次は「イタリア」に行くことになります。イタリアの「ローマ」にある「ヴァチカン美術館」へまず行きますが、その入り口のわかりにくいのには困った経験があります。
高い壁の周りを歩いていると、人が列の並んでいるのが見え、そこに行って見ると入り口らしきものが見つかり、そこから人について入場しました。
ヨーロッパではどこでもそうですが、日本のようにやたら看板を出していません。日本では看板がないところをさがすのが難しいぐらいいたるところに看板が見られます。
「ヴァチカン美術館」の目玉と言えば、「ミケランジェロ」の天井画と「ラファエロ」の「アテナイの学堂」ではないでしょうか。
「システィーナ礼拝堂」にある天井画は、あまりにも有名で、これを見に来る人で会場は一杯です。
16世紀に王の命を受け、この天井画を描くことになるのですが、天井という場所もあって思うようには制作はすすまなかったようです。
また、「フレスコ画」と言うこともあり、乾かないうちに描いていかないといけないということで、時間との戦いのようなものが
あったようです。
毎日、何時間と天井を見ながらの作業がつづき、「ミケランジェロ」は一時、首がもとに戻らなかったこともあります。
しかし、「ミケランジェロ」の描写力は、「彫刻家」と言うこともあって、その空間の処理は抜群のものがあります。
これに反して、「ラファエロ」の作品は、優しさ優雅さをたたえていて、この二人の画家の個性の違いがとてもわかりやすいように思えます。
「アテナイの学堂」と言う作品を、画集で見たことがある人は多いと思いますが、その違いは歴然としています。
実はこの二人、その当時お互いに会うことがあり、特に「ラファエロ」は「ミケランジェロ」の影響をかなり受けています。
「ミケランジェロ」の描いた天井画の制作途中に、「ラファエロ」はその現場を見ていて、その制作を参考にしています。
また、「ラファエロ」は「ダ・ヴィンチ」とも会っており、その影響は計り知れないものがあります。
この「ルネッサンス」の三大巨匠はこの当時、実際に会っており、現在の我々にこうしたすばらしい作品を見せてくてています。
そのつながりを考えながら、こうした名作を見るとまた、違った感想がもてるのではないかと思います。