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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京「君が代」裁判4次訴訟スタート

2014年05月07日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ★ 4次訴訟第一回口頭弁論 6月11日(水)2時より 東京地裁527号法廷
  《エデュカシオン エ リベルテ》から
 ◆ 東京「君が代」裁判4次訴訟スタート
   ~すべての処分撤回と教育の再生を求めて


 ◆ 震災の直前に
 忘れもしない、私が不起立で初めて処分をされたのは、あの東日本大震災の二日前、2011年3月9日のことだった。
 そして翌10日には、これも忘れられない東京高裁の大橋判決が出され、すべての処分を取り消すという逆転勝訴を勝ち取った。
 そして、11日、大震災が勃発し、引き続く原発大災害・・日本は大混乱に陥った。(ちなみに、あの地震が起こる直前に、知事への立候補表明をした人がいる。最近「僕、国歌は歌わないもん」とかほざいて皆さんの怒りを買っている、元東京都知事の石原氏である)
 震災の夜は多くの生徒が学校に泊まり、私も職員室にごろ寝。退職直前の忘れられない出来事である。
 ◆ 何があっても処分最優先
 震災から1週間もたたない3月15日、混乱の中、生徒への対応に追われていた私のところに、突然校長がやってきて「今、都教委の方が来ているのでお話ししていただきたい』と言う。事情聴取だと!怒って断ったが、「震災が起きても原発が爆発しても、処分が最優先」という都教委の姿勢は常軌を逸している。
 私はその3月末に定年退職したが、「諸悪の根源」ともいえる「10・23通達」以降、教育現場では「えっ、こんなことあり?」ということが次々と。
 挙手採決の禁止、全員にパソコンを与えて教育活動を監視、教員に「数値目標」を出させて、その到達度をチェック、最近では、自衛隊を呼んでの防災謂練等、枚挙にいとまがない。
 退職1年前、校長から私の「業績評価」の説明を受けた。
 「学校運営」の項目がA~Dの4段階でCランクだったので「なぜ?」と聞くと、「加藤先生は、X先生を激しく批判して和を乱したから」という回答だった。
 生徒の心に寄り添うどころか、生徒を支配することしか考えない「校長派」のX氏を、私は職員会議で批判した。生徒の人権を守るために闘った。その何が悪いの?それが「和を乱した」とは!昇給の決め手となる業績評価が、こんな理由でつけられていく。
 「こんな都立高校でいいの?教育の再生を」という思いで、最後の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかった。その思いは今も変わらない。
 ◆ これまでの到達点と今後
 東京「君が代」裁判は、これまで3次訴訟まで闘われてきた(第1次提訴は2007年2月、第2次提訴は07年9月、第3次提訴は10年3月)。
 1次と2次はすでに最高裁で判決が出た。到達点は3点。
 ①起立斉唱・伴奏の強制は、憲法19条に照らし、「思想良心への間接的制約となる」と認めた、
 ②「累積加重処分システム」を断罪し、減給以上の処分は原則違法とした、
 ③反対意見があり、さらに多数の補足意見が出て都教委の強権的姿勢を批判した(「謙抑的な対応が教育現場における状況の改善に資するものというべきである」〈2013年年9月最高裁判決での鬼丸かおる裁判長補足意見〉)。
 今後突破すべき論点は以下。
 ①最高裁は、この職務命令が「必ずしも憲法19条に反するとはいえない」とし、10・23通達を違法とまでは判断していない、
 ②戒告処分を「当不当を論ずる余地はあるが違法とまではいえない」とし容認している(都教委の宣伝とは違って、「適法」とも断言していない)、
 ③憲法20条違反(信教の自由侵害)や、「教育の自由侵害」「国際人権規約違反」などの主張について、最高裁は何の判断も下していない。
 その「到達点」と「今後の課題」を踏まえながら、4次訴訟の準備が進められてきた。原告団を結成する前の2014年2月21日に、人事委員会審理が行われ、請求人8人が陳述をした。
 ◆ 人事委員会で訴えました
 Aさんは「クリスチャンである私にとって、『君が代』を歌わされるということは、信教の自由を侵害されているということです」と陳述。
 Bさんは「特別指導の申し渡しの場で校長に反抗的態度を見せたC。そのCが、沖縄修学旅行でガマに入った時、身体の不自由な私を気遣って背負ってくれました。表面的な解決のみを急ぐ校長のやり方の弊害が恐ろしい」と批判。
 減給処分を取り消されたのに、その後、非人間的な「再処分」を受けたDさんは「都教委は謝罪するどころか8年前の事件に対して再度の処分を、それも金銭的損失がより大きい処分を押し付けてきたのです」と心からの怒りを表明。
 最高裁判決以降に、不当極まりない減給処分を受けたEさんは「最高裁判決でも、減給処分は裁量権の逸脱とされている。私への減給処分は違法だ」と、暴走を続ける都教委を厳しく批判した。
 特別支援校のFさんは「通達以降、車椅子の生徒たちに檀上使用を強制し、子どもが自分で動くことを禁じた。これほど反教育的で、人権無視なことはあるでしょうか」と怒りを込めて告発した。
 ◆ 4次原告団結成総会開かる
 人事委員会口頭審理を経て、3月15日、4次訴訟原告団の結成総会が開かれた。弁護団からずしりと重い訴状が渡され、その冒頭に「これまでの最高裁判決に漫然と従ってはならない」とのタイトルが。うーん、これが私たちの「原点」かと実感。
 さらに、人権無視の再発防止研修に関して、原告らの強い要望もあり、新たに項目を追加。「再発防止研修が、被処分者に思想の告白を強要し、その転向を迫るものとなっている」と警告を発している。
 弁護団からは「そもそも国歌国旗への敬意表明を強制できるのか、という枠組みを問いたい」「理論面と同時に、現場がどうなっているかという実体論の両面から攻めていく」等の説明があった。
 今、都立高校の現場では、新たに「学力スタンダード」や「生活指導統一基準」など、現場の実態を見ない要項が押し付けられ、一層の混乱が起きている。都教委によって壊されてきた教育の再生をめざし、すべての処分撤回を勝ち取ろう、という意思を確認した意気高い結成総会となった。
 ◆ 3・17提訴行動~いよいよスタート
 春の光が温かい3月17日、4次原告を中心に、他の原告・支援者・弁護士の方々が集まり、提訴行動として地裁前まで行進。マスコミも含め多くの方が参加してくれた。
 いよいよ4次訴訟がスタート。原告の数は14人(2010年~13年関連)と少ないが、皆さんの支援を得て、何とか最高裁の重い扉をこじ開けたい。
 昼前から記者会見が開かれ、3人の方が自分の思いを語った。ある原告は「再発防止研修が一層ひどくなっている。また今回の戒告処分では、05年時の戒告をはるかに超える給与の減額がなされている」と訴えた。
 4月上旬、裁判所から第一回口頭弁論の知らせが届いた。6月11日に決まったという。
 さあ、いよいよ裁判が始まる。新たなスタ~トだ。皆さんのご支援をよろしくお願いします。
加藤良雄(4次訴訟原告)

『東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース 第35号』(2014年4月26日)

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