに強く反対してきた。12月26日付けの都教委の「通知」では、「奉仕」は教育課程上「学校設定教科・科目」と位置づけている。なぜ、「東京都設定教科・科目」から「学校設定教科・科目」に変えたのか。
▲都教委
地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、教育課程編成等の基本的事項について各教育委員会で規則を定めることが規定されている。これに基づいて策定された東京都立学校の管理運営に関する規則に則り、「東京都設定教科・科目」として「奉仕」を導入した。
また、「奉仕」は学習指導要領に位置付けられた教科・科目ではないので、東京都教育委員会が「奉仕」に関する基準を定め、東京都立高等学校教育課程編成基準・資料に加え、「奉仕」を東京都独自の「学校設定教科・科刑とし、必履修科目とした。教育課程編成は学習指導要領に基づいて行うために、「学校設定教科・科目」としたのである。
●都高教
そもそも全国にも例を見ない「東京都設定教科・科目」として都立高校の全校に必修として押しつけることに問題がある。
「学校設定教科・科目」とするなら、現行の学習指導要領では「学校設定教科及ぴ当該教科に関する科目の名称、目標、内容、単位数については、高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮し、各学校の定めるところによるものとする」とある。
学習指導要領では「学校設定教科・科目」は各学校が定めるものであり、「奉仕」を導入するか否かは各学校の判断に委ねるべきである。
▲都教委
現代の都立高校において、生徒に社会に役立つ喜びを体験的に学ばせることは喫緊の課題である。平成16年4月の「東京都教育ビジョン」においては、児童・生徒の規範意識や公共心を確かなものにするために「奉仕体験・勤労体験の必修化」が提言されている。こうした経緯を踏まえ、「東京都設定教科・科目」として「奉仕」を新設した。
教育課程編成上は「学校設定教科・科目」であるので、教育課程上の問題はないと考える。学習指導要領では、「学校設定教科・科目」は名称・目標・内容、単位数等については、その科目の属する教科の目標に基づき、各学校が定めるものである。しかしながら、教科「奉仕」については、東京都独自の教科・科目として都教育委員会が設定したものであり、「東京都立高等学校教育課程編成基準・資料」で大枠を定めたものである。
なお、「奉仕」は、学習指導要領上の必履修科目ではないが、「東京都立高等学校教育課程編成基準・資料」で必履修科目としたのであり、すべての生徒に履修させるよう、各学校は指導しなければならない。また、「奉仕」を必修得とするかどうかは、各学校が定めるものである。
●都高教
「東京都設定教科・科目」から「学校設定教科・科目」に変更した経緯については納得できるものではない。本来、ボランティア活動は自主的なものであり、「奉仕」を全校で一律で強制することで生徒の規範意識や公共心が向上するとは思えない。基礎学力の充実などの課題を解決するためにはそれぞれの学校の実態に合わせた教育課程の編成がなされるべきである。都教委は各校の教育課程の編成権を尊重し、「奉仕」の設定も各校が自主的に決定すべきであることを改めて求める。このままでは、多くの問題を抱えたまま開始することになり、生徒や教職員の負担が増大するばかりである。
「奉仕」テキストは準教科書であり検定教科書でもない。「総合的な学習の時間」にはテキストが義務づけられていないことからも、「奉仕」テキストの義務づけをなくし、各校の生徒の実態等を踏まえて使用を検討するべきである。
また、「奉仕」導入によって受益者負担の損害賠償保険加入が強制されることも問題である。独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済の対象外のケガをさせたりする場合もありえることで、その責任は「奉仕」を無理矢理押しつけた都教委にあるのではないか。
▲都教委
全校での必修化は「平成17年度重点事業」として策定された。各学校では、「奉仕」の趣旨を理解し、最もふさわしい学年(年次)に設直し、実施するものである。
「奉仕」は教科であるため、主たる教材が必要である。「奉仕」には検定教科書がないので、準教科書としてテキストを作成した。テキストの使用方法は、各学校の生徒の実態等に合わせて工夫するものであるが、すでに通知した通り、教科「奉仕」ではこのテキストを主たる教材として使用することとしている。定時制についてはテキストを補助金の対象とした。
損害賠償保険については、特定の保険を押しつけるものではなく、奉仕体験活動の内容に応じ、適切なものを各校が選び、加入するようにしてほしい。なお、奉仕体験活動の内容によって損害賠償保険が必要ない場合は、加入する必要はないと考える。
生徒自身のケが等については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象となる。
●郁高教
都高教は学校現場に様々な混乱をもたらす「奉仕必修化」に反対であり、都教委は「奉仕必修化」の施策を見直すべきである。都教委の強引な導入によって多くの問題が生まれているし、実施すれぱさらに歩くの問題や混乱が生じることは明らかである。今後も学校現場の疑問や要望に応えることは都教委の責務である。
▲都教委
今後も学校現場の要望はお聞きする。
2007年3月19日
都高教 河合副委員長、片山副委員長、横川執行委員、菅執行委員、職場代表
都教委 高野高校教育指導課長、宮本主任指導主事
205分会の職場決議を提出した後、職場を代表して4人が発言し、以下のような「奉仕」についての要請を行いました。
●都高教
都高教は、学習指導要領にもない「東京都設定教科・科目」を設定し、「奉仕必修化」を導入することに強く反対してきた。12月26日付けの都教委の「通知」では、「奉仕」は教育課程上「学校設定教科・科目」と位置づけている。なぜ、「東京都設定教科・科目」から「学校設定教科・科目」に変えたのか。
▲都教委
地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、教育課程編成等の基本的事項について各教育委員会で規則を定めることが規定されている。これに基づいて策定された東京都立学校の管理運営に関する規則に則り、「東京都設定教科・科目」として「奉仕」を導入した。
また、「奉仕」は学習指導要領に位置付けられた教科・科目ではないので、東京都教育委員会が「奉仕」に関する基準を定め、東京都立高等学校教育課程編成基準・資料に加え、「奉仕」を東京都独自の「学校設定教科・科刑とし、必履修科目とした。教育課程編成は学習指導要領に基づいて行うために、「学校設定教科・科目」としたのである。
●都高教
そもそも全国にも例を見ない「東京都設定教科・科目」として都立高校の全校に必修として押しつけることに問題がある。
「学校設定教科・科目」とするなら、現行の学習指導要領では「学校設定教科及ぴ当該教科に関する科目の名称、目標、内容、単位数については、高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮し、各学校の定めるところによるものとする」とある。
学習指導要領では「学校設定教科・科目」は各学校が定めるものであり、「奉仕」を導入するか否かは各学校の判断に委ねるべきである。
▲都教委
現代の都立高校において、生徒に社会に役立つ喜びを体験的に学ばせることは喫緊の課題である。平成16年4月の「東京都教育ビジョン」においては、児童・生徒の規範意識や公共心を確かなものにするために「奉仕体験・勤労体験の必修化」が提言されている。こうした経緯を踏まえ、「東京都設定教科・科目」として「奉仕」を新設した。
教育課程編成上は「学校設定教科・科目」であるので、教育課程上の問題はないと考える。学習指導要領では、「学校設定教科・科目」は名称・目標・内容、単位数等については、その科目の属する教科の目標に基づき、各学校が定めるものである。しかしながら、教科「奉仕」については、東京都独自の教科・科目として都教育委員会が設定したものであり、「東京都立高等学校教育課程編成基準・資料」で大枠を定めたものである。
なお、「奉仕」は、学習指導要領上の必履修科目ではないが、「東京都立高等学校教育課程編成基準・資料」で必履修科目としたのであり、すべての生徒に履修させるよう、各学校は指導しなければならない。また、「奉仕」を必修得とするかどうかは、各学校が定めるものである。
●都高教
「東京都設定教科・科目」から「学校設定教科・科目」に変更した経緯については納得できるものではない。本来、ボランティア活動は自主的なものであり、「奉仕」を全校で一律で強制することで生徒の規範意識や公共心が向上するとは思えない。基礎学力の充実などの課題を解決するためにはそれぞれの学校の実態に合わせた教育課程の編成がなされるべきである。都教委は各校の教育課程の編成権を尊重し、「奉仕」の設定も各校が自主的に決定すべきであることを改めて求める。このままでは、多くの問題を抱えたまま開始することになり、生徒や教職員の負担が増大するばかりである。
「奉仕」テキストは準教科書であり検定教科書でもない。「総合的な学習の時間」にはテキストが義務づけられていないことからも、「奉仕」テキストの義務づけをなくし、各校の生徒の実態等を踏まえて使用を検討するべきである。
また、「奉仕」導入によって受益者負担の損害賠償保険加入が強制されることも問題である。独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済の対象外のケガをさせたりする場合もありえることで、その責任は「奉仕」を無理矢理押しつけた都教委にあるのではないか。
▲都教委
全校での必修化は「平成17年度重点事業」として策定された。各学校では、「奉仕」の趣旨を理解し、最もふさわしい学年(年次)に設直し、実施するものである。
「奉仕」は教科であるため、主たる教材が必要である。「奉仕」には検定教科書がないので、準教科書としてテキストを作成した。テキストの使用方法は、各学校の生徒の実態等に合わせて工夫するものであるが、すでに通知した通り、教科「奉仕」ではこのテキストを主たる教材として使用することとしている。定時制についてはテキストを補助金の対象とした。
損害賠償保険については、特定の保険を押しつけるものではなく、奉仕体験活動の内容に応じ、適切なものを各校が選び、加入するようにしてほしい。なお、奉仕体験活動の内容によって損害賠償保険が必要ない場合は、加入する必要はないと考える。
生徒自身のケが等については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象となる。
●郁高教
都高教は学校現場に様々な混乱をもたらす「奉仕必修化」に反対であり、都教委は「奉仕必修化」の施策を見直すべきである。都教委の強引な導入によって多くの問題が生まれているし、実施すれぱさらに歩くの問題や混乱が生じることは明らかである。今後も学校現場の疑問や要望に応えることは都教委の責務である。
▲都教委
今後も学校現場の要望はお聞きする。
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