雨模様…はお天気のことではない。
この日、Rちゃん。
泣き顔でやって来た。
半ばお母さまに引きずられるように。
「両手になって難しくなって
泣きながら練習して
ピアノ行きたくなーいって
言っていたのを
無理矢理連れて来ました」
とお母さま。
ありゃま。
前回のレッスン。
「難しくなるよ」
と宣言しつつ、
予習もしたつもりだったけれど、
不足していましたかぁ。
教室に入りRちゃんと話し合い。
「やってみたけど出来なくて、
弾きたいのに弾けなくて
悲しくなって涙が出て来ちゃったんでしょ?
ピアノなんかやだー!って
思っちゃったんでしょ?」
と尋ねていくと、
Rちゃんが「そうそう」とばかりに
うなずき涙が出てくる。
「挑戦して欲しかったんだよ。
別に出来なくてもいいんだよ。
完璧にして来てね、なんて
言ってないんだよ。
挑戦してみた様子で
次、どうしようか考えるのが
先生の仕事なんだから。」
そうか、そうだったのかとばかりに
安心した様子のRちゃん。
原因の宿題を開き、
とりあえず弾いてもらう。
一言二言アドバイスして
数回弾いてもらったら
…弾けた。
「それでいいんだよ。
ちゃんと努力してくれてたから、
だからちょっとのアドバイスで
弾けるようになったんだよ」
笑顔になるRちゃん。
Rちゃん。
割と逃げ腰というか、
「無理かも」と思ったモノに
すぐに背を向けてしまうタイプ。
それを分かっていたからこそ、
挑戦することの大切さを
分かって欲しいと思うのだ。
そこはお母さまも同じで
「ここで諦めちゃダメだと思って」
と涙の止まらないRちゃんを
自転車に乗せて連れて来てくださった。
そして教室にRちゃんを任せて
教室に入ることはなかった。
本当にありがたい。
お家で説得することなく
任せてくださった。
お陰でRちゃん自身と
きちんとお話ができた。
よかった。
まだまだピアノの入り口のRちゃん。
Rちゃんを置いてけぼりにすることは
絶対にないこと、分かって欲しい。
そして、これからも
一緒にピアノを弾いていきたい。