◆ 教科書問題で乙武委員が質問~真意はどこに
この日の議題は、指導主事の懲戒処分等3件の人事に関する非公開議題のほかは、報告が3件。
①地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について
②平成27年度使用都立高等学校用教科書の採択について
③体罰根絶映像資料(DVD)についてだった。
報告事項の①は、教育行政に対する首長の権限強化のため、現行の教育委員会制度を変える、それに伴う法改正案が今月4日に閣議決定されたのを受けて、その内容を知らせるというもの。教育委員会制度は、子どもたちを戦争に追いやったことへの反省から、教育行政が政治から独立するようつくられた機関。形骸化して久しいが、安倍内閣はそれでも不安なのか、教育の私物化・国定教育を狙う。
「改正」案は、教育長と教育委員長の一本化や、首長と教育委員会が協議する総合教育会議の新設を柱とする。
事務方の説明に対し竹花委員は、「そんなに大きく変わったのではない。教育長と首長とで教育を決める。そんなものじゃない。君たちは法律の読み方がわかっているのか!」とすごんだ。
また、現行の教育長職と教育委員長職を兼ねた新「教育長」への移行は、法施行日の2015年4月すぐにでも、任期終了時でもいいとの事務方の説明に、竹花委員は「いつ移行するのか。それを誰が決定するのか」と問い詰めた。比留間教育長、木村教育委員長ともに任期は2016年7月なので、都教委はそれまでは新制度にしなくてもいいと言いたいのだろう。
氏の発言は、政治の不当支配を防ぐために設置された教育委員会制度がなくなることの危機感ではなく、教育委員会教育委員が軽視され、ご自身の存在が軽視されることへの危機感からの発言のように、失礼かもしれないが、私には感じられた。
実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を選定させないとか、「君が代」不起立処分をするなど、教育委員会のすべきことをはき違え、教育への政治介入をし続けてきた人物だから。
②は、来年度高校教科書採択の留意点等についての説明。
乙武洋匡委員は「昨年は『一部の自治体で公務員への強制の動きがある』という記述に対して、差し戻しがあった(注:都教委が実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を学校に選定させなかったこと)が、今年度、震災・原発について、検定は通っているが都教委として適切ではない、というのはあるか」と質問。
それに対し都教委は、「見本本がまだできていない。見本本の調査研究をしてから今後、都教委として検討していく」と答弁した。乙武委員は、「わかりました。よろしく」と言い、それ以上の発言はしなかった。
文科省検定が通っていても、都教委の事実上の別検定に引っかかるものは使わせないと介入したことについて、乙武委員は「まずかった」と反省して質問をしたのだろうか。
何が「わかった」のか。「よろしく」なのか、わからなかった。氏の質問の真意は測りかねたが、指導部は反省なく、今年も必要に応じて同じように不当支配をするというのだ。
③は体罰根絶DVDが完成し、各学校に配布。活用の周知・徹底をしたというもの。すでに、テレビのニュースで、全国初のDVDだ、と流れている。マスコミの捉え方は“すばらしい”という感覚なのが気になる。
都教委は、新採1年で3%の首切り、「君が代」不起立処分など、都教委に都合の悪い教員の、生存権をも奪ういじめを一方でしておいて、「何が体罰根絶か、いじめ防止か!」と言いたい。子どもたちは、大人社会のいじめをよく見ている。まずは、その根絶ではないのか。
『レイバーネット日本』(2014-04-11)
http://www.labornetjp.org/news/2014/0410nezu
この日の議題は、指導主事の懲戒処分等3件の人事に関する非公開議題のほかは、報告が3件。
①地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について
②平成27年度使用都立高等学校用教科書の採択について
③体罰根絶映像資料(DVD)についてだった。
報告事項の①は、教育行政に対する首長の権限強化のため、現行の教育委員会制度を変える、それに伴う法改正案が今月4日に閣議決定されたのを受けて、その内容を知らせるというもの。教育委員会制度は、子どもたちを戦争に追いやったことへの反省から、教育行政が政治から独立するようつくられた機関。形骸化して久しいが、安倍内閣はそれでも不安なのか、教育の私物化・国定教育を狙う。
「改正」案は、教育長と教育委員長の一本化や、首長と教育委員会が協議する総合教育会議の新設を柱とする。
事務方の説明に対し竹花委員は、「そんなに大きく変わったのではない。教育長と首長とで教育を決める。そんなものじゃない。君たちは法律の読み方がわかっているのか!」とすごんだ。
また、現行の教育長職と教育委員長職を兼ねた新「教育長」への移行は、法施行日の2015年4月すぐにでも、任期終了時でもいいとの事務方の説明に、竹花委員は「いつ移行するのか。それを誰が決定するのか」と問い詰めた。比留間教育長、木村教育委員長ともに任期は2016年7月なので、都教委はそれまでは新制度にしなくてもいいと言いたいのだろう。
氏の発言は、政治の不当支配を防ぐために設置された教育委員会制度がなくなることの危機感ではなく、教育委員会教育委員が軽視され、ご自身の存在が軽視されることへの危機感からの発言のように、失礼かもしれないが、私には感じられた。
実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を選定させないとか、「君が代」不起立処分をするなど、教育委員会のすべきことをはき違え、教育への政治介入をし続けてきた人物だから。
②は、来年度高校教科書採択の留意点等についての説明。
乙武洋匡委員は「昨年は『一部の自治体で公務員への強制の動きがある』という記述に対して、差し戻しがあった(注:都教委が実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を学校に選定させなかったこと)が、今年度、震災・原発について、検定は通っているが都教委として適切ではない、というのはあるか」と質問。
それに対し都教委は、「見本本がまだできていない。見本本の調査研究をしてから今後、都教委として検討していく」と答弁した。乙武委員は、「わかりました。よろしく」と言い、それ以上の発言はしなかった。
文科省検定が通っていても、都教委の事実上の別検定に引っかかるものは使わせないと介入したことについて、乙武委員は「まずかった」と反省して質問をしたのだろうか。
何が「わかった」のか。「よろしく」なのか、わからなかった。氏の質問の真意は測りかねたが、指導部は反省なく、今年も必要に応じて同じように不当支配をするというのだ。
③は体罰根絶DVDが完成し、各学校に配布。活用の周知・徹底をしたというもの。すでに、テレビのニュースで、全国初のDVDだ、と流れている。マスコミの捉え方は“すばらしい”という感覚なのが気になる。
都教委は、新採1年で3%の首切り、「君が代」不起立処分など、都教委に都合の悪い教員の、生存権をも奪ういじめを一方でしておいて、「何が体罰根絶か、いじめ防止か!」と言いたい。子どもたちは、大人社会のいじめをよく見ている。まずは、その根絶ではないのか。
『レイバーネット日本』(2014-04-11)
http://www.labornetjp.org/news/2014/0410nezu
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