自立

革命的な変化。

Tくん。

 

ここのところ、

ややレッスンが休み休みになりやすい状況。

でもTくん。

本当に私も驚くほど

淡々と練習を重ねる。

多分、

Tくん本人は

あまりペースを変えたとは

思っていないと思う。

 

でも。

「分かんなかった」とか

「できなかった」とは

言わなくなった。

 

レッスンとレッスンの

間が開いてしまうため、

TくんがTくんなりに考えて、

楽譜を読み、

弾いているのだろう。

 

丸投げ感が無くなった。

 

間違えていても仕方がない

と考えるようになったかも分からないけれど、

TくんがTくんなりに読んだものを、

きちんと練習してくる。

以前は、

間違えているかも知れないからと、

躊躇してあまり弾き進まなかった。

 

レッスンで

一曲弾き終わると、

「間違ってる？」

と聞いてくるけれど、

そのTくんの表情から

自信を感じる。

 

自分で考えて弾いているから、

それをきちんと練習してあるから

曲がすごーくスムーズに

流れるようになった。

音もコン！と当たりのいい音が鳴る。

 

一人で歩き始めたのだな、

と感じる瞬間。

嬉しいな。

『大人は泣かないと思っていた』

『大人は泣かないと思っていた』寺地はるな

 

田舎故の閉塞感、

男尊女卑、

家族の行き詰まり、

仕事場の人間関係。

孤独のかたまり。

 

前向きに生きていても、

誰しもが

後ろ向きな側面もある。

 

 

その息苦しさに負けて、

途中で読むのをやめようかと思いつつ、

何故か読み続け、

最後、ドカンとやられた。

びっくり。

ここに繋がるのだったかと。

最後まで読まないと味わえない、

人と人との繋がり、

温かさ。

一人じゃないということ。

 

頑張って読んで良かった。