国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

上海近郊の崇明島の自然保護計画は、内戦・伝染病などの際の避難所としての確保が目的?

2007年02月24日 | 中国
中国文明は、平和で気候の良い時代に人口が極限まで増加し、気候悪化(寒冷化・乾燥化)と共に大飢饉とそれに伴う内戦で人口が減少するという歴史を繰り返してきた。飢饉や内戦の時期には親が子を殺して食うといった弱肉強食の極限状態が常態化し、それが家族以外の人間、あるいは同郷の人間以外を信頼しないという砂のようにまとまりのない社会を作りだした。危機に際して団結して生き残りを目指す日本人と、他人を信頼できないために自分だけ、自分の仲間だけの生き残りを目指して互いに争い、結果的に外敵につけ込まれる隙を与える中国人の行動様式は全く異なる。数千年の長い歴史が作りだしたこの中国人の民族性は容易に消えるものではない。たとえ一見文明化したように見えても、一度悲惨な飢饉や内戦が起きれば彼らは中国文明のDNAに従って野獣のような弱肉強食の本性を現すことだろう。上海市は少なくとも今後数十年の間は、孤立した西洋文明(日本文明を含む)の橋頭堡であり続けると想像する。 崇明島の環境保護計画は、人口の増加を抑制する点が最も注目される。これは単なる自然保護ではなく、内戦・伝染病蔓延などの危機に上海市民が避難する場所として確保することが目的ではないか。約1000平方㎞の崇明島は幅数㎞の水面で大陸と隔てられており、日本等の海軍力の支援の下に橋頭堡として確保することが中国大陸で最も容易な場所と思われる。中国の臨海地区の大都市の内、大陸が内乱状態になったときにシーパワーの力で維持し易いのは地形から考えて上海・大連・香港と思われる。大連と香港は大陸からの上水に依存しているという致命的欠点があり、この点で揚子江を利用できる上海が優位にある。更に上海には、陸から離れた崇明島という広い避難場所もある。狭く山がちで淡水自給不可能な香港島に比べた安全保障上の優位性は明らかだ。近い将来に上海が香港と同様の特別行政区に指定されれば、現在香港に本拠地を置く外資系企業の多くが上海に移り、中国の玄関口として圧倒的な発展を遂げることだろう。そして、大陸での内戦や暴動を恐れる富裕な中国人は挙って上海に移住するだろう。それは、かつて日本軍を中心とする駐留部隊によって治安が維持され繁栄していた上海租界の再現に他ならない。上海閥は、かつての租界の繁栄を復活させることを夢見て日本資本の進出に協力してきたのではないかと想像する。 . . . 本文を読む
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