栗色のカールのかかった
クルクルの長い髪の毛
白い顔に真っ黒なふちどりの目
カラフルな長いつけ爪
ちょうちんブルマーみたいなベージュのパンツ
その下のガーターベルト
なんじゃ こいつらは~
なんて
地下鉄で前に座った娘たちを見て思った
矢場町で
着物を着たおばあちゃんが乗ってきた
すると
前に座っているガーターベルトが
すっと立ち上がり
おばあちゃんに席をゆずった
僕は
格好だけで彼女たちを見たことを
恥ずかしく思った
そんな気持ちで おばあちゃんを見たら
おばあちゃんは
ニコニコ笑って彼女たちに話しかけていた
彼女たちもニコニコ笑いながら
しばらく 話していた
この おばあちゃん
悲しいことや苦しいことを乗り越えて
なんでもないような顔をして
こんなふうに
やさしく話をしているのだろうな~
やさしい顔しているおばあちゃんを見ながら
歳をとるというのは
苦しんだり悲しんだりだけすることでないらしいなぁ
なんてことを思ってしまった
夢先案内人