カウント。
ただただ、
同じペースで刻み続ける。
目に見えない。
だから、
かなり難しい。
Rちゃん。
このカウントが
大きな大きな課題だった。
読みやすい音符軍は
ター!と流れるように、
いや、
雪崩のように弾いてしまう。
読みにくくなると、
急激に徐行してくる。
同じペースで!
と言っても
感覚で掴むしかないので
繰り返し繰り返し
レッスンの中で体験し、
理解してもらう。
五線の音符を覚えるのより
当人に正誤が分かりにくく
難しい課題。
メトロノームを使う
という手もあるけれど、
自分でカウントを刻む
という大事なポイントは
外したくないため、
遠回りでも
ゆっくり地道に
体得してもらうしかない。
…そんな中、
今日のRちゃん。
ピアノを弾き始めてすぐ
「今、速い!」
「速くなったね」
「ダメだね」
ちょっとでもカウントが
あやしくなると、
止まって弾きなおす。
ちょっとでも
タタタっと滑ると
自分で気がつき
やり直す。
Rちゃん。
偉いね。
すごいね。
私、
かなりしつこく
カウント!
って言い続けていたから、
Rちゃんがピアノを嫌になっちゃったら
嫌だなと思って
心配しながら
見てきたんだ。
時間はかかったけれど、
ちゃーんと理解してもらえたのだと、
嬉しくなる。
Rちゃんの
ポジティブさに
助けられたな。
よく分かったね、
カウント上手に取れるようになったね
と私が言うと
嬉しそうにはにかむ笑顔のRちゃん。
私も、いや、
私が嬉しい。