「美」を愛する人へのメッセージ

岩国市を中心に「いろ・色・パステル画」展を開催しています。また、「美」という大きなテーマに向かって発信していきます。

「ボルゲーゼ美術館・ローマ」

2011-03-10 07:03:31 | 「世界の美」

Rome, Italy: Borghese Gallery

イタリアのローマに「ボルゲーゼ美術館」というのがあります。「ボルゲーゼ家」がコレクションした作品を中心に「彫刻」や「絵画」が展示されています。

 

私もこの美術館へいって見ましたが、そんなに大きな美術館でなく、1階が「彫刻」を展示していて、2階は「絵画」を展示しています。

 

「ミケランジェロ」をつぐイタリアの大彫刻家に「ベルニーニ」の名前が挙げられるのではないでしょうか。

 

その「ベルニーニ」の彫刻を中心にして、館内はその空間処理に工夫がなされています。

 

「ベルニーニ」の代表作である「プロセルピーナの略奪」や「アポロとダフネ」の彫刻がここにあります。

 

この動画の中にも出てきますが、大理石で作られたその彫刻はまるで生きているかのような錯覚を我々に与えてくれます。

 

「ベルニーニ」の作品は、「人間の愛とその葛藤」を主にテーマにしたものが多く、誰にでも理解されやすい作品だと思います。

 

とても繊細で人の共感を得るこうした作品を見ると、「ベルニーニ」の人柄がわかりますが、彼はローマにあるいろいろな広場の彫刻をも手がけています。

 

例えば「スペイン広場」にある「船の噴水」や「ナヴォーナ広場」の「彫刻」等は彼の作品です。

 

「ミケランジェロ」の男性的な彫刻に対して、「ベルニーニ」の彫刻はどこか女性的なニュアンスがあります。

 

それだけに、日本人にはとても人気のある作家だと思っています。生きたようなその彫刻をご覧ください。

 

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「サンピエトロ大聖堂」

2011-03-09 07:34:02 | 「世界の美」

No02イタリア旅行-サンピエトロ大聖堂.mpg

「ヴァチカン美術館」のすぐとなりに「サンピエトロ大聖堂」があります。

 

この大聖堂は「カトリック教会」の総本山で、たびたびニュースでも出てくる教会です。

 

今、宗教のあり方が問題になっていますが、人が創っているそうした組織にはどうしても隠せない問題が多数発生してきます。

 

あまりにも人を「しきたり」でしばる世界が、「人の心のゆがみ」を生むことがいろいろな事件で暴露されています。

 

日本でも「相撲界」の「八百長事件」等話題が豊富ですが、そうした古い体質の世界にはどうしても「心のゆがみ」が生ずるのではないでしょうか。

 

それはさておき、この「サンピエトロ大聖堂」に入ると、いたるところに彫刻があるのに気づくと思います。

 

「ヨーロッパ」では、どこの国へ行っても「彫刻」がいたるところに展示されており、町の風景の装飾にもなっています。

 

日本の「看板」の多さは辟易するのですが、もし日本でも看板の代わりに、こうした「彫刻」を展示したらどうなるでしょうか。

 

そうしたことを考えるととても楽しい気分になります。

 

「彫刻」と言えば、「ミケランジェロ」ですが、この「サンピエトロ大聖堂」にも彼の作品の代表作である「ピエタ」があります。

この画像を見て、1回は見たことがある人も多いのではないでしょうか。この作品は彼が20代に作った作品として知られており、その天才振りがよくわかる作品になっています。

 

私は小さな頃より、この作品に憧れ本物を見てみたいと思っていましたが、それが目の前で見れ、その感動は計り知れないものがありました。

 

つまらないことですが、その巧みな技術と繊細な手法には度肝を抜かされ、本当にこれが人の手によって作られたものであるとは、信じられないものがありました。

 

それを若干20代の若者が作ったというから、その驚きは2倍にも3倍にも膨れ上がります。

 

「ミケランジェロ」はとても頑固なところがあり、その当時の権力者とも、かなり考え方の衝突をしていたようです。

 

先日の「天井画」の制作でも、「私は彫刻家だ」と言うことで、「絵は描かない」ということを前面に出し、断っていたそうですが王の力に負けしぶしぶ制作をするようになります。

 

「ミケランジェロ」の仕事は、いったん始めるとても早くそのスピードはかなりのものがあったようです。

 

「ミケランジェロ」の集中力には、すさまじいものがあったようで、それがこうした作品を残している原因だと思います。

 

現在に住む我々も「集中力」がいかに大事であるかも、こうした先人から学ぶことができます。

 

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「イタリアへ・ヴァチカン美術館」

2011-03-08 17:13:45 | 「世界の美」

次は「イタリア」に行くことになります。イタリアの「ローマ」にある「ヴァチカン美術館」へまず行きますが、その入り口のわかりにくいのには困った経験があります。

 

高い壁の周りを歩いていると、人が列の並んでいるのが見え、そこに行って見ると入り口らしきものが見つかり、そこから人について入場しました。

 

ヨーロッパではどこでもそうですが、日本のようにやたら看板を出していません。日本では看板がないところをさがすのが難しいぐらいいたるところに看板が見られます。

 

「ヴァチカン美術館」の目玉と言えば、「ミケランジェロ」の天井画と「ラファエロ」の「アテナイの学堂」ではないでしょうか。

 


「システィーナ礼拝堂」にある天井画は、あまりにも有名で、これを見に来る人で会場は一杯です。

 

16世紀に王の命を受け、この天井画を描くことになるのですが、天井という場所もあって思うようには制作はすすまなかったようです。

 

また、「フレスコ画」と言うこともあり、乾かないうちに描いていかないといけないということで、時間との戦いのようなものが

あったようです。

 

毎日、何時間と天井を見ながらの作業がつづき、「ミケランジェロ」は一時、首がもとに戻らなかったこともあります。

 

しかし、「ミケランジェロ」の描写力は、「彫刻家」と言うこともあって、その空間の処理は抜群のものがあります。


 

これに反して、「ラファエロ」の作品は、優しさ優雅さをたたえていて、この二人の画家の個性の違いがとてもわかりやすいように思えます。

 

「アテナイの学堂」と言う作品を、画集で見たことがある人は多いと思いますが、その違いは歴然としています。

 

実はこの二人、その当時お互いに会うことがあり、特に「ラファエロ」は「ミケランジェロ」の影響をかなり受けています。

 

「ミケランジェロ」の描いた天井画の制作途中に、「ラファエロ」はその現場を見ていて、その制作を参考にしています。

 

また、「ラファエロ」は「ダ・ヴィンチ」とも会っており、その影響は計り知れないものがあります。

 

この「ルネッサンス」の三大巨匠はこの当時、実際に会っており、現在の我々にこうしたすばらしい作品を見せてくてています。

 

そのつながりを考えながら、こうした名作を見るとまた、違った感想がもてるのではないかと思います。

 

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「ゴヤの場合」

2011-03-07 16:59:01 | 「世界の美」

ゴヤ & ベートーヴェン_運命

 「宮廷画家」と言えば、スペインでは「ゴヤ」が上げられます。「ゴヤ」のことは、映画にもなっているぐらい、よく知られている画家だといえます。

 

その「ゴヤ」も、宮廷画家として一生を終わるのですが、「ゴヤの場合」も40才を過ぎてから聴力を失います。

 

その聴力を過ぎてからの「ゴヤ」の作品には、現在でもよく知られている名画がたくさんあります。

 

「着衣のマヤ」「裸のマヤ」というのは、とても有名ですが、こうした「裸体」はスペインにおいては禁止されていました。

 

「カトリック国家」と言うことで、宗教上の理由からこうした絵は禁止されたのですが、ある権力者に頼まれて描いたようです。

 

「対比」がきいて、見るものに「インパクト」を与える効果のあるこの2枚の絵は、どうしても目立ってしまいます。

 

しかし、「ゴヤ」が描いた絵は「宮廷」における人間模様であり、「人物画」を描いた作品の点数を見るだけでそれらがわかります。

 

「矛盾」だらけの宮廷の生活に、ある種の「義憤」のようなものを表現している作品がたくさんあります。

 

ところで、「ゴヤ」は「聴力を失う」という壁にぶつかりますが、音楽家の「ベートーベン」にしても聴力がありませんでした。

 

そうした「ハンディ」を乗り越えていったから、人と違う世界観がもてたし、またそれを乗り越えようとする力が生まれてきたのかも知れません。

 

「天才と言われる人達」と言うのは、そうしたものをどこかに持っていて、それをばねに大きく飛躍しているように見えます。

 

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「ベラスケスのトリック」

2011-03-06 08:12:49 | 「世界の美」

名画への旅 ベラスケス(Diego Vel醇@zquez)

「ピカソ」「ダリ」という「スペイン」が生んだ芸術家の中で、もう一人忘れてはいけない人がいます。

 

その名は「ベラスケス」です。実は「ピカソ」等はこの「ベラスケス」の影響をかなり受けていて、かなり模写を試みています。

 

「印象派」の生みの親のような存在の「マネ」と言う画家は、この「ベラスケス」のことを、「画家の中の画家」と絶賛しています。

 

ここにあげている動画の中に出てくる「ラス・メニーナス」という作品は、日曜美術館等でもたびたび紹介され、知っている人は多いと思います。

 

この作品のおもしろさは、なんといってもこの中に隠された「トリック」ではないでしょうか。

 

「作品の中に描いてある部屋には、何人の人がいるか?」という質問を子供たちに与えると、9人という答えがかえってきます。

 

しかし、実際には11人の人がいるわけです。鏡にうつっている「王、女王」がこの絵には描かれています。

 

その空間をイメージすると、どうなるか動画の後半に回答があります。

 

その卓越した「空間処理」をこの頃に、すでに考えていたこの「ベラスケス」のユニークな発想は一体どこから生まれたのでしょうか。

 

私が勝手に想像するには、彼は「宮廷画家」として17世紀に活躍するわけですが、30年の年月に及ぶ宮廷の中での人間模様にヒントを得ているように思えます。

 

この絵からわかるだけでも、「王、女王」「王女」「画家」「家庭教師」「ピエロ」「修道士、修道女」「召使い」等、いろいろな人々の姿が見られます。

 

そうしたいろいろな人達の言動を毎日見ていると、その「人間模様」はもちろんのこと、それだけでなくそこにできる「個と個の空間関係」のようなものまでができてしまうのではないかと思います。

 

そうしたいろいろな視点を使い、こうした作品ができ、やがて「セザンヌ」の絵画や「ピカソ」の立体主義に多きな影響を与えることになります。

 

歴史的なつながりを見ていくととてもおもしろく、お互いに影響しあっていることがわかります。

 

こうした絵画を見ながら、日常生活の中に見られる我々の行動を、再検討するとおもしろいかも知れません。

 

余談ですが、「イギリス」の「ナショナル・ギャラリー」にあるベラスケス作「鏡のビーナス」という作品があります。

 

その作品を私は鉛筆で「模写」を試みましたが、彼独特の線にはついていけなかった記憶があります。

 

何気ない色や形でも実際に描いてみると、こんなにも難しいのかとその時良くわかりました。

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