◇ 卒業式・入学式をめぐる状況と「君が代」不起立処分
大阪における今年の卒業式・入学式の状況および「君が代」不起立処分について、全国の皆さんに報告し、今後の処分撤回の闘いへの支援を訴えます。
昨年6月3日に大阪府議会で「君が代」起立・斉唱強制条例が可決成立したことを受けて、今年の卒業式に向けて、「君が代」強制の動きが一気に強まりました。その背景には、「不起立3回で免職」規定を含む職員基本条例が議会に提出されたこともありました。
◇ 府教委が府立学校全教職員に職務命令
府教委は、1月17日付の通達で府立学校の全教職員に対して、教育長名で卒・入学式等での「君が代」起立斉唱の職務命令を出しました。あわせて校長からも「式場内にいる教職員全員」に職務命令を出させ、不起立の意思表示をおこなった場合にはさらに文書で職務命令を出すという三重の職務命令体制を敷きました。
府立学校では、会場図と役割分担表を校長名で配布し、職員会議等で「職務命令」を読み上げ、職員会議欠席者は校長室に呼び出して職務命令を伝えました。
また、門真・高槻でも一部の教職員に職務命令が出されました。これ以外の府内市町村で職務命令が出された事例は確認できていません。.
◇ 卒業式の状況
府立学校の卒業式には、多くの学校で維新の会府議が出席し、不起立者をチェックしていました。
ある高校では、維新の会府議3名が「君が代」斉唱直後に大きな靴音を響かせて退席し、参加者のひんしゅくを買いました。
また、別の高校では、維新の会府議が来賓紹介の際に「社会の常識、社会のルールを教えるのも学校なのに、そのルールを守れない教員がいることをお詫びします。ほんとうにごめんなさい」とお祝いの言葉もそっちのけで不起立者を非難する発言をおこない、その後保護者や卒業生からの批判を浴び、PTAからも謝罪を求められました。
また、橋下の友人である中原・和泉高校長は、「君が代」斉唱時に口元チェックをおこない、不斉唱者を府教委に報告しました。さすがに府教委も、不斉唱での懲戒処分には踏み切れませんでした。
こうした中で、府立学校全体で29名の教職員が「君が代」斉唱時に不起立をおこないました。また、市町村立学校でも、豊中・高槻・茨木で不起立が報告されました。
◇ 不起立者への処分、再任用取り消し
卒業式での「君が代」不起立に対して、府立高校27名、府立支援学校2名、高槻・豊中・茨木各市立学校で1名ずつの計32名に戒告処分が出されました。
これらの処分伝達の際、「研修」への参加が強要され、さらに「入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の命令に従います」という「誓約書」への署名捺印を求められました。署名捺印は任意と言いつつも「再任用に影響が出る」と解雇を示唆した強要そのものでした。
そして、「研修」への参加や「誓約書」への署名捺印を拒否した被処分者(学労ネット高槻の組合員)への再任用取り消しを強行したのです。他に、府立高校でも1名が再任用更新を取り消されました。
私たちは、3月27目の第2次処分当日、被処分者への激励・府教委抗議行動を呼びかけ、約100名が府教委前に集まり、府教委への抗議申し入れ、府教委前での集会、シュプレヒコールなどをおこないました。被処分者も集会に参加し、力強く発言しました。
◇ 大阪市教委も全教職員に職務命令を出すよう校長に指示
大阪市教委は、橋下市長のもとで、ピアノ伴奏強制の徹底とともに数回にわたって、卒業式での起立斉唱を徹底させるように通知を出しました。さらに2月29日には、大阪市議会で大阪府と同様の「君が代」起立・斉唱強制条例を可決成立させました。
市立中学校で2名の不起立があった後、市教委は小学校卒業式に向けて、校長に全教職員に職務命令を出すよう指示しましたが、小学校卒業式でも1名の不起立がありました。
ある中学校では、不起立した教員に保護者集会、卒業生集会、終業式の3度にわたって謝罪させ、入学式での「君が代」起立・斉唱を強制しました。この教員への処分は「文書訓告」でしたが、あとの2名に対しては戒告処分が出されています。とくに、中学校の1名に対しては、校長による複数回の起立要請を「職務命令とみなす」という強引な解釈を行って、処分を強行しました。
◇ 入学式での教委・校長の対応と不起立
橋下市長は、市立学校小学校卒業式当目のマスコミ取材に「式に出ないという選択もありうる」「逃げ場を閉ざした上で、何でも締め上げることはしない。大人の対処法がある」「(式場外の係に配置することに対して)式場内での不起立を許さないよう現場でしっかりやってもらえればいい」と発言しました。
この発言をうけて、府立学校や大阪市立学校の入学式においては、とにかく不起立を回避するという一点で、不起立の可能性がある教職員を徹底して式場外に配置することがおこなわれました。
府立学校では、1年生の担任であっても、会場外の受付や警備の仕事が割り振られ、中には職務命令を出されたケースもありました。大阪市立や豊中市立の小学校では、卒業式で不起立だった教員に対して「職員室での勤務」が職務命令で命じられました。
こうした中でも、府立学校では2名の教職員が不起立をおこないました。この2名に対する処分伝達がおこなわれた4月25日にも、ホットライン呼びかけで被処分者激励・府教委抗議行動をおこないました。
◇ 処分撤回の闘いに支援をお願いします
ホットラインでは、3月から弁護士を交えて数回の相談会をおこない、被処分者からのさまざまな相談対応してきました。今後とも、被処分者による処分撤回闘争をバックアップしていく活動をおこないたいと考えています。皆さんから引き続いてのご支援をよろしくお願いします。
「日の丸・君が代」強制反対 ホットライン大阪
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hotline-osaka/
2012年4月28日
大阪における今年の卒業式・入学式の状況および「君が代」不起立処分について、全国の皆さんに報告し、今後の処分撤回の闘いへの支援を訴えます。
昨年6月3日に大阪府議会で「君が代」起立・斉唱強制条例が可決成立したことを受けて、今年の卒業式に向けて、「君が代」強制の動きが一気に強まりました。その背景には、「不起立3回で免職」規定を含む職員基本条例が議会に提出されたこともありました。
◇ 府教委が府立学校全教職員に職務命令
府教委は、1月17日付の通達で府立学校の全教職員に対して、教育長名で卒・入学式等での「君が代」起立斉唱の職務命令を出しました。あわせて校長からも「式場内にいる教職員全員」に職務命令を出させ、不起立の意思表示をおこなった場合にはさらに文書で職務命令を出すという三重の職務命令体制を敷きました。
府立学校では、会場図と役割分担表を校長名で配布し、職員会議等で「職務命令」を読み上げ、職員会議欠席者は校長室に呼び出して職務命令を伝えました。
また、門真・高槻でも一部の教職員に職務命令が出されました。これ以外の府内市町村で職務命令が出された事例は確認できていません。.
◇ 卒業式の状況
府立学校の卒業式には、多くの学校で維新の会府議が出席し、不起立者をチェックしていました。
ある高校では、維新の会府議3名が「君が代」斉唱直後に大きな靴音を響かせて退席し、参加者のひんしゅくを買いました。
また、別の高校では、維新の会府議が来賓紹介の際に「社会の常識、社会のルールを教えるのも学校なのに、そのルールを守れない教員がいることをお詫びします。ほんとうにごめんなさい」とお祝いの言葉もそっちのけで不起立者を非難する発言をおこない、その後保護者や卒業生からの批判を浴び、PTAからも謝罪を求められました。
また、橋下の友人である中原・和泉高校長は、「君が代」斉唱時に口元チェックをおこない、不斉唱者を府教委に報告しました。さすがに府教委も、不斉唱での懲戒処分には踏み切れませんでした。
こうした中で、府立学校全体で29名の教職員が「君が代」斉唱時に不起立をおこないました。また、市町村立学校でも、豊中・高槻・茨木で不起立が報告されました。
◇ 不起立者への処分、再任用取り消し
卒業式での「君が代」不起立に対して、府立高校27名、府立支援学校2名、高槻・豊中・茨木各市立学校で1名ずつの計32名に戒告処分が出されました。
これらの処分伝達の際、「研修」への参加が強要され、さらに「入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の命令に従います」という「誓約書」への署名捺印を求められました。署名捺印は任意と言いつつも「再任用に影響が出る」と解雇を示唆した強要そのものでした。
そして、「研修」への参加や「誓約書」への署名捺印を拒否した被処分者(学労ネット高槻の組合員)への再任用取り消しを強行したのです。他に、府立高校でも1名が再任用更新を取り消されました。
私たちは、3月27目の第2次処分当日、被処分者への激励・府教委抗議行動を呼びかけ、約100名が府教委前に集まり、府教委への抗議申し入れ、府教委前での集会、シュプレヒコールなどをおこないました。被処分者も集会に参加し、力強く発言しました。
◇ 大阪市教委も全教職員に職務命令を出すよう校長に指示
大阪市教委は、橋下市長のもとで、ピアノ伴奏強制の徹底とともに数回にわたって、卒業式での起立斉唱を徹底させるように通知を出しました。さらに2月29日には、大阪市議会で大阪府と同様の「君が代」起立・斉唱強制条例を可決成立させました。
市立中学校で2名の不起立があった後、市教委は小学校卒業式に向けて、校長に全教職員に職務命令を出すよう指示しましたが、小学校卒業式でも1名の不起立がありました。
ある中学校では、不起立した教員に保護者集会、卒業生集会、終業式の3度にわたって謝罪させ、入学式での「君が代」起立・斉唱を強制しました。この教員への処分は「文書訓告」でしたが、あとの2名に対しては戒告処分が出されています。とくに、中学校の1名に対しては、校長による複数回の起立要請を「職務命令とみなす」という強引な解釈を行って、処分を強行しました。
◇ 入学式での教委・校長の対応と不起立
橋下市長は、市立学校小学校卒業式当目のマスコミ取材に「式に出ないという選択もありうる」「逃げ場を閉ざした上で、何でも締め上げることはしない。大人の対処法がある」「(式場外の係に配置することに対して)式場内での不起立を許さないよう現場でしっかりやってもらえればいい」と発言しました。
この発言をうけて、府立学校や大阪市立学校の入学式においては、とにかく不起立を回避するという一点で、不起立の可能性がある教職員を徹底して式場外に配置することがおこなわれました。
府立学校では、1年生の担任であっても、会場外の受付や警備の仕事が割り振られ、中には職務命令を出されたケースもありました。大阪市立や豊中市立の小学校では、卒業式で不起立だった教員に対して「職員室での勤務」が職務命令で命じられました。
こうした中でも、府立学校では2名の教職員が不起立をおこないました。この2名に対する処分伝達がおこなわれた4月25日にも、ホットライン呼びかけで被処分者激励・府教委抗議行動をおこないました。
◇ 処分撤回の闘いに支援をお願いします
ホットラインでは、3月から弁護士を交えて数回の相談会をおこない、被処分者からのさまざまな相談対応してきました。今後とも、被処分者による処分撤回闘争をバックアップしていく活動をおこないたいと考えています。皆さんから引き続いてのご支援をよろしくお願いします。
「日の丸・君が代」強制反対 ホットライン大阪
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hotline-osaka/
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