英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

文庫から出直しな!

2007-11-13 | イギリス
グレッグ・ルッカ「天使は容赦なく殺す」

原題は「A Gentlman's Game」
この手の表紙デザインってのは、これまでどちらかというと苦手だったんですけど、食わず嫌いはいけません。どこに至福の時が眠っているか分からないんですから・・・。ということでさっそく実食!です。 主人公は英国秘密情報局(Secret Intelligence Service、略称:SIS)の課長タラ・チェイスです。いわゆる「殺しのライセンス」を持つ女。
ロンドンの地下鉄で3ヶ所同時に起こったテロ。英国は即断で報復をタラに命ずる。9.11以降の微妙な国際バランスのハザマで暗躍する各国のインテリジェンス。これは新しいタイプの007か?期待が持てる!
・・・・・・・・・あら?ら? 物語はとってもスピーディーに展開!でも、なにか、文字が多い割りには何故か満たされないお腹・・・・。結局最後までこの印象が拭えないままに読了となりました。冷徹な殺しのテクニックと美貌を兼ね備えた主人公。その素性は今後のシリーズの中でもっと明らかになるのでしょうが、肝心のプロットが淡白というか・・・・。
パディントン駅を使った脱出作戦が良かっただけに残念です。
自爆テロを行う側の論理も今ひとつ説得力に欠けているように思えました。
読んでみてあらためて値段の高さに感じ入りました。