世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

かなしみのしゃぼんだま

2010-08-27 | Mozart 幻想









ピアノ 協奏曲 第22番 第2楽章



弦楽四重奏曲の14番もスキだけど
この22番第2楽章が一番かもしれない

こころの中にあるものを表現するとき
どうしても 言葉に限界を感じることがある

かなしみと悲しみ・・・・・・・・・
こんな風にしか表現できない言葉があるんだ

もちろん
この第2楽章はかなしみの曲です







ピアノ独奏のなかの しゃぼんだま
           


とうめいな空気を胸いっぱい吸いこんだ

そしたら
かなしくて つめたくて
切なくなってきた

涙を止めようとして
息をはいたとき
かなしみが
息とともに吐き出され
くうきになっていた

そのかなしみのくうきを
ストローでふきだし
しゃぼんだまをつくった

とうめいで虹色にひかるしゃぼんだま

ふわふわ
ふわふわ
宙に舞う

虹色の中にかなしみをふくんだしゃぼんだま

ふわふわ
ふわふわ

やがて
しゃぼんだまはパチリとわれて
ぼくのかなしみは
大気のなかにとけていった

なんとみじかくあっけない
ボクのかなしみのいのち・・・・









41小節目あたりのピアノ独奏の三連符がいいな
あと、木管がやさしいね
ほんとにかなしくて
やさしくてスキだな
  人生のかなしみを経験した深い瞳を感じる・・・・



たまに 人と話をしたくなる
自分のこころの中にあるものを話してみたい
でも 内容はひとりよがりのものばかり

「心に映り行くよしなしごとを・・・・・ 」 *

と言ってもいいかもしれない

そして 結論は解っている

「怪しうこそ物狂ほしけれ」 *

その言葉のとおりだ

兼好氏との違いは
それを書いて名文学になるか
つまらん独り言になるか
そんなところだろうね

結果は見えているから
しゃべらず黙っていた方がいい


でも しゃべりたい・・・・



                                                      * 「徒然草」 吉田兼好 著







Piano Concerto No. 22 Andante