国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

長い十九世紀、短い二十世紀、そしてゼロ成長と環境保護・資源節約の二十一世紀

2010年08月17日 | 経済
イギリスの歴史学者エリック・ホブズボームは、19世紀をフランス革命の始まった1789年から第一次世界大戦開戦の1914年まで、20世紀を1914年からベルリンの壁崩壊の1989年までと定義している。この定義に従うならば、21世紀は既に21年経過していることになる。さて、21世紀はどのような一世紀になるのだろうか?19世紀の最初の26年間は世界文明の中心であった欧州で大戦争が続いた。20世紀の最初の31年間も、戦間期を挟んで二度の世界大戦があった。26と31は共に四捨五入すると30になる。従って、21世紀も最初の30年間、つまり1989年から2019年までは大戦争が起きているはずである。現実には、核兵器が存在するために大国間の大戦争はもはや不可能になっている。しかし、外交戦争・経済戦争という形態で現在、世界的大戦争が進行中なのだと思われる。20世紀はパックスアメリカーナの時代であり、アメリカの国際金融資本に操られたソビエト連邦という国とアメリカという二つの大帝国だけが生き残り、その他の帝国は皆滅んでしまった。1911年の辛亥革命で滅亡した清もその滅亡した帝国の中に含めて良いと思われる。21世紀最初の30年間とは、生き残った帝国であるソビエト連邦、その兄弟国である中華人民共和国、そしてアメリカの三大帝国が滅亡する時代になるであろう。ソ連は既に滅んだので、今後は中国と米国の番である。歴史が繰り返すならば、米国と中国はともに、2019年までに崩壊し分裂していくことになると思われる。冒頭のガーディアン紙の記事が述べる通り、21世紀は環境問題や資源枯渇問題が重要になってくると思われる。貴重な資源を節約しつつ、高度な文明を維持し継続させてゆくことが必要とされるのだ。経済成長は必要条件ではないのだ。この21世紀型システムに世界で最初に突入した国は日本である。日本は1989年のバブルの後、経済的停滞に陥りつつも文明を維持している。また、東海道ベルト地帯に人口の三分の二が集中するというシステムは、過密・過疎という深刻な副作用を伴いつつも、輸送コストの縮小、石油需要の削減という点で非常に大きなメリットを有している。日本と並んでドイツも21世紀型の国家である。今後、アングロサクソン国家も日独を真似て、人口抑制・ゼロ成長下での文明維持・貴重な天然資源の節約を目指す様になると私は想像する。 . . . 本文を読む
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