マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

モーツァルト:キラキラ星変奏曲

2014-01-21 23:58:27 | コンサート
26日のリサイタルで弾く曲の最初は、モーツァルトのキラキラ星変奏曲です。
わかり易いので、キラキラ星変奏曲と呼んでいますが、ホントのタイトルは違います。
”フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 ハ長調”です。
パリ滞在中だった1778年に4曲書かれた変奏曲のうちの一つで、主題となった曲は、作者不詳のフランス語シャンソンで、若い娘が想う人のことを母に打ち明けようとする、恋の歌でした。
1770年からパリでかなり流行っていたようです。
12の変奏曲ですが、終わりに向かってだんだん複雑になり音域も広くなって盛り上がって行きます。
シンプルですが、譜面上の易しさとは裏腹に、音として響かせる難しさがあるのは、モーツァルトの作品に共通の特徴です。
そう、譜読みは簡単だけど、表現は難しい…ここが一番問題なのです。
クリアな音で弾きたいものです。

この曲をプログラムに入れはしたものの、つい最近まであまり気分が乗っていませんでした。
良さというのは、弾きこんでいって初めてわかるのですね。
楽譜には強弱もないし、アーティキュレーションも書き込まれていないし、どう弾くかは、その時代の様式と自分の感性を頼りに弾くわけです。
なので、いろんな解釈ができてしまいますが、とにかくシンプルに弾こうと思っています。

お勧めCD
エッシェンバッハ モーツァルト:キラキラ星の主題による変奏曲 K.265
バレンボイム キラキラ星変奏曲 (モーツァルト:ピアノのための変奏曲集